映画レビュー0451 『LOOPER/ルーパー』

大変惜しまれつつも更新を停止してしまった盟友「たまがわ」にて、置き土産のように「震えるほどつまらなかった」とレビューされた本作。

いつか自分も観ねばなるまいと思いつつ、無駄な時間を過ごすのも嫌なので後回しにしていましたが、別の映画好きな友人から純粋に「面白いから」とオススメされ、これはちょっといい加減白黒つけなけりゃーいけないね、と借りてきました。

そう、未来の自分と決着をつけるこの映画と僕が、まさに決着をつけるわけです!(どん)

LOOPER/ルーパー

Looper
監督
脚本
ライアン・ジョンソン
音楽
ネイサン・ジョンソン
公開
2012年9月28日 アメリカ
上映時間
119分
製作国
アメリカ

LOOPER/ルーパー

タイムマシンが開発されつつも使用を禁じられている近未来。だがどこからかタイムマシンを手に入れた犯罪組織が、消すべき標的を「過去に送ってルーパーと呼ばれる殺し屋に処理させる」という形で見事に悪用していた。そのルーパーは報酬と引き換えに「30年後に自分が生きていたら現在の自分に送り込まれ、始末をする」という特殊な契約を結ばされていた。ある日、ルーパーであるジョーの友人・セスに未来のセスが送り込まれるが、自分であることに気付いたセスは未来の自分に「犯罪王がルーパーをことごとく始末している」という話を聞かされる。そしてジョーにもまた、未来の自分が送り込まれ…。

良くなりそうだったのに残念な映画。

6.0

冒頭のような経緯もあり、「つまらないかもしれないけどちゃんと観よう」とかなりしっかり集中して観ました。それでもつまらない映画だと「まあもういいやー」と適当に観たり眠くなって途中中断したり、ってこともあるんですが、こと今回に限っては終始集中力も途切れず、きっちり観られたと思います。まずその時点で「震えるほどつまらない」と酷評するようなものではなかったし、特に序盤の「この映画はこういう設定でこういう世界です」という自己紹介的な部分はなかなか楽しませて頂きました。

で、まずは概要補足。

舞台は2044年。主人公のジョーは「目の前に未来から転送されてくる、袋を被せられて手足も縛られた人間」を射殺する、という“ルーパー”と呼ばれる仕事をしている人間。これがなかなか絵的にも面白い…というか結構衝撃的なもので、パッと目の前に出てきた人間を早押しのように撃ち殺すというすごいお仕事です。ただ、相手はまさに「あとは死ぬだけ」の状況でやって来るので、ルーパー側に危険度はほぼ皆無、でもそれなりに高額の報酬を頂いているようで、だからこその「30年後に生きていたら自分を送り込まれ、殺さなければいけない」という特殊な契約があるんでしょう。

そんなの受けるやついるんかいな、と思わなくも無いですが、まあ「高いお金をもらってまだ若い良い時期に30年間豊かな人生を送る」という選択をする、というのはわからなくもないです。

さて、そのルールに基づいてジョーの元へやって来た…かのように見える“未来のジョー”ですが、実は未来で最愛の妻を殺されるという憂き目にあい、「このまま死ぬわけにはいかん!」とその根源となる子供時代の犯罪王を始末することで自分の未来を変えようと、自らルーパーである自分の元へタイムスリップをしてきたわけです。ただそこは当然ルールはルール、不意をつかれて逃してしまった“現在のジョー”も、目的を成し遂げようとする“未来のジョー”も、現在のルーパーを統括する組織に追われることとなるわけですが、お金を稼いでいい思いをしてきた“自分”に、まだその楽しみを味わっていないのに潰されそうになった“現在のジョー”は自分で片を付けるべく、未来からやってきた自分を殺すため、組織に追われつつも自分を追い続ける…というお話に仕上がっております。

個人的に、概要の時点ではかなり惹かれたんですよね。この手のタイムトラベルモノは矛盾なんて気にしてたら話にならないので、細かい部分はほぼ考えず、流れに身を任せて観ていたんですが、「震えるほどつまらない」恐怖はすっかり忘れ、「こりゃ結構面白い映画なんじゃないか?」と見始める前よりも期待を膨らませて鑑賞しておりました。ブルース・ウィリス(未来のジョー)が出てくるまでは、こりゃ8.0点以上もありえるぞ、と思っていたわけですが…。

結局ネタバレ防止のためにあまり詳細は書けないんですが、一番気になったのは…最終的に「オカルトかよ」的な話だった点、かなー。

いや、多分本筋からするとそこって別に気にしなくていい場所っていうのもわかるんですよ。わかるんですが、ただあんなものを見せられるとですね、「いやそりゃ殺せよ」と思わなくもないわけです。

途中まで「子供を殺すのか! それはどうなんだ!」みたいな道徳面を感じさせておいて、結局“子供<化物”的価値観を物語に入れ込んでしまうことで、その罪悪感みたいなものも意味がなくなるし、それ故最後に“現在のジョー”が取った行動も100%納得というわけにはいかず。

もちろん、これまた「そうする」ことの心情は理解できるんですが、フリがうまくないせいで、ただ衝撃的なラストにしたいがためのストーリーに見えてしまい、なるほどこれは残念な映画だな、という結論に至りました。

おそらく「違う人を愛することで未来が変わる」みたいな伏線としてのエミリー・ブラントも結局あまり意味がなく、後半一気にこの映画に対する興味が萎えていく感覚がありました。それにジョー、無敵すぎるし。

映画としては想像以上に楽しめたので悪くない映画だとは思うんですが、ただエンディングに向かうに連れてどんどん嫌いになるストーリーというのは、やっぱりなかなか評価しにくいものがあります。

うーん、やっぱり「ドヤァ!」っていうラストがダメだな。嫌い。「びっくりでしょ!」っていうのが。狙い過ぎな話は大抵嫌いになります。どうぞよろしく。

このシーンがイイ!

最初に「未来のルーパー」を逃してしまったジョーの友人、彼の拷問と、その影響が及んでいく未来の友人、ここの見せ方はスピーディで面白くて良かった。

あと段々歳をとる回想シーンで、途中からブルース・ウィリスに切り替わるんですが、その唐突感、無残に禿げ始める描写、これがなかなか面白くてですね。笑いましたね。

ココが○

僕の「狙い過ぎ嫌い」は自分でも厳しいというか、気にし過ぎな面もあると思っているので、すんなり「おお、そう来たか」っていう人もいておかしくないし、そういう人にとっては面白い映画だと思うんですよね。とりあえず観てみても悪くないんじゃないかなと思います。設定はピカイチでしょう。

ココが×

結構細かく言うといろいろダメなんですよね。

装飾は立派なので適当に流してると気にならないのかもしれないんですが、結局勢いで押し切ろうとして、「見せたいラスト」につなげるためだけの映画になってしまっている気がしました。中盤の中だるみっぷりもちょっと残念。

MVA

ジョゼフ・ゴードン=レヴィットがねー。目張り入れてんじゃないか、っていう謎のメイクで。多分、未来がブルース・ウィリスだからっていう処置なんでしょうが、それにしても違和感がすごくて。一番最初、オープニングなんて本気で「あれ? これCGか?」って思ったぐらい、人工っぽい謎のメイクが気になりました。よって選出外。

結局のところ、イマイチ「この人!」ってピンとくることもなかったんですが、強いてあげるならこの人かな。

ノア・セガン(キッド・ブルー役)

頭の弱そうな追手。でも役者的には一番美味しい役だったような気がする。印象的な役柄でした。

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