映画レビュー0342 『ニューイヤーズ・イブ』

具体的にどんな内容なのかサッパリ知らなかったんですが、だいぶ前から今年の最後はこの一本を観よう、と決めていました。なんか年末っぽいからいいじゃない、と。大晦日にアップとかいいじゃない、と。うるさいよ、と。

ということで、今年はこれでおしまいです。学校だったらとうに廃校になっているレベルの人数ですが、いつも覗きに来てくれる皆さま、今年もありがとうございました。本当に僅かなアクセスアップが励みです。28が30になるだけでありがたいです。

来年はいつもの通り、「なんプロアワード」でスタートの予定でございます。まだ決めていないので、元旦にでもニヤニヤしながら悩むことにします。

それでは、よいお年を。

ニューイヤーズ・イブ

New Year’s Eve
監督
脚本
音楽
公開
2011年12月9日 アメリカ
上映時間
118分
製作国
アメリカ

ニューイヤーズ・イブ

タイムズスクウェアのカウントダウンイベントを仕切る人、長年務めた会社を辞めた人、その会社に出入りする人、イベントに呼ばれたロックスターとその元彼女、エレベーターに閉じ込められた人、会社に行こうと急いでる時に車が故障した人、好きだった男子と良い感じになりそうな少女とそのお母さん、出産を間近に控えた人、そして間もなく人生の終わりを迎えようとしている人。それぞれの、大晦日。

都合よくてもいいじゃない! 多幸感に包まれる、年の瀬にふさわしいあったか映画。

8.5

いわゆる群像劇の一つで、それぞれの人生の、大晦日というある一日を軽快に切り取ったヒューマンドラマ、といったところでしょうか。ある程度は想像のつく展開でもあるので「まあそうなるだろうね」と思いつつ観るわけですが、それでもやっぱりいいものはいいな、と思うに至った素敵な映画でした。

ご説明。

群像劇なだけに登場人物は結構多めで、それぞれなかなかのスターを配した豪華キャストに仕上がっております。特にどの人が主人公で他はサブ、という感じもなく、一応扱いの軽重はありますが、印象的には割とどの人たちも均等に扱われている感じ。それぞれのストーリーを説明するとかなり長くなるので割愛しますが、大体が男女の話で、大体がちょっとしたトラブルに見舞われて、大体が年越しに決着を迎えるぞ、と。そう言っちゃうとかなり味気ない、ありきたりの映画ではあります。

が、なんなんでしょうか。やっぱり大晦日、「来年はいい年に!」っていう希望を誰もが胸に秘めているその温度というか、前向きな感覚と、映画全体を包み込むような温かさ、多幸感がすごくよくて、特に何もない劇中にもウルっとくるような雰囲気がたまりませんでしたね。いわゆる僕が好きな「みんな生きてんだよ感」というか。

フツーに暮らしてフツーに生きる、フツーの人々が、嫌なこともあるし大変なこともあるんだけど、でも希望を持って良い事を作り出そうとするその雰囲気が、まさにこの年末、新年を迎える今の時期にぴったりで、年があけてもしばらくこの感覚を持っていたいような感じと言うか。

やっぱり年越しから新年というのは、一つのスイッチだと思うんですよね。「来年こそはいい年に」っていう。それだけ「結局今年もうまくいかなかったな…」っていう後悔が割とたくさんの人の共通感覚としてある裏返しなんだと思いますが、そういう「よし、次だ次!」って前を向かせるために、重すぎず、嫌味もなく、ハッピーに見せてくれる物語としてすごくよくできていると思います。

「そんなうまくいかねーよ」「そんな劇的な話なんてねーよ」「そもそも俺そんなかっこよくないし」「日本はこんな盛り上がらねーよ」などなど、多々言いたくなることもあるでしょう。でも、いいんですよ。フィクションだし。

年越しのこの時期に、作り物でもハッピーな話を観て、少しでも「こういう良い一年を迎えられたら」って前向きになれれば、それだけでもういいじゃないか、と。いいじゃないか運動ですよ。ミスターの。

なんというか、当然「こんなご都合主義的な話面白くない」って人もいると思いますが、そこは劇中でもヒラリー・スワンクが言うように、「素直になって」いいんじゃないかな、と思います。僕のように天邪鬼丸出しの男でも、ホロリと涙を流せるんですよ。ああ、いいなぁ、と。自分はこういうエピソードに巡り合えないだろうけど、でもいいなぁ、と。その多幸感、みんな幸せっていうのがいいじゃないか、と。

