映画レビュー0627 『オリエント急行殺人事件』

ご存知超有名な同名(もしくは「オリエント急行の殺人」)小説の映画版。お恥ずかしながら原作は未読です。

オリエント急行殺人事件

Murder on the Orient Express
新しい事件の現場に向かうため、イスタンブールからオリエント急行に乗ってロンドンに向かうことにした私立探偵のポアロ。満席だったものの、友人のおかげでなんとか乗り込むことに成功したポアロだったが、道中、一人のアメリカ人男性が殺される事件に遭遇してしまう。捜査を依頼されたポアロは、容疑者は急行の乗客にいると判断、急ごしらえの“捜査本部”で乗客たちを尋問していく。

うーん…推理モノとしてはどうなんだろうか…。

5.0

大変申し訳無いんですが、久々に寝ました。確かに寝不足ではあったんですが、自分でも驚くぐらい眠くなる映画でしたね。なので、イマイチきっちり観られてはいないんですが…まあいいじゃない。適当でさ。だってそんな良く出来てる気がしなかったんだもの。ズバリ言うけども。

最初に書いた通り、原作は未読。ですが、さすがにタイトルは知っています。アガサ・クリスティの超有名小説。かの大泉洋大先生も「ボカァねぇーアガサ・クリスティの世界でしか知らないんだよぉー藤村くぅーん!」とおっしゃっていました。サイコロ5だったかで。それぐらい誰もが知ってるあのアガサ・クリスティの小説ですよ。ミステリーと言えば、的な。たぶん。なので、とても期待して観始めました。監督もなんとあのシドニー・ルメットだし!!

だが…!

原作未読なだけに、映画が悪いのか原作が悪いのか何とも言えないところではあるんですが…。やっぱり未読ならではの楽しみ方として、「誰が犯人か」っていうのはもう超ド定番じゃないですか。

「こいついかにも怪しそうに見せてるから違うんだろうな(ハナホジ)」ってな感じで観てたわけですが、最終的には…「そんなのわかるわけねーだろ!!!」という結末でして。

一応、作りとしては観客が知り得る以上の情報を突然拾ってきてクソだぜ、みたいな話ではないので、それこそポアロバリの知能をお持ちの方であれば事件の全容がわかる人もいる…かもしれません。当然ながら解決編というか、どこからどう推理してこういう答えを導きましたよ、というのは語られるので、観客でも同じように推理することは可能なんでしょう。理論上は。

で…これまたいつものようにネタバレになるために詳細は書けないんですが、真相を知ったとき、どう考えても「ファンタジー」としか受け取れなかったんですよね。現実としてこれを実行するにはハードルだらけで、絶対に成就しないと思います。フィクションにそんなことを言うのは野暮なのもわかっちゃいるんですが、でもあり得ない事件を推理モノとして楽しんでね、というのはちょっと違うんじゃないのか、という思いがとても強くありまして…。何か一つほころびが出た時点ですべてが無になる計画なので、それだけ込み入った面白い話であるのも事実なんですが、どうにも嘘くさい話としか受け取れなかったのが我ながら残念。

そう、ただ話としてはひじょーーに面白い話なんですけどね。素直に「すげぇ話だな…」と思いました。

でも…嘘くさい。なんつーか…犯人がどこか自分に酔ってる雰囲気もあったし、「殺人ってそんなもんじゃないでしょ」って感じで。

まあ…自分には向いてなかった、のかな。アガサ大先生を腐すつもりはまったくないんですが、「あまりにも出来すぎていて嘘くさい」のが気に入らなかった感じ。

映画としても鼻につく男が聞いて語ってだけだから地味、っていうのもあったし。盛り上げる感じもなく、聴取終わってすぐ解決編、みたいな流れもあんまり乗れず。

ということでめちゃくちゃ眠くなりながら観終えました。ごめんよ。一応、後日もう一回最後の方だけ観てみようとは思っていますが、映画としては正直…今あえて観るほどのものではないかな、と思います。観るなら他のルメット作品の方が全然良いかな。

ネタバーレ・ポアロ

結局容疑者の乗客全員が犯人だった、っていうオチなわけですが、確かに話としてはショッキングな内容で、そういう意味での面白さはあるとは思いますが…でも実際これってあり得ないじゃないですか。

まず全員多少なりとも恨みがあるとは言え、計画段階で誰かしら「やりたくない」っているのが普通ですよ。まあ好意的に解釈するなら、そう言った人間は別ですでに殺されていてこの電車には乗っていない、って話かもしれませんが。

でもやっぱりちょっとなぁ…。

全員がセリフ吐きながら刺していく“作り物っぽい”犯行も嘘くさくて乗れなかったな…。

恨み骨髄ならもっと感情的に刺す人間もいるはずで、そういう人がいない時点でそんなに恨んでいない気もするし、いろいろと嘘くさいお話だなと思いました。

まあ、こんな意見はそもそも「推理小説にマジレスしてうるせーやつだな」ってお話かもしれません。

このシーンがイイ!

ラストの解決編、乗客集めての演説と言うか、ポアロが語るシーンはまあ良かったかなと。

ココが○

話としてはやはり常人には思いつきようのないスゴイものだったので、面白くはありました。やっぱり本向きだったりするのかなー。本ならもっと驚いていたかもしれない。

ココが×

僕の頭のせいもあるとは思いますが、推理しようにも難しい斜め上の展開だったのが残念。

でもそういうところより、単純に映画として退屈だったのが良くないんだと思います。

MVA

割とどうでもいい評価の時はどうでもいいチョイスになるわけですが…。この人にしとくかな。

ローレン・バコール(ハリエット・ベリンダ・ハッバード夫人役)

おしゃべりおばさん。昔の写真見たらえらい美人でびっくり。

イングリッド・バーグマンも地味な女性として出ててこれまたびっくり。久々にショーン・コネリー観てびっくり。アルバート・フィニーがもう全然アルバート・フィニー感無くて一番びっくり。

当時としてはなかなかの豪華キャストだった模様です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA