映画レビュー0993 『サミットに乾杯!』

これを書いている今は4月頭なんですが、この週はトルコ映画が10本配信終了になるということでじゃあどれか観てみるかな、と選んだこの1本、仕事終わりの夜に鑑賞しました。

サミットに乾杯!

Pek Yakinda
監督

チェム・イルマズ

脚本

チェム・イルマズ

出演

チェム・イルマズ
テュリン・オゼン
ザフェル・アルギョズ
オズカン・ウール
オザン・グヴェン
Çaglar Çorumlu
ジェンギズ・ボズクルト

音楽

ジングル・ハウス

公開

2014年10月2日 トルコ

上映時間

134分

製作国

トルコ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

サミットに乾杯!

全然ノレない序盤からなんだか段々面白くなって来る謎映画。

6.5
海賊映画業者が離婚回避のため起死回生の映画製作に乗り出す
  • 愛する妻と別居中の旦那がプロデューサーとして映画製作に乗り出す
  • 友人やご近所さん、因縁の大スターたちを巻き込んでなんだかんだ撮影は進むが…
  • トルコ事情に疎いとなかなか理解しづらい背景がある模様
  • 登場人物全員キャラ濃すぎ

あらすじ

この映画はもう本当に前半は(ちゃんと観てるんだけど)内容がまったく全然入ってこなくて、まったくピンと来ずに結構寝落ちしかけるぐらいの危険な状態で観ていたんですが、登場人物みんなクセが強いのが段々ハマってきたのか…徐々にただ観てるだけで面白くなってきちゃって結果そんな悪くなかったな、みたいな。

決してオススメはしないし面白かったとも言えないんですが、ただなんかいかにも「見慣れてない国の映画を(困惑しながら)観る新鮮さ」があったのも事実で、たまにはこういうのもいいかもしれない…と思いましたが絶対他のメジャーな映画を観といた方が良かったです。

なお出回っている情報が極端に少ない映画のため、(昨日観たばっかりだけど)登場人物の名前等思い出せないし背景もいまいち理解してないのでいつも以上にいい加減なレビューになります。

主人公のザファールさんは元々俳優志望だったようですが、若い頃にエキストラ出演した映画でエキストラ仲間にそそのかされたために余計なアドリブをかましたことで解雇、夢やぶれて今は海賊映画業者として暮らしているようです。

ただ当然「海賊」ということは違法業者なので、今は別居中の愛する奥さんときちんとやり直したいと考え、物語冒頭で退職する…はずが(多分)社長の兄貴に翻意するよう説得され、アバターのような映画を撮れ的なことを言われます。

もうね、この辺がまったく意味わかんないんですよ。早速。海賊業者ってことはソフトのコピー販売なんだろうと思ってたら「お前が作れ」みたいな話になってるし、でもあとで「アバター2手に入れたんだろ!?」って脅されたりするし。

でまあ渋々受け入れたザファールですが、帰りにオフィスの隠れ蓑的なレストランで食事していたところいきなりガサ入れが入って兄や同僚が逮捕され、やむなく撮影小道具屋さん的な友人の部屋へ泊まりに行くと、テラスの向かいで一騒ぎが。

自殺してやるー! と騒ぐ爺さん、なんでも映画監督らしく、長年温めていた脚本を持って今すぐ死んでやるぞと。この辺もなんで死のうとしてたのかとかサッパリなんですがひとまず自殺を阻止することに成功、爺さんが持ってた脚本を読んだ(映画に詳しい)ザファールは「なかなかいい台本だ…!」ということでこれを撮影することに決めます。

彼がよりを戻したい奥さんは女優さんなんですがイマイチ鳴かず飛ばずのようなので、ここで一発彼女を主演女優として(内緒で)起用し、自分が“ちゃんとした”仕事(映画プロデューサー)についたんだぞというアピールと、映画の主演女優になれたという喜びによって自分の方に戻ってくるんじゃないか…という作戦のようです。

しかし当然スタッフは素人同然なのでトラブル続き、果たして無事映画は完成されるのか、そして奥さんは戻ってくるのか…というお話です。

ついていけないまま進むしんどさ

えーと…本当に序盤は「????」な状態で、映画作ることになった経緯もよくわからないし、「アバター2」の海賊版の話もよくわからないし、自殺しようとしていた監督のいろいろもよくわからないし、「これもしかして前作があったりするのか??」と思うぐらいに「共通前提があった上での話」のようにいろいろ進むのでまー最初はしんどかったです。本当にちんぷんかんぷんで全然何を言ってるのかサッパリ。

