映画レビュー0550 『ラブソングができるまで』

Re:LIFE ~リライフ~」のレビューを漁っていたところ、「ラブソングができるまでと似てる」という声をチラホラ目にし、なんだとヒュー・グラント主演なら似てても観たいぞ、いやむしろ似てるならもっと観たいぞ! と借りに行こうかと思っていたらなんとすっかり忘れていたBS録画にあったという僥倖。急いで観ました。

あ、急いでって言っても走ってもいないし倍速で観たわけでもなく普通に座って通常速度で観ています。丁寧な説明がウリのなんプロです。嘘ですが。

あ、嘘なのはウリが嘘なのであって普通に観たのは本当です。丁寧なせつ(略)

ちなみにこの映画も「Re:LIFE ~リライフ~」同様、監督・脚本をマーク・ローレンス、主演ヒュー・グラントという組み合わせで、この組み合わせの映画は他にも「トゥー・ウィークス・ノーティス」「噂のモーガン夫妻」と計4作あるんですよね。

年末年始休暇にでも「トゥー・ウィークス・ノーティス」も借りて観たいな、と思っていますが、果たして置いてあるかどうか…。

ちなみに今年の更新はこれでおしまいです。今年も細々とありがとうございました。

年明け一発目は恒例のなんプロアワードでお会いしましょう。まだ書いてもいないし選出もしていません。自分でも楽しみです。

それではみなさま、良いお年をお迎えください。

ラブソングができるまで

Music and Lyrics
監督
脚本
マーク・ローレンス
出演
ブラッド・ギャレット
クリステン・ジョンストン
音楽
アダム・シュレシンジャー
公開
2007年2月7日 アメリカ
上映時間
104分
製作国
アメリカ

ラブソングができるまで

かつて一世を風靡したバンド・PoPの元ボーカル・アレックスは、その過去の栄光を糧に食いつなぐ毎日。そこに超売れっ子アーティスト・コーラから新曲の依頼が舞い込む。なんとかして採用してもらうために頑張るアレックスだが、あてがわれた売れっ子作詞家の詩にピンと来ない。そんな中、たまたま訪れた“植木係”のソフィーが口ずさむ詩に彼女の才能を直感したアレックスは、彼女に一緒に曲を作ろうと説得する。

好きな人は好き、そうじゃない人はそれなりでしょう。

8.5

まるで長いこと離れていた恋人同士のように、久々に観たヒュー・グラントで思いが募ってしまい「あ、あたいヒュー・グラントやっぱり好きかも」と意識し始めたが最後、気付けば僕が一番好きな俳優さんとなりました、ヒュー・グラント。こりゃーちょっと重点的に追わなければ、と今後レビューが増える予想です。

※一応書いておきますがノンケです。

さて、そんなわけでヒュー・グラント主演のラブコメっつーことで、まあもうどう転がっても面白いし、どう転がっても意外性は無いという内容になりますが、なんでしょうね、もはや「ヒュー・グラントのラブコメ」ってマンネリの先にある、言ってみれば様式美とかそっちの方に近いものだと思うので、好きな人が観たら「そうそうこれこれ!」ってたまらないだろうし、逆にそうでもない人が観たら「なんかありがちだなー。予想通りの展開だし」ってなるのはわかりきってはいるんですよね。

なので、ある程度ヒュー力(ひゅーりょく)が付いてから観るべき映画なのかな、という気がします。もしくは完全映画ライト層か。それなりに映画は観ているけどヒュー・グラントに特に思い入れがない、という人が観たら多分評価しない気がします。

僕の場合は遅まきながらようやくヒューゲージがマックスになってきたので、今「噂のモーガン夫妻」とか「アバウト・ア・ボーイ」とか観たら多分前より評価が上がると思います。それぐらい、もう出ているだけ、情けない顔をしているだけでたまらない俳優がヒュー・グラントなんですよ。わかりますかね、この気持ち。わかりますかね!?(訴)

