映画レビュー0286 『モテキ』

公開早々、「長澤まさみがエロいらしいぞ」と評判を聞きつけ、「なに! じゃあ観に行くか!!」と意気込んだものの、「俺がその目的でこの映画を観に行くとなるとあまりにもあまりにもすぎる」という謎の説得力溢れる理由により劇場での鑑賞は断念したコチラを本日はレビューでございます。

ちなみにお盆ということもあって久々にリアルツタヤに行って他にも3本借りたんですが、この映画だけ3泊4日だったために店員の女性に「“モテキ”だけ3泊4日ですがよろしいですか?」とわざわざタイトル込みで言われたのは俺に対するなんかの当て付けか、とイラッとしたわけですが、日頃からその辺「被害妄想ひどすぎる」と同僚に言われています。よろしくどうぞ。

モテキ

Love Strikes!
監督
大根仁
脚本
大根仁
原作
『モテキ』
久保ミツロウ
出演
森山未來
長澤まさみ
麻生久美子
仲里依紗
真木よう子
リリー・フランキー
音楽
岩崎太整
主題歌
『夜明けのBEAT』
フジファブリック
『デスコ』
女王蜂
公開
2011年9月23日 日本
上映時間
118分
製作国
日本

モテキ

一過性の“モテキ”も過去の話、未だに女も金も無い幸世は、好きな世界の取材で食って行ける仕事を得て、やがてツイッターから始まる「恋」にのめり込んでいく…。

良い意味で裏切られました。今っぽいリアリティが○。

8.0

長澤まさみの口移しとか胸鷲掴みとか…みみみみ観たい…!

という、純度100%中学生レベルの願望で借りてみたものの、意外と真面目で良い映画でした。今まで観た邦画の中では一番リアリティがあったと思う。それは物語の展開と言うよりも、セリフとか演出、演技の部分で。

まんま「(500)日のサマーじゃん!」みたいなパフュームと歌い踊るシーン(アレさいたま新都心だわよねきっと)もありましたが、きっとこの監督さんは、映画好きなのはもちろん、他の映画をリスペクトして消化する能力があるんだと思います。

オープニングの字の入れ方とかカラオケ風の演出にやや“俺的演出欲”みたいな匂いはあったものの、全体的には丁寧で映画をわかった(何様)作り方をしていたと思うし、中学生願望で観ようと思ったくせに「すごい、邦画だけどちゃんと映画してる」と嬉しくなるような新鮮さを感じてしまい、途中でちょっと泣いたりとかもしちゃって。本当に予想外に良かった。「邦画としては良かった」というよりは、「映画として良かった」。

僕はもう原作も読んでいないしドラマも観ていないせいか完全に勘違いしていたんですが、ジャケットの4人(人がたくさん出てくるジャケットはもう本当に描きたくないんですがそれは別問題です)が代わる代わる「好きだよ(はぁと)」と攻め込んできてウホッどれにしようか迷うぜ的なお話なのかと思ってたんですが、まったくそんなことはなく。あくまで中心は長澤まさみ扮するみゆきで、そこに自分に好意を寄せてくれる麻生久美子扮するるみ子との三角関係がありますよ、という感じ。仲里依紗と真木よう子はどちらかと言うとスパイス的に、幸世を叱咤激励する応援団的なポジションでしょうか。

序盤はかなりコメディ的な色合いが強く、そのおかげで結構しっかり最初から掴んでくれます。

ただもうこれは非常に残念なことなんですが、幸世のネガティブさとか脳内独り言とかものすごくよくわかるので、もう観てて痛くて痒くて面白くて切なくて。

「この子かわいくはないけどよく見るとエロいな…」とか、「恋愛もうまくできないのに結婚なんて」とか、もう「わかるわかるわかるわかる」と大きく頷きつつ、顔はニヤニヤしてるけど悲しい目をしながら観てる、みたいな。(複雑)

