映画レビュー1067 『新郎の条件2: 敗者復活』
ということで急遽追加で観ることにした続編。
例によって前作のネタバレが入ってくるのでそこだけはご注意ください。まあネトフリで終わっちゃった以上、復活が無ければそうそう観る機会は無いとは思いますが…。
新郎の条件2: 敗者復活
クヴァンチ・バルウヌ
ジャングル・ジャングル
オメル・オズギュル
「Gel Aska Gel」
Nil Karaibrahimgil
2016年1月1日 トルコ
108分
トルコ
Netflix(PS4・TV)

前作同様、普通に良くできたラブコメ。
- なんだかんだ一緒になろうとした二人の恋路に邪魔をする“家柄”問題
- シナン祖母が大反対、果たして二人はうまくいくのか…!
- 前作同様にかわいくオシャレな安定ラブコメ
- ただし前作以上の驚きは無し
あらすじ
日本でもありそうな“家柄”問題が中心の続編。この辺はどこの国でも共通なんでしょうね。特にアジア圏は…。
紆余曲折ありつつもめでたく結婚を誓い合う仲となったエフスンとシナン。しかしシナンの実家は大富豪、よりによってアラサー売れ残り女なんて許しません! とシナン祖母が大反対。
とは言え本人たちの気持ちもあるし…と両家の交流を続けていきますが、事あるごとに意地悪を働くBBAにエフスンも限界が近い…! どうなる二人の結婚…!
トルコ版「クレイジー・リッチ!」
なんやかんやありつつお付き合いも継続し、じゃあ結婚しましょうかとなったエフスン&シナンカップルに今度は「結婚前の通過儀礼」的に発生するトラブルの数々をご覧に入れましょう的な続編です。気持ちだけじゃ結婚できないぜという例のアレですよ。
障害はいろいろあるものの、今作における最大の障害は「シナン溺愛」かつ「シナン家大ボス」である祖母の存在。
前作で散々言われていた「行き遅れ」「若い女子の方がいい」などの価値観を直接的にぶつけられるエフスン、それでも甲斐甲斐しく頑張るんですがなかなか認めてもらえない。これもまた結婚あるあるなんでしょうね。うちの母親も若い頃は義理の母(つまり僕の祖母)に指でホコリをすくって見せられたりしたそうですからね。
おまけに相手はかなりの良家ということで、あそこまで極端ではないもののだいぶ「クレイジー・リッチ!」っぽいお話ではありました。あれのトルコ版、みたいな。
前作では「結婚しろしろプレッシャー」をかける鬱陶しい軍団だったエフスン親族も今度ばかりは味方となって、巨大なる敵シナン家大ボスと対峙します。
映画としては(当然ですが)前作同様にオシャレでかわいく、テンポも良い「普通によくできた」ラブコメになっていて、前作好きであれば安心して観られるのは間違いありません。
前作は「トルコ映画なのに!?」みたいな驚きがあったのでそこでだいぶ評価が上がった面もあったんですが、今作はその延長線上であることがわかっているために前作よりはやや評価が下がるかな、という気はするものの、それでも十分面白く良くできていると思います。
前作でも散々「結婚」が語られていたもののそこに至る前に終わってしまったことを考えると、今作含めて2部作で完成的な作品と見ていいと思います。なので前作が良かった方はぜひ続編も観て、二人の恋の行く末を見届けてあげて欲しいところですね。
ただ観て面白かっただけでもいいじゃない
終わり方も少し気が利いた内容になっているし、2作ともしっかり観て満足致しました。トルコのラブコメ、悪くないぜ。
ただIMDb等では2作ともかなり微妙な評価になっているところを見ると、やはり「これじゃなくても良くない?」という評価も根強くありそう。おヒューが出てるわけでもないしね。(なんプロ基準)
まあ観たことで価値観が変わるような映画でもないので、単純に観て面白かったよしか残らない映画ではあるんですが、とは言えやっぱりトルコ映画でもこういう作品があるんだ、と知ることができたのは収穫だと思います。素直に面白かったですよ。2作とも。
このシーンがイイ!
ラストシーンかなー。オープニングのフリからあそこに落とすのはやっぱり欧米映画のそれっぽくて、多分監督さんはすごく映画が好きなんじゃないかなと思います。
ココが○
偏見抜きにして「その辺のラブコメ」と勝負できる作りの良さは相変わらずお見事です。これだけ観やすかったらもっと広まっててもいいのにと思いますが、ただ広まるにはもう一歩劇的な良さが足りないのかもしれないですね。
その“劇的な良さ”があると「すれ違いのダイアリーズ」みたいになるんだと思うんですよね。
ココが×
やっぱりその「もう一歩」のところでしょうか。キャストをそっくりメジャーな人たちに変えても普通に成立するし普通に面白い、その毒っ気のなさが物足りなさなのかも。
MVA
BBAもなかなか良かったんですが、今回は前作も含めて良かったこの人にしたい。
エニス・アリカン(メフメット役)
前作でエフスンが婚活で知り合ったゲイの友人。今作でも良き友人としてご登場です。
それこそ「ブリジット・ジョーンズの日記」でもそうでしたが、ゲイの友人ってなんかいいんですよね。視点が違うからなのか、完全味方で優しい感じがとても良い。
この人もそんな感じで息が抜けないエフスンにとってささやかな清涼剤のような存在でした。なんかなー。いいんだよな。最後もしっかり出てくるし。