映画レビュー0460 『クレイマー、クレイマー』

実はちょうど約1か月ほど、映画を観ていませんでした。しかも理由もなく、という。

なんだか最近休みの日は非常に無気力で、本当に何をすることもなくウダウダしてたら週が明けるという、「これが加齢というものか」という切なさを現在進行形で味わっているところです。

が、さすがに「そろそろ何か観たいぞ」という思いがふつふつと湧いてきまして、じゃーどれにすべぇかな、と録画の中からチョイスしたのが、コチラの言わずと知れた名作の一つでございます。

クレイマー、クレイマー

Kramer vs. Kramer
監督
脚本
原作
『クレイマー・クレイマー』
エイヴリー・コーマン
音楽
ヘンリー・パーセル
アントニオ・ヴィヴァルディ
公開
1979年12月8日 アメリカ
上映時間
105分
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

クレイマー、クレイマー

“仕事人間”で家庭を顧みない生活を送っていたテッド。ある日家に帰ると、突然妻が息子を置いて出て行ってしまった。慣れない育児と仕事の両立を始めたテッドだが、息子を優先するあまり、仕事も精彩を欠いてしまう。それでも息子との生活に幸せを感じ始めていた矢先、出て行った妻から息子の親権を争う裁判を起こされてしまう。

丁寧でシンプルな良い映画。

8.0

なんとなくもっと重い映画なのかなと思っていたんですが、ちょうどこの頃アメリカで社会問題になってきていた(らしい)離婚と親権の問題を、リアルかつシンプルに描いたドラマで、いかにもこの頃のダスティン・ホフマンらしい軽快で自然な演技と、押しも押されもしない大女優メリル・ストリープとの駆け引きや、息子役のジャスティン・ヘンリーの素晴らしい演技もあって、地味ながらじっくり見られるさすがの名作といった感じ。

突如として仕事と育児の両立を迫られた男が、それまで生きがいだった仕事がうまく行かなくなりつつも、息子と向き合うことで別の形の幸せを知り、それを守ろうとする過程で出て行ってしまった妻との裁判を戦う、という本当に普通の一般人として経験しそうなありきたりな話ですが、その分大仰さもなく、丁寧にシンプルに見せてくれるストーリーは誰でも自分の身に置き換えやすい、観やすい映画だと思います。

僕は悲しいかな未婚で当然息子もいませんが、「勝手に出てったくせに息子を返せとか何だコイツは!!」と完全にダスティン・ホフマンの味方目線で観ていました。彼が主人公だから、というのは当然ですが、不器用ながらがんばって息子を育て、次第にちゃんとした「父親」に成長していく姿は応援したくなるものがあるし、その辺りもリアルで丁寧なので感情移入しやすい映画だと思います。

家族愛を語った内容でありつつも、サラリーマンの悲哀を感じる内容でもあり、主人公の成長物語としてもよく出来ています。

途中少し眠くなったりもしたんですが、最終的にはちょこっとホロホロと涙を流したりもして、やっぱり映画はいいねぇと思った次第。

相も変わらず内容のうっすいレビューで申し訳ないですが、それなりに年齢を重ねた人が観ればまず外さない良い映画でしょう、ということでオススメします。

このシーンがイイ!

フレンチトーストを作る場面。2回とも良かったんですが、やっぱり2度目の方がより良かった。

ココが○

普通の一般人のお話なので、誰でも自己投影しやすいのが一番でしょう。家庭を持っている人であれば、間違いなく一度自分の家庭を省みるいい機会になると思います。こういうのを二人で観て、遠慮なく意見交換できる夫婦が羨ましい。

ココが×

長さも程良いし、特に無いかな。ただ地味ではあります。若い人が観て面白いか、っていうと微妙だとは思いますね。

MVA

「クレイマー家」の3人がとにかく良かったですが、一人選ぶならやっぱりこの人かな。

ダスティン・ホフマン(テッド・クレイマー役)

この頃のダスティン・ホフマンはやっぱりスゴイ。

何がスゴイ、って言えないんですが、この役はこの人だな、っていう違和感の無さがお見事でですね。

奥さん役のメリル・ストリープもさすがで、場面によっては怖かったりするぐらいなんですが、でもやっぱりダスティン・ホフマンの佇まい=この映画の佇まいなのかな、と思います。

見ようによっては深刻なテーマなので、少し軽さを与えられる演技は大事だなーと。

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