映画レビュー0296 『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』

劇場に映画を観に行く時の楽しみの一つが、本編開始前の予告編だぞっという人は僕を含めて結構いらっしゃるんじゃないかと思いますが、最近予告編を観ていてすごく思うのが、「“あのアリス・イン・ワンダーランドのスタッフが贈る”って多すぎねーか?」という問題。

もうハリウッドってアリス・イン・ワンダーランドのスタッフしかいないんじゃないか、逆に言えばアリス・イン・ワンダーランドは人使いすぎなんじゃないかという疑惑。僕はこれを「アリス・イン・ワンダーランドのスタッフが贈りすぎ問題」と呼んでいます。(そのまま)

まだ観てないのでいつか観ようと思うんですが。アリス・イン・ワンダーランド。

あと「白雪姫と鏡の女王」のジュリア・ロバーツのBBA化っぷりがひどい。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー

Patch Adams
監督
トム・シャドヤック
脚本
スティーヴ・オーデカーク
出演
ダニエル・ロンドン
モニカ・ポッター
音楽
公開
1998年12月25日 アメリカ
上映時間
115分
製作国
アメリカ

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー

精神病院に入院したアダムスは、同じ患者とのやり取りから人を救うことに目覚め、医学部に通って医師を目指すことにしたが、型にはまらない活動が問題を起こし続け、学部長から目をつけられてしまう。

作りもうまく、“らしい”映画。

7.0

ロビン・ウィリアムズ主演の、実話を元にしたいかにもな感動映画。

実際そういう感覚で観始めたんですが、「医師」という職業と、印象的なエピソードの内容から、思ったよりも「重い」部分のある映画で、結構考えさせられました。

自殺願望故に自ら精神病院に入院したアダムスは、病院内の医療体制への疑問と、患者たちとのやり取りから自己を再認識し、心機一転医師を目指すべく、大学に通い始めます。成績は優秀なものの、勝手に患者のところに行っては「楽しませる」行動が問題視され、いつもトラブルを起こす「問題児」として学部長からも疎まれてしまい、果たして無事卒業できるのか…という主に学生時代のストーリーが中心の映画です。

この手の映画、そして実在するパッチ・アダムスのキャラクターから、もはやこの人以外は考えられない、というほどハマっているロビン・ウィリアムズが主演。

この人の、特に90年代の映画はもうどれもこれも「ザ・ロビン・ウィリアムズ」という感じで、既視感が無いといえば嘘になるんですが、それでもやっぱり「いやー、この役はこの人しかできないな」と毎回納得させられるのがスゴイところ。この映画もまさにその感じで、既視感はあれど飽きるわけでもなく、どっぷりロビン・ウィリアムズのヒューマニスティックな演技を堪能できます。

この映画はテーマが「医師」なだけに、医療のあり方、医師の志、患者の人間性…といろいろ考えさせられる面はあって、お決まりですが医師を志す人には必ず観て欲しいと思うような映画です。

が、かと言ってワレワレ最下層の一般人たちが観る意味が無いのか、というと当然そういうわけでもなく、良くも悪くも“こなれた”作りのおかげで、テンポも良く、しっかり押さえるところは押さえながら「ああ、いい話だな」と感動できる映画です。

一つだけ、予想外な出来事がありましたが、それがまたベタになりがちな話を引き締めていたようには思います。(ここは実話ではないみたいですが)

ただ、「この手の映画」というのは観る前から大体想像がつくものですが、その想像から突き抜けたポイントがあるのかと言うとそこまでではなく、これまたいかにもハリウッドらしい、“うまいんだけど挑戦していない”、無難な映画という感じは受けました。

結果的には、ちょっとイジワルな言い方をすれば、ロビン・ウィリアムズのパワーに頼った「実在する人物のお話です」ということのみがウリの映画で、何が何でも観ないとあかんで! というタイプの映画ではないです。

ただこれまた当然のごとくちょっと涙を流しながら考えてたんですよね。

この手の実話ベースの感動話、っていうのは、本当に大体展開が読めるわけですよ。少し前に観た「幸せのちから」なんかもそうですが、やっぱり当然ながら、バッドエンディングは無いわけです。それでも(批判的な意味ではなくて)こういう映画は無くならないし、わかってても観ちゃうんですよね。それってなんなのかな、と。

思うに、やっぱり「努力は報われる」、という至極真っ当な話に希望を見出したい、と思う人がすごく多いからなのかな、と。

これは裏を返せば、「努力しているけどいい事無い」とか、「努力は報われると信じなければ人生をがんばれない」という、虐げられているような気がしている人が多い、ということなのかな、と。

つまり、一般人の大多数は“報われない”人たちで、でもいつか逆転できることを信じながら、夢を見るためにこういう映画があるのかな、っていう。や、全然的外れかもしれませんが。

ただ、僕自身もそうですが、やっぱり大多数の人間は夢なんて諦めて、現実に適応しながら生きていく道を選択していると思うので、そういう人たちが「信念を持って信じる道を行ける素晴らしさ」を励みに、少しずつ自分の人生を考えていくための“エサ”になるのがこういう映画なのかな、とふと思いました。

少しずつでも心に火を灯し続けることの大切さを教わるという意味で、たまーにでもこういう映画は観た方が、“冷え切らない”ためにも大事なのかなと思います。

なんだかちょっといい話風になってしまいましたが、でも実際はこの後ちょっとエロいサイト見て回ろうかな、とか思ってたりするので騙されないでくださいね。

このシーンがイイ!

崖での蝶かなぁ。やっぱり。あれも「ベタだなぁ」と思いつつ、でもやっぱり感動しちゃうんですよね…。

フィリップ・シーモア・ホフマンが頼るシーン、あれも好き。

ココが○

パッチ・アダムスが考える医療、目指す方向性というのはすごく共感できるし、今の医療に対する問題提起としてはかなり意味があると思いますが、そういう人が実在している、というのはすごいなぁと単純に感心しちゃうし、それを世間に浸透させた、という意味ではこの映画自体にかなり価値があると思います。

考え方を知る、というだけでも観る意味はあるように思います。

ココが×

本編に書いた通り、作り方がすごくこなれている分、物語の裏にある「語られないもの」を考えると、気になる部分はありました。

“勢い”というほどではないにせよ、うまく語りすぎずに話を回しているだけに、ちょっと綺麗に仕立てすぎてるかなぁ、という気はしましたね。

MVA

ロビン・ウィリアムズはもうハマりすぎで文句無し、逆に選ぶのもつまらないってことでコチラの方に。

モニカ・ポッター(カリン・フィッシャー役)

物語上はかなり重要な役割を担う、アダムスが惚れる女性。芯の強そうな表情と、ツンデレ(ややツン強め)な雰囲気がスバラシイ。

単純に綺麗だなーと思いました。医学系目指しそうな知的な雰囲気があって。スカーレット・ヨハンソンをもっと知的にした感じというか。

あとフィリップ・シーモア・ホフマンもやっぱりイイ。やっぱりこの人出てるといろいろ締まりますね。登場シーンも時間も長くないんですが、どのシーンも意味があって印象的でした。

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