映画レビュー0285 『宇宙人ポール』

今日ご紹介のコチラの映画は、つい最近なので覚えてる方も多いと思いますが、劇場公開時に「宇宙人含めた3人以上のグループは1,000円で観せてやるよ」というキャンペーンをやってました。

こういうアイデアいいなーと思ったんですが、宇宙人どうこう以前に一緒に映画に行く人間があと2人確保できない、というロンリーファクターにより断念したのは記憶に新しいところです。

宇宙人ポール

Paul
監督
脚本
音楽
公開
2011年2月14日 イギリス
上映時間
104分
製作国
イギリス・アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(ブルーレイ・TV)

宇宙人ポール

オタクのイギリス人二人組・グレアムとクライヴは、初めてのアメリカ旅行でカルト的スポット巡りをしている最中に自動車事故に出くわし、現場に行くとそこには宇宙人がいて…。

ありそうでなかったフランクな宇宙人のキャラがナイス。

7.0

テーマがテーマだけに、宇宙系SF映画のオマージュ的なものが結構散りばめてあったらしいんですが、残念ながら僕はほとんど観たことがないので、基本的には「まっさら」な状態での鑑賞です。

コレ、宇宙映画好きな人にはもっと楽しめたんだろうなぁと思いつつ、でもいかにもなコメディ、いかにもな結末で面白かったです。

ちょっとしたいざこざで追われるように車を走らせるオタク二人が、後ろから来る荒っぽい運転の車を「さっきのヤツらじゃね…!」とビビっていたところ、追い越していった直後にその車が派手に転倒、心配して現場を覗くとタバコを吸う宇宙人が…!「逃げないと殺されちゃうのよ」とフランクなコイツを連れて、成り行きで彼の目的地まで乗せていくことに…というお話。

ありそうでなかった(?)「宇宙人がやけに普通で一緒に旅をする」シチュエーションのコメディですが、途中途中でちょっとした出会いがあって、「バレたらヤバイから」と車に乗せて旅を続ける、ちょっとしたロードームービーっぽい要素もあります。以上説明オワリ。

実はポールが出てくるまでの序盤戦はあんまり乗れない感じで、ちょっとポイントにズレを感じたりもしました。わかりやすいB級っぽさもあったし、そのポジションを狙ってるんであろう感じもあったので、ちょっと狙いすぎに行かないといいけど…という不安があったりして。

ただ、ポールが出てきてからはもうノンストップというか、飽きずに一気に観られましたね。普通に面白かった。

このポールのキャラクターが結構絶妙というか、本当に普通の兄ちゃん的な感じで、エライ悟ってるわけでもなく、お高く止まってるわけでもなく、適度にデリカシーもなくていい感じ。「見られたらヤバイ」くせに一緒に踊ったりとか、なんというか細かいところを気にしない感じが「男」っぽくてイイ。

「永遠の親友だ」なんて言ってましたが、実は彼が宇宙人なだけで、男2人にもう1人加わったロードームービー…と言えなくもない感じがいいですね。

そう、おそらくこれはロードームービーなんだと思う。

コメディ色が強くてごまかされがちですが、きっと描きたかったのはロードームービーじゃないかなぁ。一風変わったロードームービー。途中で女性が混ざったり、追手がいたりも定番だし、何気にロードームービー好きにもオススメしたい映画です。

惜しむらくは、「宇宙人が普通で一緒に旅をする」というポイント以外は基本に忠実すぎるかな、という意外性の無さ。悲しいかな結構映画を観ていると、「あ、これ後で出てくる伏線っぽいな」とか、「コイツはきっとこうなんだろうな」とか、意識しなくても読んじゃう部分があって、そしてそれがそのまま反映されちゃうという。

基本線がコメディだから全然いいんですが、これがもっと感動狙いの映画として作っていたとしたら、それがアラになっちゃってもったいないな、ってなりそうです。欲を言えばもう一ひねり、欲しかったかな…。

とは言え、多少下品ではあるものの、エログロ的な問題がある映画でもないので、割とそれなりの大人だったら誰でも楽しめる映画に仕上がってるような気がします。

強烈にオススメはしないけど、軽くなんか観たい時とかにはかなりいいんじゃない、的なポジション。特に何も残りませんが、観て損した感は無い映画というか。

このシーンがイイ!

エンディングは結構好きですね。これもまた珍しいものではなかったんですが、きちんと「その後」を見せてくれて、しっかりエンドロールに入る感じ、好きです。

あとはポールがケツ出してるところとか。ケツ出しってもうベタすぎるけど「やっぱおもしれーな、バカ過ぎる」って嬉しくなりますね。

ココが○

ポールのキャラクターが一番、じゃないかなぁ。本当に普通過ぎて拍子抜けするほど普通のヤツで、身近な感じがイイ。

あとは短めの上映時間なので、そういう意味でも気軽に観るのに最適。

ココが×

これもまた定番の指摘になりますが、大麻の扱いが軽い。

何度も書いてますが、こういう軽い扱いだとバカが勘違いするので、もう少し影響力を考えて欲しいなぁ、と。別に必須なシーンでもないと思うし。

MVA

もう途中の時点でこの人かな、と思いました。

ジェイソン・ベイトマン(ゾイル捜査官役)

一人だけシビアで、引き締まるんですよね。この人が出てくると。

最終的な役割は別としても、このポジションの人はこういう映画には大事だなぁ、と。

ただそれよりも、最後まで観てエンドロールで初めて「なに! サイモン・ペグだったのか!」と気付いた自分の節穴ぶりが泣けました。あまりに節穴すぎるなと思ったので、「もしや途中のチンピラもニセマット・デイモンっぽいフリして実はモノホンか…!」と思ったらそんなこともなく、ダブル節穴。

ちなみに煽りの果てに登場した最後のボス、思いの外ババァになりすぎてて誰かわからんかったwwww(ひどい)

自分の節穴ぶりが際立つ一品でした。まる。

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