映画レビュー1198 『吸血鬼カンパニー』

今回はウォッチパーティより。

ちなみにこの映画、IMDbによると一般公開はされていない(映画祭上映のみ)ようで、やむなく公開日を最初の映画祭上映日にしています。なかなかこれはレアなケースなんですが…よほどコケたんでしょうか。

吸血鬼カンパニー

Netherbeast Incorporated
監督

ディーン・マシュー・ロナルズ

脚本

ブルース・デリス

出演

ブルース・デリス
スティーヴ・バーンズ
ダレル・ハモンド
デイヴ・フォーリー
エイミー・デビッドソン
ジャド・ネルソン

音楽

ティム・クラーク

公開

2007年3月30日 アメリカ

上映時間

88分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

吸血鬼カンパニー

たまーに観るには良いレベルのB級感。

7.0
社員全員吸血鬼(もどき)の会社に人間がやってきて一悶着
  • 全員吸血鬼もどきの会社で巻き起こる陰謀
  • トンデモ設定のいかにもB級なホラーコメディ
  • 話の筋以外の無駄な情報が多すぎて面白いやらわかりにくいやら
  • コント感漂う微妙にチープなセットがツボ

あらすじ

ツッコミどころ満載のいかにもウォッチパーティ向きなB級ホラーコメディでなかなか楽しめたんですが、これ一人で観てたらそこそこ文句言ってた気がします。人と観るって大事。

歴史あるとある企業に勤めるオットー、見た目は普通のその辺の中年男性と言った感じですが実は今年108歳です。

ある日社長(多分)のターナーに呼び出されると、同僚のマイクが胸に杭を刺さされた状態で死にながら座っておりました。

「マイクは吸血鬼だったもんでね。片付けて無くて悪いね」と軽く説明された後、近々人間のコンサルタントを招くよ、さらに新入社員も人間だよと言うことでざわつく社内。

ターナーはボケてしまったのでは…? と社員たちが疑心暗鬼を深める中、殺人(人じゃないけど)事件まで起きてしまい…! はてさてどうなる!

パーティムービーとして

タイトルにしてもそうですが、めんどくさいのか「吸血鬼」とくくってはいるものの、一応主人公他の主要登場人物たちは吸血鬼とは別物で、「ネザービースト」と言う人間を食料にする以外は特に人間と変わらない長命種の生物だそうです。

なにせ開幕直後に「吸血鬼だから殺してやったぜハッハッハー」とか出てきて面食らったんですが序盤はその辺の説明が結構丁寧に、センスあるアニメーションで展開します。この説明アニメがなかなかオシャレな資料って感じで良い。

人間を食料にする以上は人間と敵対関係にありそうなものですが、なんでも“コネ”によって事故死した人間などが運ばれるようになっていて、食料には困っていないらしく特に人間に対して敵対心やら(食欲的な)欲求やらは持ち合わせていない模様。すげー話。

この会社はかなり古くから存在する通信(電話)関係の会社で、業績はかなり良いらしく社員の生活も安泰、会社の上層階にある住居との往復で「(ほとんど)ビルから出ない」軟禁状態での生活のようですが、みなさん特に不満もなく暮らしているようです。

まあ言ってみれば“(文字通り)日陰者たちの会社”のようなところなんですが、そこになぜか人間が採用されてやってきた…と言うことでどうなってるんだとザワザワするところから話は始まります。そして「それで死んじゃうのか」と思えるぐらいあっさりとした攻撃によって巻き起こる殺人(厳密には殺ネザービースト)事件。

それらはやがてある重大な問題につながり、終盤はほんのりサスペンスっぽい展開になるんですが…しかしそこに至るまでの諸々の説明やご紹介に余計な情報がふんだんに盛り込まれているがためにツッコミどころ満載で、1時間ぐらいはほとんど「このシーンはなんなんだよwww」的なシーンが続きます。そこが良いところでもあり、悪いところでもあるような。

今回の僕のように誰かとワイワイツッコミながら観るには非常に楽しいんですが、一人で観ると余計な話ばっかりで本筋がよくわからず、上滑りしている感も無きにしもあらずなだけに徐々に飽きてきて嫌になりそうな気もする。

そういう意味ではちょっと「プラン9」とか「G.O.R.A.」とかの系譜を感じるとか感じないとか言う噂です。

ただ一応お断りしておきたいのは、だからと言ってクソだぜと断罪するつもりもなくて、そういう(みんなでワイワイ観ることに価値がある)映画もあっていいと思うんですよね。昔の自分だったらきっと一発でクソだって断罪して終わってた気がするので変わったなぁとも思うんですが。

ゲームにもパーティゲームがあるように、映画にもパーティムービーがあっていいじゃない、と。ましてやウォッチパーティなんてものが出てきてるわけだし。

途中まで本当に何が言いたいのかさっぱりわからないぐらい本筋を置いていく展開が気にはなりましたが、しかし気を張ることなくみんなでやいのやいの言いながらちょっと笑いつつ楽しむにはとてもいい映画だと思います。

セットのチープさも見どころ

終盤の展開はよく見るパターンではあるものの(全然そんな話とも思っていなかっただけに)なかなか意外で楽しめたし、設定がレアなだけに「よくある映画」で片付けられない面白さもB級感があるのでB級映画好きはぜひ一度観てみるといいかもしれません。

役者陣も僕が知る限りでは一人(ジャド・ネルソン)を除いてよく知らない人たちばかりで固められ、これまたB級っぽくていい。ジャド・ネルソンも青春映画以降はパッとしないし。その立ち位置だからこその味がある、みたいな。

また物語の大半は彼らの勤務する会社があるビル内で展開するんですが、このオフィスのセットが微妙にチープでコントっぽいのも最高です。低予算だな、なんならテレビ番組かなと思っちゃうような雰囲気。

それがマイナスに感じられる映画ももちろんありますが、ハナからB級と感じさせるこういう映画はもうそっちに振ってくれちゃったほうがこっちもより盛り上がるってもんですよ。

ちなみにこの映画を推薦した方は前回「ビッグ・バグズ・パニック」を推薦した方で、もう見事なまでに同じB級感を感じさせる映画で納得するやら笑っちゃうやら。

なのであの辺りのB級感が好きな人には同じく刺さるのではないかと思います。パワー不足を笑いで補ったB級映画、よかったらどうぞ。

このシーンがイイ!

オープニング含め、序盤に流れるアニメーションのセンスはとても好きです。

あとはやっぱりいきなり杭刺さって死んでる同僚が社長室にいるシーンの衝撃も忘れられない。すごくコントっぽい。

ココが○

変なスケベ心が無いというか、最初からB級で行くぞ、高望みはしないぞと感じられる職人的B級感が素晴らしいですね。10本に1本ぐらいはこういうのを観るとなんか嬉しくなっちゃう。2本になると頭にきちゃうけど。

ココが×

コメディなので当然ながらしんどい感はないものの、一応はテーマがテーマなだけにそれなりにグロかったりはします。普通に人間の手とか足とか食べてたりするので。なのでその辺りの耐性が無い方は要注意。

MVA

正直さして気にもしてないで観ていたので誰でも良いっちゃ良いんですが…この人にしましょう。

ダレル・ハモンド(ターナー・クレイモア役)

(多分)社長。

彼の立ち居振る舞いの理由が物語の鍵となるんですが、その辺が明らかになってくる終盤はなかなか面白かったので彼に。なんとなく大物感もあった気がするし。

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