映画レビュー0239 『アラビアのロレンス』

今日も「午前十時の映画祭」上映作品。

風と共に去りぬ」同様、かなりガイナーな映画なので、「観るぞ」という時点でもうかなり気合が必要なんですよねぇ。

アラビアのロレンス

Lawrence of Arabia
監督
脚本
ロバート・ボルト
マイケル・ウィルソン
原作
『智恵の七柱』
トーマス・エドワード・ロレンス
音楽
公開
1962年12月10日 イギリス
上映時間
207分
製作国
イギリス

アラビアのロレンス

アラブ独立闘争を指揮するファイサル王子の狙いを探るため、イギリス軍はアラブ文化やアラビア語に長けた変わり者の少尉・ロレンスを現地へ派遣する。

まさに一大スペクタクル戦争映画。

6.5

見たことのあった写真なんかから、勝手に中世辺りの古い時代を描いた映画なのかと思っていたんですが、冒頭でいきなりスーツ姿の男がバイクに乗っててまずビックリ。この「アラビアのロレンス」のモデルは実在する人物らしく、舞台は1910年代後半とのことです。

簡単に言えば、現地へ派遣されたイギリス軍少尉が、勇気のある作戦を実行していくことで戦果を上げ、英雄としてのし上がっていくものの、戦争そのものの持つ“闇”に身をやつしていくというお話。

…と書いておいてなんですが、そこまでオドロオドロしいものでもなく、政治的な力であったり、自分自身の葛藤であったりというものが戦争によって先鋭化され、「戦争における英雄の一つの形」をリアルに描いた人間ドラマ的な要素も割合色濃かったように思います。

この時代のアラブは当然、西洋ではあまり理解されていない面もあっただろうし、部族間の争いのような極めて現地的な問題もいろいろあって、その「イギリスとアラブの問題」「アラブが内包する問題」という2つの大きな問題を乗り越えようと、愛国心ではない自分の価値観に基づいた行動で歴史的な勝利を収めながら英雄となっていくロレンス。

ただ、ところどころで戦争の悲哀、理不尽さも描かれるおかげか、高揚感に包まれる展開と言うよりも、過酷さの方が際立つ内容で、歴史的に見れば確実に「勝利側」の英雄にもかかわらず、観客的には悲しい気分にさせられるというなんとも切ない物語です。

ちょうど今から50年前に作られた映画ですが、とてもそうは思えない迫力のある戦闘シーンだったり、砂漠がメインなだけに風景的にも古いもへったくれもないぜ、という舞台のおかげで、本当に今観ても色褪せない映画だと思います。

全然立場もポジションも違えど、雰囲気的には「グラディエーター」なんかに微妙に近いような気もしました。一人の英雄の悲哀を描いた作品という感じが。

ただ…やっぱり長い。わかってたものの長い。

途中で(当時もBSでも)休憩タイムが挟まるんですが、当然家で観る分にはそんなのお構いなしに休憩したり続けて観たりするので、申し訳ないんですがやっぱり集中力が続かず…。というか、もう最初っから自分自身、「長いしなぁ」と片手間に観てる感じがあって、こりゃーイカン、と。かなり体調とモチベーションを求められる映画だと思います。これだけ長い映画はなんでもそうと言えますが。

それでも、果たしてどこを削ればいいのかと言われれば、なかなかどこも削り難い印象もあって、「理由のある長さ」のような気もするし、その上映時間からしても「壮大な映画」なんだなと思います。

これはもう僕自身の映画に対する時間の使い方に問題があることは否定できませんが、ただやっぱり、これだけ長いからこそ逆に劇場で観るべきだし観たかったな、と思います。本当に最近、つくづく映画は「集中できる環境」が大事だなぁと思いますねぇ…。劇場がああいう作りになっていて、ああいう見せ方にしている理由がわかるというか。

もしかしたら、途中休憩が挟まるだけに、1日で前半・次の日後半みたいに日をまたぐぐらいの方が、集中しないで観続けるよりもいいかもしれません。携帯とかパソコンとかがあるのはダメね。(モノのせいにする)

ですが、なんだかんだ言いつつも、このロレンスという人の生き様と考え方、そして辿る道は、戦争に限らず“組織と個人”として見ても理解できる、考えさせられるものがあるので、なかなか観てよかったな、という気はしました。

このシーンがイイ!

「捕虜は取るな」と叫ぶところかなぁ。精神的に追い詰められてきている感じがよく出てて。やっぱり戦争ってコワイ。

ココが○

本当に古さはまったく感じなかったですね。今の時代にこの時代の映画を作っても、そんなに変わらないんじゃないか、ってぐらい、美術的にもロケ的にもすごくよくできてたと思います。

ココが×

やっぱり何と言っても長さに尽きます。個人的に3時間ぐらいが集中して観る限界かな、と…。3時間越してる映画は、上にも書きましたがもう逆に最初からあんまり集中できなくなるんですよねぇ…。

MVA

久々に自分のフシアナぶりを痛感したのが、アンソニー・クインが結構重要な役で出てたこと。最後まで気付かなかったという。ビックリ。全然違うんだもん。

それは置いといて、選ぶとしたら…やっぱりこの人かなぁ。

ピーター・オトゥール(トーマス・エドワード・ロレンス役)

青い瞳が印象的なピーターさんですが、段々人が変わっていく感じがよく出てました。この映画はやっぱりこの人でしょうね。どことなく脆さというか、儚さみたいなものがあって、そこがまた良かったです。

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