映画レビュー0379 『ラブ・アクチュアリー』

バレンタインデー」、「ニューイヤーズ・イブ」と似ているというレビューを見まして、じゃあ面白そうだな、ってことで借りてみました。

年代的には上記2作よりも古い作品になるので、この手の「恋愛コメディ群像劇」みたいなジャンルでは先駆けになるのかな?

そしてこちらもやっぱり豪華キャスト。

ラブ・アクチュアリー

Love Actually
監督
脚本
リチャード・カーティス
音楽
公開
2003年11月14日 アメリカ
上映時間
136分
製作国
イギリス・アメリカ・フランス

ラブ・アクチュアリー

もうすぐクリスマスのロンドン。妻を亡くした夫と義理の息子、新しく就任した首相、弟に彼女を取られた作家、会社社長とその部下、老いぼれの元ロックスター、新婚夫婦とその友達、エロいことしか頭にないモテない男、ボディダブルを演じる二人の役者…いろんな人たちのアレコレ。

普通の人たちの物語、大好きです。

9.5

まさに「バレンタインデー」「ニューイヤーズ・イブ」と同じ、ロマコメヒューマンドラマ的な群像劇。それぞれが割と近くで繋がっているのもほぼ同じ感覚で、他にこういう映画があるのかはわかりませんが、おそらくはコレのマネ(良く言えばリスペクト)をしたのが上記2作なのかな、という感じ。それぐらい3作の雰囲気は似ています。最初に書いた通り、豪華キャストという点でも。なので、どれかが好きならどれも楽しめるんじゃないかな、と。

割と「似てる映画」って比べちゃって、先に観た方をひいきしがちな面ってあると思うんですが、不思議とこの3作はそういう感じもなく、どれも同じぐらい好きだし、どれもまたもう一度観たいなと思ってます。おそらくは、それぞれ「普通の人たちの世界」を描いているからなのかなぁと。

劇的な話だとどうしても飽きるというか、物語の起伏に目が行きがちなんですが、こういう普通の人たちの話は、当たり前ですが「普通」がベースなので、身近な感じのストーリーが疲れなくていいんですよね。ありきたりであんまり言いたくないですが、等身大な感じというか。

就任直後の首相も登場しますが、彼もまた(ある意味ではもっとも)普通の人だし、それぞれに悩みがある、その人物像がやっぱり素敵です。そこが気張らずに見られて、なおかつ小粋な展開にホロリと涙も流れますよ、と。

その辺を改めて考えてみると、やっぱり繰り返しになるんですが、3作に共通して「普通」、自分がそこに身を置ける違和感の無さが共感につながるし、そこが一番の売りになり得るんだと思います。

結構何度も書いている気がしますが、やっぱり誰しも報われない日常に、「がんばってるのにさぁ、良いことないよなー」って思いがあると思うんですよね。その不満の先に道を作って、そこの未来に良いことがあるかも…と思わせるパワーがこの3作にはあるんだと思います。

自分も勇気を出せば、こういう素敵な出来事があるかもしれない、っていう。実際は何もないかもしれないし、それもわかってるんだけど、でもその身近な感じ、自分を投影できる日常感に希望を見るというのが、今の時代に即した、身近な意味での「夢のある物語」なんだと思います。

好きですね。本当に。こういう映画。

ぜひこの映画が好きな方には、パクリと感じるかもしれないけど他の2作も観て欲しいし、その逆もまた然り。幸せだったり切なかったり、心をストレッチするような話の数々にホッコリできます。

えー、なんだか「3作まとめてのレビュー」になっちゃったので、ちょっとこの映画だけの話。

上記2作は「ある一日のそれぞれ」ですが、この映画は若干時間が長く描かれていて、クリスマスの1か月前からクリスマス当日まで、後日談でその1か月後が描かれるような内容になっています。そのおかげでこの作品だけかなり味わいが違うぜ! みたいなことも特に無いんですが、時間の流れが少し長いだけに、ちょっとずつ展開するような部分もあるおかげで、時間が経つことの喪失感、決断を迫られる場面の作り出し方がうまかったように思います。時間が経つことで(メンタル以外の)成長が見られる人物が出てくるのも他2作にないポイントでしょう。

1日を追う展開ではないだけに、その辺り無理なく、表現の幅が広がっているような気もしますが、ただ「その日1日のみ」もそれはそれで違う味わいがあるので、どっちがいいという話ではなく、特性の問題かな、と。

あとこの映画はイギリス・アメリカの合作ですが、舞台がイギリスなだけあってか、ややイギリス映画っぽい雰囲気があって、なんというか…非常に微妙なニュアンスなんですが、他2作と比べるとホンのちょっと知的な感じがしました。

ウィットに富んでいる…とまでは言いませんが、少しだけ観客に委ねる部分もあったと思うし、ちょいエロなシーン(ラブシーンのボディダブルカップルの話なんてそのままですが)もサラリとしてて下品じゃない。

セックスしか頭にない若者も、エロエロなんだけどかわいさがあるし、その辺りのさじ加減が絶妙な気がしましたね。嫌悪させない作りのうまさ。

誰もが憎めないし、弱さを持ってるのが見える人物像が素晴らしく、飽きずに一気に観られました。

まさかの「Mr.ビーン」まで登場するサービスもあるし、後々効いてくる伏線もあったりして、なかなかニクイ良い映画だと思います。割と誰にでもオススメ出来るな、という意味で結構貴重。

またこういう映画、作って欲しいなぁ。

このシーンがイイ!

オープニングもすごく良いし、良いシーン目白押しだったんですよねー。「キマる」シーンが多かったように思います。その中で1つだけ選ぶとすれば…そうだなぁ。難しいけど…。

「1秒だけ待って」のシーンかなぁ。気持ちがすごく伝わってきたし、かわいさのある良いシーンでした。彼女はバックボーンがまた深いものがあって、良い話でしたね…。

ココが○

すべてに置いてソツがなく、これといった欠点のないところでしょうか。

この映画が嫌いだ、ダメだって言う人とは仲良くなれないレベルかも。あーだこーだ細かい部分つっこむような人は悲しい人だと思います。ことこの映画に関しては。

ココが×

なし!

MVA

もう言うまでもなく、これまたキャスト皆さん素晴らしく。

やっぱりねー。ヒュー・グラント、好きなんですよね。今回は首相の役ですが、良い意味でビシっとしてない、ものすごく身近に感じる雰囲気。やっぱり最高です。出てくるだけで映画が柔らかくなる感じ。貴重な役者さんですよねー。

リーアム・ニーソンもお葬式の場面から感極まって最高だったし、優しいお父さん的雰囲気もバッチリで最高。もうほんとに最高な人ばっかりなんですが、今回はこの方にしようと思います。

ビル・ナイ(ビリー・マック役)

元ロックスターの下ネタ爺さん。

もうセリフの一つ一つが面白いし、ラスト近くでの他のストーリーとのシンクロぶり(とそのシーン)も最高。やっぱり結構歳の行ってる、味のある脇役って好きだなぁ。

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