映画レビュー0457 『エンド・オブ・ホワイトハウス』
最近アクション映画観てないなーと思い、なんも考えないで観られる映画としてチョイスしてきました。
もう一本近い時期にホワイトハウスモノがあった気がしますが、それもそのうち借りてみる予定です。(割とこの手の設定は好き)
エンド・オブ・ホワイトハウス
予想通りに楽しめる、無難な娯楽映画。
非常に申し訳ないんですが、アーロン・エッカートが大統領役という時点でもうすでにかなり「二級品です」という匂いがプンプンするわけですが、そこに「でもビッグネームだぜ!」と言わんばかりにモーガン・フリーマンが起用される、というこれまたこの手のランクの映画にありがちなキャスティング、その流れを地で行く娯楽映画で、期待以上でも以下でもなく、まさに望んだ通りに「何も考えずに割と楽しめました」という映画でした。
かつて凄腕の特殊部隊上がりのシークレット・サービスとして重用されていた主人公が、とあるミスを境に現場から退いたものの、国家の危機に一人戦地へ赴く…という非常にベタな設定。そして当然主人公補正がかかっているので、やたらと強い。外では統合参謀本部がオタオタしつつも事態の打開を図ろうと画策する中、内部で「ワシ一人で決着つけたるけん」とストロングスタイルのワンマンアーミーが危機を乗り越えやがて…! という、もはや観なくてもわかるストーリーをお送りするザ・アメリカな映画です。
が、それだけに安心感もあるし、程よいドキドキと後味悪くならないエンディングが約束されているので、まさに「なんか観たいけどあんまり頭使わないやつ」というご要望にピッタリ。
いやー、久しぶりにこの手の正面突破モノを観たので、これはこれで悪くないなー、と70%ぐらいの集中力で楽しませて頂きました。こういう映画も必要だなーと改めて感じた次第。
「人生ナンバーワンだぜ!!」なんて人は絶対に出てきませんが、手軽な娯楽としてこれほど現実と絡ませつつ誰もが楽しめるテーマもなかなかないので、無難なチョイスとしてはまったく問題がないと思われます。
一つ、少し驚いた部分としては、一応国家的な関与はないという設定ではありましたが、北朝鮮という実在する国を名指しで悪役に設定した大胆さは大したモノですね。韓国の首相も巻き込まれちゃうし。しかしセリフ上ですら日本はまったく出て来ない辺り昨今の時代を感じざるを得ません。地政学的な使いやすさの違いもあるとは言え、良くも悪くも日本は空気になっちゃった感じで。どうでもいい話ですが。
果たしてこれほど簡単に領空侵犯を許すのか、ホワイトハウスほどの最重要地点が一方的にやられて陥落するのか、その辺思うところが無いわけではありませんが、まあ「娯楽ですよ!」感バリバリのフィクションなのであまり気にならず。
しかしCGとは言えホワイトハウスがボロボロになっていく様はなかなか今まで観たことがありそうで無いタイプのもので新鮮でもあったし、「24」並に現れては死んでいくエージェントの無駄遣い的銃撃戦もなかなか迫力があって、ハナから上限が決まっているタイプの映画でありつつも、手抜きのない潔いベタ展開、これでよかったと思います。
ヘタにこねくり回されたほうが腹が立つので、しっかり自分の立ち位置をわかった作り、いいんじゃないでしょうか。
「わかって観る」映画としてはまったく不満がありませんでしたね。そのつもりで借りる分には全然観られる映画だと思います。
このシーンがイイ!
シーンとしては特にコレ! っていうのはなかったかな。
ココが○
看板通りの映画である点に尽きます。意外と大事です。背伸びしない感じ。
ココが×
期待を上回るものは何もないので、そのつもりで観ましょう。
MVA
主演のジェラルド・バトラーがなかなか男臭いヒーローを好演していたと思いますが、今回はこの人にしようかなと思います。
メリッサ・レオ(ルース・マクミラン国防長官役)
蹴り飛ばされ引きずり回される国防長官のおばちゃん。
なんというか、ザ・アメリカを体現してるんですよね。「国に絶対の忠誠を誓うわよ!」みたいな。笑っちゃうぐらいアメリカンで、むしろそこがかっこよかったな、と。一緒に働くのは嫌ですけどね。このタイプ。