映画レビュー1371 『オペレーション・フォーチュン』

少し間が空きました。すでに映画自体は10本以上観てはいるんですが、年始はストックがない上に今年は仕事が忙しくてレビューも書けず、ジャケ絵は最初からやる気がないので滞ります。しばらくは更新ペースが遅いですがどのみち大して人も来ないので適当にやります。

さて、今年の一発目はこれと決めていました。劇場に行きたかったやつ。

オペレーション・フォーチュン

Operation Fortune: Ruse de guerre
監督
脚本
出演
音楽
公開

2023年3月3日 アメリカ

上映時間

114分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

オペレーション・フォーチュン

おヒューが美味しければそれでいい。

8.5
好き放題敏腕スパイに「高額闇取引の兵器を回収せよ」とミッションが下る
  • 正体不明の高額闇取引兵器を回収するべく敏腕スパイとチームが招集される
  • しかし同じ目的のライバルスパイに足を引っ張られたりと三つ巴の様相を呈してくる
  • 意外と真っ向勝負のスパイ映画
  • キーマンの取引仲介武器商人に怪しさ満点我らがおヒュー

あらすじ

まあ正直映画としてはそれなりに面白いね、ぐらいではあったんですが、しかし我らがおヒューの活躍により当然ながら大満足です。ありがとうガイリチ。

近々100億ドルという超高額で謎の兵器の取引がなされるとMI6に情報が入り、その回収を命じられたコーディネーターのネイサン(ケイリー・エルウィス)は「凄腕なものの好き勝手するためにやたらコストがかかるエージェント」のオーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)に白羽の矢を立て、また彼のサポートにサラ(オーブリー・プラザ)とJJ(バグジー・マローン)をアッセンブルってやつですよ。

この取引には表向き慈善活動家、裏の顔は武器商人として有名なよくあるパターンの悪者グレッグ(ヒュー・グラント)が絡んでいることを突き止めたチームは、彼が大ファンである映画俳優ダニー・フランチェスコ(ジョシュ・ハートネット)を引き込んで潜入捜査に挑みます。

しかし事あるごとに同じ目的のエージェント、マイク(ピーター・フェルディナンド)がフォーチュンを出し抜こうと邪魔をしてくるので鬱陶しいことこの上なく、敵が分散しているようなものでなかなか難儀そうなこのミッション、果たして。

ミッション:インポッシブルと真っ向勝負

ガイリチ監督のスパイ映画、っつーことで自ずと「コードネーム U.N.C.L.E.」っぽいスタイリッシュコメディスパイ映画なのかなーと観始めたんですが、世間的にはそういうご意見が多いものの僕にはそこまでコメディ感も(良い意味で)強く感じられず、どちらかと言うと「ミッション:インポッシブルシリーズの真っ向を張ってやるぜ」と今になって勝負を挑んできた後発スパイ映画、って感じでしたね。MCUの周回遅れでDCがユニバース始めたような感じで。

コメディタッチと言えばコメディタッチではあるんですが、割と「ちゃんとスパイしている」というか、それなりに最近の流行を取り入れつつ(回収する武器がまんまデッドレコニングと被ってて笑った)スパイ映画らしい文脈とアクションと小道具とで「今どきスパイ映画をガイ・リッチーが撮ったらこうなる」みたいな作品。

僕の中でのガイ・リッチーはもっとこねくり回してくる印象なので、そこを少し抑えつつでも個性は出しつつのスパイ映画になっていて、これはこれで(勝っているとは言えないものの)ミッション:インポッシブルの対抗作として成立していると思います。悪くないです。

ただその肝心の兵器そのものについてはいわゆるマクガフィンの域を出ず、結局それぞれの陣営だったり人間同士の関係だったりが中心となってくるので「スパイ映画らしいハラハラ感」みたいなものはあまりなく、それ故若干物足りない映画になっているようにも思いました。やや惜しい印象。

まあちょっと比較対象(直近で言えばデッドレコニング)が強力すぎるので比べるのも気の毒ではあるんですが、とは言え真っ向勝負に見えるぐらい“それっぽい”スパイ映画になっているだけに、その分どうしても物足りなさは拭えず、「ミッション:インポッシブルとの予算の差を俺(ガイ・リッチー)の才能で埋めてやるぜ」と意気込むも判定負け、みたいな評価に落ち着きました。僕の中では。(それなりにいい勝負はしたのでKO負けではない)

でもその割に点数高くない? と思う方はまだまだなんプロ初心者だな…!(実際は初心者も上級者もいない無の空間)