誰だって幸せでいたいわけで、映画に出てくる人たちがみんないい笑顔になって終わる、それだけでスバラシイじゃないか、と思うわけです。ひとりよがりの映画だったらダメですが、この映画は多めの登場人物をきっちりわかりやすく描きつつ、それなりに印象的なエピソードに仕立てながら、押し付けがましくもなく、幸せな気分にさせてくれるっていうのがもう。年末に観るには最高の映画ですよ。

最初にも書いた通り、この映画に出てくる人たちはフツーの人たちです。ロックスター(しかもボン・ジョヴィ)も出てきますが、彼も彼でフツーの悩みを持ってます。そのフツーの人たちが集まった映画を観てると、はたと気付くわけです。自分もフツー、この映画の中に出てくる人間の一人なんだ、と。

フツーの人生をハッピーに過ごせたらそれが一番じゃないか、と思えるような「ありきたりの幸せ」をそっと伝えてくれる、そんな映画です。いやぁ、良かった。

イヤー、良かった。(ハイレベルなダジャレ)

残念な点も無かったわけではないですが、それも含めてまたリアルというか、それこそが人生なんだろうな、と思います。毎年年末に観直してもいいかも、と思えるような幸せな映画でした。

このシーンがイイ!

良いシーンもいろいろありましたが、やっぱりベタですがエンディング。楽しそうで、この映画にすごくあったエンディングだったと思います。まさにコレを観ながら年越しパーティ、とかすごくいいなぁと思いますが、パーティなんて呼ばれもしないしやりもしない、と。

アンハッピーニューイヤーですのでね。こちとらね。

ココが○

ありきたりと言いつつも、でもそれぞれのエピソードは単純によく出来ていたと思います。特に好きだったのは、「願望リスト」を叶えていく二人の話と、バス移動中の神父家族との話と、デ・ニーロ。

核となるエピソード自体そこそこ数があるので、どれかしら「いいね」って思えるものがあるんじゃないかな? と思います。素直に観られるなら。

それと、変な話ですが、結構な人たちが「歳取ったなぁ」と思ったんですよね。ヒラリー・スワンクもだいぶオバサンになってきたし、ミシェル・ファイファーなんて「スカーフェイス」での輝きはどこへやら、こんなオバサンになっちゃったのか、と。アビゲイル・ブレスリンも仕方ないとは言え、「リトル・ミス・サンシャイン」の頃のかわいさは無くなって、役柄もあってなんでしょうがちょっとケバくなって来ちゃってるような感じもあったり。これまた役的に仕方が無いものの、ロバート・デ・ニーロもやけに老けたし、本当にみんな「あー、歳取ったね」って思ったんですが、それが良かったんですよね。

それが人生、みんな歳をとって、それでも生きていくんだよ、っていう当たり前だけど目を背けがちな事実を見せてくれる感じが。意図してそうしているわけではないんでしょうが、他の映画にない、不思議な魅力になっているなと思いました。

ココが×

反対にイマイチだったのが、出産対決夫婦の話と、ラストの〆。

でもまあラストの〆は、「うそーん」と思いつつも、それもまたあるよね、と納得はしたんですが。出産対決夫婦もまた(欲望として)リアルな話だと思うし、好き嫌いの範疇だとは思いますが。

MVA

やー、これはさすがに悩ましい。

デ・ニーロがね。やっぱりいいんですよね。多分登場時間は主要メンバーの中で一番短かったんじゃないかと思いますが、やっぱりこの人が出てくると締まるし、役柄的にもすごくいいアクセントになってたし、佇まいだけでもうたまらないものがありました。なのでデ・ニーロにしたいところなんですが、悩みつつも、この人が一番ステキだったなぁ、と思ってチョイス。

ミシェル・ファイファー(イングリッド役)

「願望リスト」を作成して、ザック・エフロン扮する自転車便の兄ちゃんを一日レンタルしたオバサン。

この話が一番好きだし、オバサンなんだけどキュートで、終わり方もベタだけどすごく良かったです。

同じくザック・エフロンもあんまり好きじゃないんですが、今回はすごくマッチしていてすごく良かった。ほんとにその辺にいそうな軽そうな兄ちゃんだけど、いいやつで。

まあ、主要メンバーみんな良かったですよ。本当に。アシュトン・カッチャーもダルダルだけどかっこよかったし。キャスティングも「ただの豪華キャスト」ではなかったのがグッド。

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