これはもしかしたら字幕の質の問題なのかもなぁと思いながら観てました。もちろんちゃんと訳して字幕をあててくれているのはありがたいんですが、ただなんとなく…直訳ばっかりで文脈がない字幕に見えて、おかげでまったく頭に入ってこないんですよ。これトルコ語なんだろうか。サッパリわかりませんが。

いかにも笑わせに行ってるようなシーンでも何が決まったのかサッパリわからないし、フリもないからいきなりズドンとネタを放り込まれてこちらは困惑するばかり、いや一体何を観せられているのか…とかなりついていくのがつらい映画でした。

展開が早いと言う感じでもないんですよね。客を乗せる前に走り出した電車なのにみんな乗ってる前提で話が進む感じ。これはなかなかきつかったです。本当に。面白くなるのかなぁ…ってずっと不安で。

不思議と面白く感じられる後半

ただきっかけは特に無いんですが、半分以上過ぎてから段々「なんか面白いなこの人たち」って思い始めてきたんですよね。

主人公はただのオッサンなんですが、彼はまだ全然常識人と言うかまともな方で、その仲間たちがとにかくキャラが濃い。

監督のオカマ風爺さんもそうだし、その恋人らしき(この辺もまったくそれらしき情報が出てこないので単なる勘ぐりです)月亭方正激似の男にしてもそうだし、監督が連れてきた前妻のアル中女優もすごいし、客寄せパンダ的に連れてこられた主人公と因縁のあるスターにしてもそうだし、とにかく普通の人がいない。全員クセがありすぎる。

そんな連中がなんかやってるな、ってだけでもう面白くなっちゃって、おまけに最後はなかなか面白い終わらせ方で〆てくれたので妙な満足感もあり、結果「なんなのこの映画!?」っていう。いや不思議な体験でしたね…。

妙に印象に残る映画

評価もご覧の通りなので総評としては大して面白かったわけでもなく、何より「みんなご存知でしょ」と言わんばかりに登場人物のアレコレがまったく語られないわかりにくさもあって、決してオススメできる映画ではないんですが…ただおそらく「あーまあ無難に面白かったな」と思える8点程度の映画よりも全然頭に残るような気がしてます。

面白いわけじゃないんだけど軽く衝撃を受けたというか。「何を言ってるのかわからない変な人」を見た時に近い感覚かもしれません。話としてはそんなに不思議なものでもないのに、観ているこっちの理解が追いつかないからすごくちぐはぐな不思議体験として心に刻まれたような感じ。

それは決して嫌なものではないので、やっぱりいろんな国の映画を観るというのも大事なんだろうな、と改めて思いました。このあと普通にアメリカの映画観たら理解のしやすさに泣いちゃいそう。

このシーンがイイ!

エンディングの作りは良かったですね。

おそらくこの記事を読んだ人でこの映画を観る人は一人もいないとは思いますが、ネタバレ回避のために詳細は触れないでおきます。ただ良いエンディングでした。

ココが○

まあとにかく皆さん個性豊かでね…。見た目がいいのは奥さんぐらいで、あとはみんなキワモノですよ。どっちかと言えば。

このメンバーで映画作っちゃうんだもの。降参ですよ。こんなの。

ココが×

あらゆる部分でわかりにくいというのもあるんですが、もう一つ書いておきたいのは邦題がまったく意味不明ですよね。なんでこんな邦題にしたんだか…。

普通「サミット」って言われたら首脳会議かスーパーしか浮かばないでしょ!? 実際はこの「サミット」というのは登場人物たちが撮影に勤しむ映画のタイトルなんですよ。でもそれが(少なくとも字幕上で)わかるのって最後なんですよ。なにこれ!?

ちなみに原題は「近日公開」、いわゆる「Coming Soon」ってやつです。それでよくね!?

MVA

いやほんとに皆さん曲者揃いでね…良かったんですがぶっちゃけ誰でもいいかな、みたいな。

ということで一応選びます。この方。

オザン・グヴェン(ボーレイ役)

役名も正しいか不明ですが、客寄せパンダとして招かれた大スターさんです。

コメディ的にも人情的にも一番いいポジションを担っていたような気がします。実は結構良いやつだし。

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