ちょこっと説明。「80年代の人気バンドボーカルの片割れ」として食いつないでいるのが、主人公の我らがおヒュー。遊園地でのショーとかイベントで歌って食いつないでおります。この辺の設定は「クレイジー・ハート」と似た感じ。ちなみにそのバンドのもう片方はサーの称号まで頂き、大人気アーティストとして依然活動中。わぁ、もう設定からしてリアルすぎて痛い。すごくありそう。

で、その彼に、今をときめく大スター・コーラがかつてファンだったということで新曲制作を依頼してきます。ただ、この依頼も確定ではなく、コンペ案件。期日もやたら短い中、コーディネートされた作詞家がイマイチで参ったな…ってところに、植木に水をやりに来た“元作家志望”のソフィーが何気なく口ずさんだフレーズにピンときて、彼女と一緒に曲を作り上げるぞーっつーまさに「ラブソングができるまで」の映画となっております。

ただ、この邦題はちょっとウーンと思わないでもないです。が、こき下ろすほどひどいというより、無難すぎてちょっとなぁという程度なので許しましょう。(上から)

んで、まあ当然誰もがわかるので書いちゃいますけども、その主人公・我らがおヒュー演じるアレックスとソフィーが一緒に曲作りをしながら、意気投合し、当然ちょっとした危機もありながらくっつくまでを描く映画なわけですが、その辺の筋がもうあからさまに最初からわかっているのに面白い、っていうのはよく考えればすごいことで。

結局、この手の映画の大事なところは、展開とか最終的にうまくいくのかとかそういうストーリーではなく、その道中に描かれる各人の感情表現だったり、やり取りだったり、ちょっとしたエピソードの完成度なのかな、と思うわけです。それを演じるのがおヒューということで、これはもう外れようがないわけですよ。ただただ面白い。一挙手一投足が面白いわけです。

もう振り返り方だけで笑っちゃうし、物を片付ける佇まいだけで笑える。なんなんでしょうね、ほんとにこの人は。いや僕がドハマリしてるだけだとは思うんですが、とにかく面白いんですよ。説得力無いですがそうなんです。

「クレイジー・ハート」のジェフ・ブリッジスとの違いは、あっちは強がる男の悲哀とか哀愁が強いんですが、おヒューの場合はそういう哀しい感じが無いんですよね。軽い。いい意味で軽い。深刻さがないので、他人事として見られる感じがいいんだと思います。

もちろん感情移入が大事な映画もありますが、僕が思うにヒュー・グラントの映画はそうじゃなくて、お芝居、言ってみれば舞台のような楽しみ方ができるのがいいのかな、と。自分の身に置き換えて身につまされるのもいいですが、そういう重さが無い、気楽に観られて楽しい気分になれる映画にしてくれる、その存在感が素晴らしいわけです。

話によると、この頃ヒュー・グラントはパニック障害を患っていたらしいですが、当たり前ですがそんな素振りはまったくなく、いつものおヒューで楽しませてくれます。

そんな相変わらず素晴らしいおヒューもさることながら、相手役となるドリュー・バリモアもまた素晴らしい。あんまりキュートイメージって無かったんですが、これがまた役に合った素晴らしい演技で。やや大げさなシーンもありましたが、そこがまたおヒューラブコメとマッチしていて、この二人の相性はなかなかのものだと思います。綺麗すぎない、イケすぎてない感じがいい。

大スター・コーラ役のヘイリー・ベネットの存在感もスゴイ。明らかに「理解できない人には間違っているとしか思えない方向に進んでいる」スターなんですが、ライブの熱狂っぷりとかもなんかリアルなんですよね。あー、こういうスターいるわ、みたいな。かなりのロリフェイスですがかわいいし。

これは要チェックやで…! と思ったら「イコライザー」に出ていたと知ってびっくり。ああ、あの殺されちゃう娼婦の。そういやかわいかったもんな~。(ひとりごと)

