映画レビュー1223 『ようこそ映画音響の世界へ』
この映画は結構話題になっていて観たいなーと思っていたんですがネトフリ限定だったので解約済みの自分は観られず、いつか戻ったときに観ようと思っていたらJAIHOに来てくれてありがたいぜと。
ようこそ映画音響の世界へ
ミッジ・コスティン
ボベット・バスター
ウォルター・マーチ
ベン・バート
ゲイリー・ライドストローム
ジョージ・ルーカス
スティーヴン・スピルバーグ
ロバート・レッドフォード
バーブラ・ストライサンド
ライアン・クーグラー
デヴィッド・リンチ
アン・リー
ソフィア・コッポラ
アリソン・ニューマン
2019年10月25日 アメリカ
94分
アメリカ
JAIHO(Fire TV Stick・TV)

映画ファン必見。
- ハリウッドの映画製作における音響の役割や仕事内容、歴史にフォーカスしたドキュメンタリー
- 新旧の有名作・著名人がわんさか出てくる豪華仕様
- 映画の構造や後工程について知ることができ、知的好奇心も満たしてくれる良作
- 何より仕事そのものが面白そうで羨ましい
あらすじ
めちゃくちゃ面白かったですね。本当に。映画好きであればかなり興味を惹かれる内容だと思います。
1927年に初のトーキー映画が生まれて以降、映画の世界において映像とともに重要な要素を担ってきた音響について、その技術革新や作業の実際、苦労などを当事者たちのインタビューを通して伝えるドキュメンタリー。
音響世界における伝説のエンジニアや、スピルバーグやノーランと言った有名監督に至るまで、様々な映画関係者の証言も交えつつ文字通り「映画音響とはどういうものなのか」を教えてくれる映画です。
上映時間が倍でもいい
ドキュメンタリーだし内容的にもアレコレ細かく書くものでもないと思うので何を書こうか悩むところではあるんですが、とりあえずものすごく興味深くて想像していた以上にのめり込みました。ドキュメンタリーでここまで純粋に「面白い!」と思えたものは他にないレベルと言って良いかもしれません。
間違いなく映画が好きだから興味を惹かれたとは思うんですが、職業としての音響についてもかなり惹かれるものがあり、なんなら「こういう仕事したかったな…目指せばよかったな…」と後悔するぐらいにかなり身近な話としても観られたのが大きかったように思います。
トーキー映画の始まりから順を追って徐々に年代を進めつつ環境の変化や進化、そしてエポックメイキングな出来事を描き、その後は一言に「音響」と言ってもいろいろあるんだぜ的に各作業のプロフェッショナルたちの話を聞きながら実際の音響制作について観ていきます。
しかし前者の「年代を追う」方は、近年になってあまり進化が無くなってきたのか割と古い年代(2000年にも行ってなかった気がする)で追うのをやめてしまい、さながら早々に野球が終了した日の野球中継のように穴埋め的な印象で後者の各パート紹介に入るので、正直言うと両者ともイマイチ追いきれていない気はしました。
年代別はもっと最近の進化についても触れてほしかったし、後半の各パートについてはどれも駆け足に紹介していて深さが足りないように感じたような。
ただそれは興味があるからもっと知りたいと思っているからそう感じただけのような気もするし、ある意味ではそこまで興味をもたせた時点で成功でもあるでしょう。そんなに惹かれない人にとってはそこまで深くやられても飽きちゃうだろうし、この辺りのさじ加減は難しそう。
ただ僕個人としてはどれも興味深かっただけにもっと観たかったし、正直上映時間が倍あっても良かったと思います。3時間超えるけど。そうなるとハナから観なさそうだけど。でも実際に観たらもっと観たい気持ちが勝りました。それぐらい面白くて興味深いお話でした。
しかもお題として上がってくるのが、古くは「キング・コング」から「市民ケーン」、そして「スター・ウォーズ」に「地獄の黙示録」に「ジュラシック・パーク」、さらに最近の「ROMA ローマ」と言った名作たちなもんだから単純に映画好きとしてワクワクしちゃう楽しさ。
他にも「インセプション」や「七人の侍」も出てきたり、まー観たことある&知ってる映画が(ちょこっとでも)ゾロゾロ登場します。それだけで贅沢だし興味がそそられる、ある意味ではズルい作り。そしてある意味ではめちゃくちゃ豪華な映画だと思います。
映画の見方が変わる
この映画を観る前と後では映画の見方が変わることは間違いなく、それだけに映画好きであれば必見と言って良いドキュメンタリーでしょう。
普通に映像と同時に観ていると「そのもの」の音だと思っていたものが、音響スタッフたちの努力の賜物で「まったく関係のない音」だったりするのは、(波の音を奏でる木製の楽器とか)ある程度は知っていたものの改めて目からウロコで、その労力や才能に頭が下がる思いです。
同時にそれを非常に楽しそうにやっている“オタク感”みたいなものも素晴らしくて、改めて映像と同じレベルの主役級に重要な要素なんだなと思いました。
僕は元々オーディオの世界自体が好きでスピーカーやアンプについて調べたりもしていたので、そういう趣向も良い方に作用した気もします。
ただ世間的にもかなり好評なようなので、映画が好きだぞという方にはぜひ観ていただきたいところです。ドキュメンタリーでこれほど純粋に「面白かった〜!」と思えるものはなかなか珍しいと思います。
このシーンがイイ!
ここ! というのはないんですが…しかしやっぱり「スター・ウォーズ」は音響面でもすごかったんだな、と感心しました。伝説は伝説になる理由があるんだなと。
ココが○
ある意味ではメイキングのようなものでもあり、映画好きには全編たまりません。文句なしに面白い。
また音響スタッフにせよ監督にせよ、“生ける伝説”的な人たちがこぞって証言しているところもかなり貴重な映像だと思います。今以上に未来で評価される可能性もある映画でしょう。
ココが×
上に書いたように、特に各パートについての部分がかなり駆け足に感じられたのでもっとじっくり見せてほしかったですね。もったいない。
MVA
今回もドキュメンタリーということで該当なしにします。ルーカスが良かったぞ! とか無いですからね、実際。

