映画レビュー0076 『ペーパー・ムーン』

今週最後の一本。

以前、「松本紳助」という番組でダウンタウンの松本さんが「好きな映画」を聞かれた時にこの映画を挙げていて、「松っちゃんが好きってどんなマニアックな映画なんかな」と思って観たら普通に良かった、という。そんな映画です。(どんな)

2回目の鑑賞。

※ジャケ絵のアディが空に浮いてるけど気にしないでね!

ペーパー・ムーン

Paper Moon
監督
脚本
アルヴィン・サージェント
出演
ライアン・オニール
マデリーン・カーン
ジョン・ヒラーマン
ランディ・クエイド
公開
1973年5月9日 アメリカ
上映時間
103分
製作国
アメリカ

ペーパー・ムーン

亡くなった恋人の娘を親戚の家まで送り届けることになったモーゼ。はじめは嫌々だったものの、いつしか本当の親子のような愛情が芽生えてくる…。

すべては一つのシーンに…。

9.5

いわゆる「ロードムービー」というやつで、二人で旅をしながらお金を稼ぎ、トラブルがあり、そしてラストという、言ってみればありきたりな流れ。

白黒映画かつ音楽もわずか、本当に地味ですが、表情豊かなアディが退屈さを感じさせません。

保護者となるモーゼも、古き良き時代を感じさせる軽さと詐欺師っぽい胡散臭さを見事に演じていて、主演二人のバランスが抜群。

それもそのはず。有名な話…というか名前を見ればわかりますが、モーゼ役のライアン・オニールとアディ役のテイタム・オニールは本当の親子。本当の親子がニセの親子を演じ、「いやー、これやっぱ本当の親子なんじゃないの? 」と思わせてくれる感じがウマイ。

ストーリーはいかにもこの時代っぽい、取り立ててどうこう、っていう話じゃないんですが、やっぱり監督が「あえて白黒にした」という映像といい、ラジオから流れる(舞台)当時の流行歌をBGMにする控え目さといい、「古い映画の安心感」というか、心地良い時間の流れを感じるような、穏やかな気持ちで過ごしたい夜に観るにはぴったりの映画です。

この映画をずっと流してるカフェとかあったら一発で気に入っちゃうと思う。そういう雰囲気の良さ、心地良さがこの映画にはあるなぁ、と。

きっと、不便で大変な時代なのはわかりつつも、大らかで誰もが人に対して優しかった時代に、懐かしさと羨ましさを感じる部分があって、そういう感情がいわゆる“郷愁”的な感情を呼び起こしてくれるんですね。じっくり味わいたい、味わい深い映画です。

ネタバレになるので詳しくは言えませんが、やはりこの映画は最後の“あのシーン”「ペーパー・ムーン」というタイトルを思い起こさせる場面にすべてがあると思います。あそこでもう、ぶわっと。

なんてことないはず…なんですけどね。あれはダメですよ。きちゃいますよ。

あれを持ってくるセンス、そして前フリのさりげなさ、本当にうまいなぁと思いますね。

「楽しかった!」っていう映画では無いけれど、心がほっこりできる、素敵な映画です。

ココが○

古い映画でしかも白黒なんですが、映像が(当時にしては)すごく綺麗なんですよね。

白黒だけに陰影が際立っていて、もしかしたらカラーだったらここまでいい映画と思えなかったかもしれない、というぐらいに白黒のイメージが映画にぴったりハマってます。ノスタルジックな印象を強める映像というか。

そういうノスタルジックな感情だったり、白黒という映像の質感だったりを考えると、この映画は絶対に夜観る映画だな、という気がしますね~。

ココが×

ストーリー上の必要性は認めつつ、やっぱり10歳前後の女の子がタバコを吸う姿はどうかなーと思います。

そういうのが大した意味を持たない、「寛容な時代だった」という演出というのもわかりつつ、単なるタバコ嫌いとしてはちょっと残念。

MVA

これはもうやっぱり、いまだに破られていない最年少アカデミー助演女優賞のこの方、

テイタム・オニール(アディ役)

ですよねぇ。

演技はいわゆる子役そのもので、そこまで抜きん出たものを感じるわけではないんですが、あの風貌と生意気そうな雰囲気にかわいらしさもブレンドした佇まいは、この時期の彼女が持っていた才能の一つなんだろうと思います。

あとはやっぱり相手役が実のお父さんだったことも大きいんじゃないかと。その後は問題続きの親子ですが、今一度頑張って欲しいと思います。

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