映画レビュー0373 『愛を殺さないで』

なんとまさかのシリーズ化、「社長に借りた映画」シリーズ。やっぱりうちの社長、デミ・ムーアが好きな気がする。

僕も知らなかったマニアックそうな映画ですが、一応ブルース・ウィリスとデミ・ムーア主演、共演ハーヴェイ・カイテルという(当時としては)なかなかの布陣。

ちなみにあと2本同時に借りたので、近々それも(イヤイヤ)レビューします。

愛を殺さないで

Mortal Thoughts
監督
アラン・ルドルフ
脚本
ウィリアム・ラウリー
クロード・カーヴィン
音楽
公開
1991年4月19日 アメリカ
上映時間
102分
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

愛を殺さないで

美容師のシンシアは、ある殺人事件の重要参考人として取り調べを受けていた。被害者は、彼女の親友であるジョイスの夫・ジェームズ。暴力的で金にルーズ、そしてヤク中という絵に描いたようなクズ男のジェームズは、常日頃から妻のジョイスに影で「殺してやる」と言われていたのだった。シンシアは取り調べに対し、ジェームズが死んだ日の状況を正直に話していたが、事実は別にあると睨んだ捜査官・ウッズは、彼女への取り調べを続ける。

火サスレベルのサスペンス。

4.5

チャチャチャチャッ チャチャッ ジャージャー

火曜サスペンス劇場のジングルで始まりました今日のレビュー。ごきげんよう。

なんだか古臭いメロドラマ的邦題が付いたこの映画ですが、内容は完全にサスペンスです。サスペンスですが、ただレベルとしてはせいぜい2時間ドラマ、火サスでやる程度の内容かな、と。お父さんも「おっ、今日は外人さんだね」なんて言っちゃう始末。みたいな。ブルース・ウィリスが誰かもわからないようなお父さん。みたいな。この辺りで結構雰囲気を掴んでいただけるのではないかと。

デミ・ムーア扮する主人公のシンシアは、金稼ぎにご執心の夫と一応は平和に暮らしていたものの、彼女の親友がとんでもないクズ男と結婚してしまったがために気苦労も絶えず、おまけにそのクズに迫られたりする始末で、まあ迷惑していたわけです。さすがにここまでのクズはなかなかいなさそうなレベルのクズっぷりをブルース・ウィリスが熱演してくれているわけですが、ただ夫婦の関係とか「付き合わないといけない関係性」みたいなのは割とリアルな気はします。

やがて当然のようにジェームズ(ブルース・ウィリス)は殺され、取り調べを受けながらその日の状況をシンシアが話す、という内容。シンシアは現場に居合わせた第三者なので、特に自分を守る必要もなく、ジョイスに頼まれた口裏合わせも割とアッサリ放棄、真実を語り始める…かのように振舞っていますが、捜査官はどうも腑に落ちないらしく、彼女から“本当のこと”を聞き出そうと取り調べを続けますよ、と。そんな内容。

作りとしては、取り調べを受けているシンシアが「現在」で、彼女の証言で再現VTRのように展開する過去の映像で情報を小出しにしていく手法ですが、まあぶっちゃけオチは読めるし、おまけにその種明かしもまあ到底唸るレベルに無い「まさかのその手ー!」という…まあ手垢のついたやり方なので、サスペンスを好きで観てる人間にとっては何一つ目新しさも予想外感もありませんでした。ディナーラッシュよりはよほど面白かったけどね。(またディス)

ウーン、後は特に書くこともなく…。ご紹介にならないのが口惜しいんですが。

強いて言えば、この映画が作られていた頃のデミ・ムーアとブルース・ウィリスは夫婦だったので、この後別れる結果を踏まえて観ると「ああ、実際に愛を殺しちゃったのね」みたいな。よくわからない強引なまとめで撤収です。

このシーンがイイ!

ブルース・ウィリスがデミ・ムーアに「おっぱい見せてくれよおっぱい」と迫るシーン。もうくだらなすぎて。

実生活では散々見てるであろうことを想像するとなおさらバカバカしくて面白かったですね。

ココが○

全体的に残念なご紹介になってはいますが、ただテンポも構成も決して悪くはないので、サスペンスとして観れば評価できないとは言え、ただ映画を観る、という意味ではそこまで飽きずにそれなりに観られる内容かなと思います。これよりひどい映画、ヘタクソな映画なんて山ほどありますからね。

サスペンスを期待しちゃうと全然ダメですが、それこそうちの社長のように、(多分)この頃のデミ・ムーアが好きだ、とか言う人なら意外と楽しめるのかな、と。

ココが×

やっぱりサスペンスとしての作り、脚本でしょうね。答え合わせがちょっと…予想通りすぎるのが。

MVA

ブルース・ウィリスのクズっぷりは本当にお見事で、実際こうなんじゃないか感も漂っていてよかったんですが、もっと良かったのはコチラの方。

グレン・ヘドリー(ジョイス役)

旦那殺しの妻役ですが、段々狂っていく感じとか、もうこの人だけホラーな感じで良かったですねぇ。

デミ・ムーアに対する引き立て役的な地味さもまた「堕ちていく女」的で似合ってたし。

2013年現在、最も名前の残っていない人が最も良かった、っていうのはなかなか皮肉ですが。

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