映画レビュー0226 『愛と哀しみの果て』

BSより。タイトルだけは知ってたんですが、なんかメロドラマ風のタイトルに躊躇してました。せっかくダーターで観られるなら、と録画して鑑賞。

愛と哀しみの果て

Out of Africa
監督
脚本
カート・リュードック
原作
『アフリカの日々』
アイザック・ディネーセン
ジュディス・サーマン
エロール・トルビゼンスキー
出演
クラウス・マリア・ブランダウアー
音楽
公開
1985年12月18日 アメリカ
上映時間
161分
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

愛と哀しみの果て

貴族と結婚してアフリカに渡ってきた令嬢・カレン。農場経営に携わるもあまりうまく行かず、旦那も家を留守にしがち。そんな中、移住する際に知り合った男・デニスと段々親しくなっていき…。

去りゆく君は敗者ではない。

6.0

昨日はやたら長いレビューを書いちゃったので、反省はしていませんが今回は短く。(ただ単に書くことがないという噂)

あんなあらすじを書いといてなんですが、そのメロドラマ風タイトルから来る印象とはちょっと違う映画で、簡単に言えば「一人の女性の力強い半生を叙情的に描きました」という感じ。

もちろん、主軸になるのはロバート・レッドフォード演じるデニスと、メリル・ストリープ演じるカレンの恋愛ではあるんですが、むしろその後の展開が秀逸で。ありきたりな流れではあるものの、ラスト30分でカレンの人となりがよくわかり、信念を持った強い人だな、というメッセージが強く込められています。

去っていくかっこ良さたるやもう。男前です。(女だけど)

古い話を丁寧に描いていく映画なので、同じように2時間半を超える他の映画と比べても、前半戦はかなり退屈。元々僕自身が恋愛モノに興味がないせいもあるんでしょうが、「もっとかいつまんでくれよ」という思いが強かったのは事実です。

後半にしても、グワッと盛り上がってくるわけでもなく、潔いまでの強さで淡々とアフリカを去っていく、彼女の姿を描きます。

この映画でいきなりハイテンションになられても困るので、それはそれで全然間違ってないわけですが、ただグイグイのめり込むような特徴を持った映画ではなく、集中力を持続するのが難しい類の映画だとは感じました。

ですが、その最後の方の彼女の行動、周りとの関係性は、やはり長く描いただけあって濃密なものがあって、意外と結構泣いちゃいましたね。

どのセリフもひとつひとつ味わいがあるし、“間”も感情を高めてくれるうまさがあって。「味わい深い」という一言がピッタリの良作です。

が、そのために「前フリ2時間」かと思うと、なかなかそれはそれで観るのが難しい面もあります。ゼイタクになっちまったもんだぜ、チクショウ…。

このシーンがイイ!

最後の方、家財をまとめつつ、執事的な彼との会話。いいですねー。ベタですがこういう関係、好きです。

ココが○

舞台は20世紀初頭で、この時代にアフリカに渡って男顔負けの行動力で周りを惹きつけていく女性像、というのはなかなか他にない気がします。

差別やらなんやらを想像しがちなんですが、そういうものは一切無く、躊躇なく進む彼女の行動と精神性はなかなかの見所。

ココが×

まあやっぱり長いですよね。それに尽きます。2時間映画だったらもっと違った印象になった気もしますが…。

あとはやっぱり、邦題がよくない。

今時の安っぽい悪さではないですが、これはちょっとメロドラマ的すぎちゃうよなぁ。まあ、この時代はこういうタイトルが良かったのかもしれないので今言うのはフェアじゃない気もしますが…。

MVA

主要人物3人のうち誰にするかという話ですが、今回は。

メリル・ストリープ(カレン・ブリクセン役)

当時30代半ばですが、今の同年代の女性と比べると特に綺麗なわけでもなく、むしろおばちゃん臭が漂い気味なんですが、それでもやっぱり、「この役はこの人だな!」と思わせる説得力。

なるほどメリル・ストリープってこういう役者なのか、と妙に感心しました。こういう役、似合うなぁ。さすがアカデミー賞最多ノミネート女優だけあります。

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