ただまあ携帯で長澤まさみの寝顔を撮るシーン、自分だったらパンツ撮ってるな、とは思いましたが

こりゃー原作者は自分と同じような悲しい日々を送る(もしくは送っていた)人なんだろうなぁ…と思ったら女性だと!? かなりビビリました。なんでここまで悲しい男のことがわかるのか…。才能を持った人は計り知れません。

そんな序盤で笑わせてくれつつも、るみ子が深く入り込んでくる辺り(いやむしろるみ子に深く入り込んだ辺り、か)から、結構シリアスに“恋愛レンアイ”してきます。

この辺もまたよくわかる展開で、男のダメさ、弱さ、でも女だってズルいじゃん的な描かれ方がよくできててい、この辺りもちょっと「(500)日のサマー」っぽい感覚。タイトルやジャケットの軽さとは反して、きっちり真っ当な恋愛映画になっていると思います。

終わり方だけちょっとひねりがなくて、いかにも「電通色豊かな邦画です」といった残念な展開ではありましたが、まとまりとしては納得のいくところでしょう。

本当に想像以上によくできた映画だったので、ちょっと僕もツイッターまた始めようかなと思いました。

このシーンがイイ!

るみ子が髪を乾かしている時、ベッドで暴れる幸世のシーン。これ、すごいよくわかる…。何気ない短いシーンでしたが、先の展開も見えるような切ないシーンでした。言葉を使わず、表情も見せない辺りがまたうまい。

ココが○

演技とキャラクター、セリフのリアリティ。若干大げさな部分もあったとは思いますが、でも今まで観た邦画の中ではずば抜けてまとも。「ただ、君を愛してる」なんかより、全然まともでよくできた恋愛映画でしたね。

あとは音楽(曲目としてもシーンとしても)の使い方が、これまた「(500)日のサマー」とか「あの頃ペニー・レインと」みたいなうまさがあって、映画らしい雰囲気を出していたように思います。

ココが×

ただ一つ、音楽の使い方がうまいとは言え、逆にちょーっとストーリーを展開させるための推進力として、“音楽の力”に頼りすぎな気もしました。いくらなんでも歌詞に動かされすぎじゃないの、っていう。

それとまあ、醒め冷め男としては「万が一男かと思って会う約束をした人が女だったとしても、こんな美人はこねーだろ」とは思いますが。演技・演出・セリフにリアリティはあっても、話の内容として全面肯定出来るかと言うとそこまでではないかなぁとも思います。

ちょっとねー、序盤(特に初飲みでオールした日)のみゆきの動き方はいくらなんでも奔放すぎるかなと思うんですが、どうなんでしょうね。まあアレはこの映画を見せるための“餌”なんでしょうけどね…。

MVA

役者陣は本当に良かったです。

森山未來はかっこよすぎず悪すぎず、ちょっと情けない雰囲気がうまくて役どころにピッタリ。

長澤まさみもバッチリ。かわいいし演技も良かった。

麻生久美子は役柄的にかなりかわいそうな気はしましたが、でもこれまた幸薄い感じがすごくハマってたし、こういう人いそう。美人なんだけど…っていう。

真木よう子はカッコいいまでのSっぷりがまた素晴らしく。といろいろ並べつつ、でも僕は終始この人しかないなと思ってました。

リリー・フランキー(墨田卓也役)

最初の面接のシーンからもう素晴らしすぎて。

超演技上手い…というよりは本人そのままっぽい感じが。自然体というかこういうオッサンっぽいというか。この人モテるみたいだしねー。実際。本当に「俺のセックス正確だったでしょ?」とか言ってそうだし。

ツイッターのパスワード社内でバラまいた時の話とか、ひどすぎてでも本当にやりそうな感じが似合いすぎてて笑いました。こういうモテるオッサンになりたいぜ! と思いつつも、100%タイプが違うので無理だとわかる悲しい夢です。

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