この映画をフラットに評価するならまあ70〜75点ってところなんですが、そこはやっぱり我らがヒュー・グラントですよ。

もはやガイリチ作品も3作目、すっかりガイ・リッチー組としておなじみ感が出てきたおヒューですが、今作は一味違う悪役としてさすがの好演。素晴らしい見せ場も用意され、ファンとしては大満足です。

何度も書いていますが“ラブコメの帝王”だっただけに「ラブコメできなくなったら見る機会無くなりそうだな…」と恐怖していたのも今や昔、ガイリチ3作の他にも「マダム・フローレンス!」「パディントン2」にしてもそうですが、しっかり「ヒュー・グラントらしい役」で立ち位置を確保した感があります。噂では「ダンジョンズ&ドラゴンズ」でも良い役らしいので今から観るのが非常に楽しみ。

今作においても表向きの「親しみやすいイギリス人富豪」的なイメージと「怒らせたら怖いぞ」という裏の顔を彼らしく演じていて、その辺の一般人がどう思うかは知りませんが僕としてはウヒョウヒョ言いながら観ていたぐらい最高でしたね。

最近のおヒューについては以前から見ていたおそらく女性の「歳取ってガッカリ」みたいな声がよく目につくんですが、僕はむしろ今の方が観ていて楽しいし期待しています。本当に唯一無二の“妙なキャラ”が似合う人になったなぁと。

そんなことを再確認してくれただけに+10点でも少ないぐらいで、まあでも映画はそこそこだし今日はこれぐらいにしといたろ、って話ですよ。

また頼むで

気付いたらほぼおヒューの話で終わったわけですが。

なんか他の方のレビューでは「ステイサム最高ー!」みたいな声が多いんですが、僕は今作においてはステイサムはだいぶ大人しめに感じたしなんなら影が薄くないか? と思うぐらいちょっと物足りなかったですね。

物語を進める上で「いつも出てくる」主人公ではあるものの、どちらかと言うとチームメンバーの他の2人の方が見どころもあってよかったように思います。でもレビューを見る限りではステイサムファンの人は満足だったのかな…。

やっぱり僕にとってのステイサムはオイルでヌルヌルになってすべっていく爆笑王なので、もうちょっとぶっ飛んでてほしいというか…主人公として「敏腕スパイ、俺に任せろ」みたいなのはもったいなく感じました。

どっちかと言うと他に主人公がいて脇役で好き勝手やってくれる、みたいな方が面白そうですが、もうそのポジションの人でもないだろうし難しいところですね。

統括的なポジションのケイリー・エルウィスもまさかのデッドレコニングと両出演でびっくりしましたが、あちらと違ってちょっといい役で良かったね、という感じ。

まとめると、スパイ映画的には今ひとつ引っかかるところもあるもののヒュー・グラントが最高だからいい映画だよ、といったところでしょうか。(超極私的評価)

作品そのものとしては「ジェントルメン」の方が面白かったですが、とは言え「やりすぎガイ・リッチー」も出てこなかったし割と満足ではありました。

また頼むで。おヒュー使ってや。

このシーンがイイ!

ネタバレになるのでボカしますが、誰もがわかる「おヒューの見せ場」のシーンでしょう。当然あそこしかない。

ストレートに行かずちょっと段取り失敗しちゃう感じもめちゃくちゃいいですね。余裕が感じられて。あの1シーンだけで満足しました。

ココが○

ちゃんとスパイ映画するぞという作りは好きです。「U.N.C.L.E.」もスパイ映画だったけどあれはバディ映画の色が強すぎたので、改めて「ちゃんとスパイ」は評価したいところ。

ココが×

上に書いた通り、「ちゃんとスパイ」する以上はどうしてもトムクルさんの顔がチラついてきてしまうため、そこで比べられちゃって勝手に負けさせられる悲しい運命にあるようには思います。難しいですね…。

MVA

もちろんヒュー・グラント、と言いたいところですがもうかなりの昔に当ブログ唯一の殿堂入りしているので選出できません。そうしないと彼が出てくる映画は全部おヒューになっちゃうからね。

その他のメンバーもみなさん良かったので選ぶのには困らないんですが、一番良かったのは…この人かな。

オーブリー・プラザ(サラ・フィデル役)

ステイサムチームメンバーの一人。紅一点。

最初ちょっとコメディ色強すぎる役なのかなと思いましたが、なかなかどうしてしっかり魅せてくれました。

コメディ出身の方らしく軽い演技はお手の物だし、「超美人!」ってわけではないもののそれなりに紅一点的活躍もハマってたしで良かったですね。

ミッション:インポッシブルと比べるとこの人のキャラクターだけ違いが出ていたというか、いわゆる「綺麗どころのチームメンバー」とはちょっと違った活躍を見せる辺りにガイリチカラーが出ていてよかったのではないかなと思います。

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