映画レビュー1066 『新郎の条件』

トルコ映画その3。

これでトルコ特集は一旦終了…の予定でしたが…!

新郎の条件

Kocan Kadar Konus
監督
脚本

クヴァンチ・バルウヌ

原作

Sebnem Burcuoglu

出演
音楽

ジングル・ハウス

公開

2015年3月20日 トルコ

上映時間

108分

製作国

トルコ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

新郎の条件

ちゃんとしたラブコメ!

8.0
結婚しろしろプレッシャーにさらされるアラサー女子、好きだった男子と再会
  • 一家総出で結婚しろと言われるアラサー女子
  • 婚活もいまいち進まない中、昔好きだった同級生と再会し…
  • 至って普通(なのが素敵な)ラブコメとしてトルコ映画らしくない
  • ちょっとミシェル・ゴンドリーっぽさもあり

あらすじ

「トルコ映画は常に常識の枠外にあると思え」とは今勝手に考えた適当な標語ですが、今回観たこの映画はそういう意味ではあまりにも「普通にちゃんとしたラブコメ」なので、そっち(常識の枠外)方向を期待すると期待ハズレではあるものの…しかしそれでも想像以上にかわいく綺麗で見せ方上手な映画だったので、違う意味で衝撃を受けました。簡単に言えばクオリティが高いラブコメだと思います。

主人公のエフスン、30歳独身女子。

彼氏もおらず仕事に勤しむ彼女、家族からは「もういい歳なんだから早く結婚しなさい」だの「行き遅れ」だの散々口うるさく言われております。

かなり歳下の従姉妹も結婚が決定、「結婚しなくたっていいでしょ?」と一人を謳歌したいエフスンもあまりにも強力な周りのプレッシャーに仕方なく婚活したりしますがなかなかうまくいきません。

基本的には外圧で婚活を“させられている”エフスンですが、ある時行ったお店でかつて片想いを抱いていた同級生・シナンとバッタリ再会、一気に恋モードに火がつくわけですよ…!

しかしシナンは今や立派なセレブでそこら中にライバルがいるような“高嶺の花”。果たしてエフスンの恋はどうなる…!

欧米ラブコメと遜色ない作り

話としては「かつての同級生と再会、再び恋に火がつく」以上でも以下でもない、至ってフツーのラブコメではあります。

そもそも僕は割とラブコメ好きなので、「至ってフツー」でも評価しちゃう面があることは否めませんが…しかしトルコ映画でこんなにオシャレなラブコメが観られるとは、と意外さで興奮するぐらいには好きな映画でした。

主人公のエフスンは時折カメラに向かって語りかけてきたりして「第四の壁を破る」表現があるのも(ありきたりではありますが)オシャレ。完全に偏見ですがトルコ映画でこんなキャッチーな作り方をしてくるとは思わなかったのですごく意外でした。

またエフスンを演じるエズギ・モラも「ちょっとぽっちゃりした仲間由紀恵」という感じでかわいいし親近感が湧いて良い。相手役のムラット・イルディリムもイケメンだし、トルコ映画に感じがちなクセの強さがまったくなく、本当に普通に欧米のラブコメと並べて置いても遜色ない作りなのがお見事です。

またエフスンは「LIFE!」の主人公のようにやや妄想癖が強い傾向があるんですが、それを描写するシーンがとてもオシャレでかわいくて、どこかミシェル・ゴンドリーの映画っぽい。「恋愛睡眠のすすめ」みたいな感じ。

なので話自体は至って普通ではあるものの、見せ方という意味ではフランス映画のような雰囲気があって、これがまた意外だしとても良かったですね。

やや古い価値観は感じる

少しお国柄のようなものが感じられる点としては、結婚についてはかなり女性側の押しが強い世界観があり、一言で言うと男尊女卑に近いような文化が垣間見えるので、その辺り人によっては少し気になるかもなという気はします。

ただこれはエフスン家の問題なのかもしれない(女性が多く、ことさらに結婚しろとプレッシャーをかけてくる)し、エフスンの年齢(の設定)から来る脚本の傾向の問題なのかもしれません。

それでも根底に「男は売り手市場、女は買い手市場」っぽい価値観は見られるので、やはり欧米よりもアジアに近い、やや古い価値観が一般的な雰囲気はありました。それは善し悪しの問題というよりは、観る前の心構えとして「そういう社会の話だよ」というのは知っておいてもいいのかなと。

エフスンの周りにいる女性陣(母親・祖母・妹・従姉妹)はとにかく世話焼きが激しく早い話が(愛が過剰で)鬱陶しいタイプ、反面父親は最大の理解者で支えてくれるタイプ…というのは少し珍しいかもしれませんね。悪役とまでは言いませんが、女性の方が鬱陶しく見える描写になっていて、そこがまたやや男性上位の表現を感じます。明らかに男のほうが良いように見える話のような気がするなと。

まあその辺りを考えると、もしかしたら(どちらかと言うと)男性向けのラブコメなのかもしれません。トルコの市場がそうなってるのかもしれませんね。わからないけど。

思わず即続編を観るの巻

ということで文化的に少し引っかかる点はあるものの、しかし作りとしてはかなり真っ当でオススメできる一作です。

実は冒頭に書いた通り、(今回の)トルコ映画はここで終わりにしようと思ったんですが、思いの外ちゃんとしていて続きが気になってしまったため、即日続編を鑑賞しまして、次回はそのご紹介になります。よろしくどーぞ。

このシーンがイイ!

大衆浴場? のシーンがすごく良かったですね。異国情緒が感じられて。

ココが○

どれもどっかで観たようなものではあるものの、演出がとてもよくできていると思います。本当に「普通に違和感なく観られるトルコ映画」というのが意外だったし良かった。

ココが×

ただそれは諸刃の剣でもあり、「G.O.R.A.」のような映画が観たいぜという要望は完全に肩透かしを喰らいます。本当に普通の映画。だったら欧米映画で良くないか、という気もする。

MVA

まあ今回も順当に、でしょうか。

エズギ・モラ(エフスン役)

主人公女子。ややぽっちゃり仲間由紀恵。

やっぱり彼女が魅力的だからこその映画だと思うんですよね。最初のメガネ好きだったけど、段々垢抜け感出そうと外しちゃってたのが残念。もっとメガネ女子押そうぜ、世界。

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