でもあの時は泣きながら命乞いする演技とかなかなか迫真の演技だったので、出たてとは言えこの映画とのイメージと全然違ってびっくり。

本題に戻りますが…って戻っても特に他に書くことはないという。ここまで読んで、大体「ああ、そういう映画ね」って想像がつく人であれば多分想像通りの内容だし、それを面白いと思えそうなら観ればいいし、そう思えないなら観なくていいというごく当たり前のお話に帰結します。

ヒュー・グラント好きなら間違いがないでしょう。思う存分彼の魅力が味わえます。ライブ中に調子乗って腰を痛めちゃうところとかもう最高です。あとリハーサルで昔の古臭い踊りやっちゃって注意されるところとか。もう終始ちょっとズレてる、昔の感覚で表に出ちゃってる感じがすごく面白いし、そこがまた嫌味に見えない自然さが素晴らしいんですよね。

ほんとーーーーにこの人の役はこの人にしかできない映画ばっかりだと思います。面白さが段違い。もはやおヒューと同じ時代に生きていることを感謝するレベルでしょう。劇中一回ノリツッコミも出てきますからね。最高です。

もう一点、この映画については熱く語りたいところがあるんですが…それは次項に。

このシーンがイイ!

これはねー、もうオープニングのPVしかないですよ。

一世を風靡したバンド、PoPのヒット曲のPVが丸々流れて本編スタート、となるわけですが、この80年代風PVのデキが恐ろしく素晴らしい。もうしょっぱなから笑いっぱなし。

曲調・打ち込みの音・キメ・歌詞といった曲の要素と、髪型・衣装・踊り・歌い方・急に始まるドラマ仕立てのシーンといった映像面、全部完璧に“それっぽい”。これだけでも観て欲しい、っていうぐらいよくできています。ものすごい笑いました。

5人で踊ってるんだけどボーカル以外はイマイチ乗ってないヘタさ加減だったり、ドラマ仕立てのパートで楽器持ち歩けないドラマーがスティックだけで登場したり、もうあるある感がハンパないです。これ相当この頃のPVを研究して作ったんじゃないかなぁ。これほど素晴らしい掴みはなかなかありません。

「あれ? こんな古い頃の映画だったっけ?」って思えることウケアイ。曲も妙にキャッチーで頭に残ります。それも含めて笑える。

ココが○

ヒュー・グラントファンであれば100%楽しめるド安定の映画だと思いますが、そうでない人にとっても嫌味なく気軽に楽しめるという意味で良い映画ではないかと思います。当然、テーマとしても歌が重要な映画なので、映画ファン向けに少しマニアックなセリフの多かった「Re:LIFE ~リライフ~」と比べても観やすいのではないでしょうか。

ココが×

意外性は皆無なので、そういうのを期待しちゃうとダメです。多分、先入観で評価がだいぶ変わる映画だと思いますね。

ラブコメというジャンルがあまり好きではない人が乗り気でない中観てもつまらないままでしょう。そういう意味では、これもまたヒュー・グラントファン向けの映画かもしれません。あとドリュー・バリモアファン。

MVA

もはや一番のご贔屓となってしまった以上ほっといてもヒュー・グラントになってしまうので、この人はもう殿堂入りとして神棚に祀る方向にして、別の方に。

ドリュー・バリモア(ソフィー・フィッシャー役)

今作のヒロイン。

見た目よりも服装とか雰囲気でかわいさをアピールする感じで、中身は結構変わっていたりする、いわゆる「等身大ヒロイン」の感じですが、さすがいろいろ経験してきたドリュー姉さん、お上手でした。

まーなんつっても俳優界のサラブレッドな上に子役時代から活躍する超ベテランですからね。おまけにドラッグに溺れた時期もあったりして、女版ロバート・ダウニー・Jrと言った感じ。今まで観たヒュー・グラントのお相手としては一番似合ってた気がするなぁ。

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