映画レビュー1125 『ピッチ・パーフェクト2』

ウォッチパーティで観た1作目が思いの外良かったものの2作目はU-NEXTのみ、やむなく近くのTSUTAYAに借りに行ったら置いてないという惨状を経てネトフリにやってきたので観ました。やったぜ。

ピッチ・パーフェクト2

Pitch Perfect 2
監督
脚本

カイ・キャノン

原作

『Characters created』
カイ・キャノン

『Pitch Perfect: The Quest for Collegiate A Cappella Glory』
ミッキー・ラプキン

出演
音楽
公開

2015年5月15日 アメリカ

上映時間

115分

製作国

アメリカ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

ピッチ・パーフェクト2

笑いパワーアップ、歌はややダウン。

8.5
エイミーのやらかしにより大逆風の中、今度は世界大会へ
  • 前作同様、歌とステージの良さはありつつコメディ感はパワーアップ
  • 前作からのキャラクターを活かしつつ新入生も加入する正統派続編
  • ベッカの夢とアカペラとの兼ね合い、エイミーの恋等引き続き青春映画感もあり
  • 歌はやや減って物足りなさも

あらすじ

と言うことで続編です。

実はこのレビューを書いている段階ですでにこの後の3作目も鑑賞済みなんですが、僕としてはどれも面白かったものの一番笑ったのはこの「2」でした。とは言え何を評価基準にするのかによってどれが良いかは好みが分かれそうではあります。

前作にて全米王者となったバーデン・ベラーズ。今作では冒頭でオバマ大統領(当時)のお祝い式典に招かれパフォーマンスを献上するほどにまで名声を得ていますが、しかしそのステージで太っちょエイミーがまさかの御開帳により会場大パニック、事件の責任を取る形で以降はすべてのアカペラ大会への出場が無期限停止となってしまいます。

ですが…前年覇者として参戦する予定の「アカペラ世界大会」のみは出場可とのことで、ベラーズを率いるリーダーのベッカ(アナ・ケンドリック)は世界大会での優勝を条件に復活への足がかりを得ます。

とは言え世界大会では優勝したことのないアメリカ勢、圧倒的なパフォーマンスで優勝候補と目されるドイツ代表のダス・サウンド・マシンには子どものようにあしらわれ、前途多難。

果たして彼女たちは世界大会にて汚名返上なるんでしょうか。

何を重視するかによって評価が分かれそうな続編

前作をご覧の方はご存知の通り、「バーデン・ベラーズ」はバーデン大学(架空の大学)のサークルのため、部員の入れ替えが発生します。

前作にて強烈なインパクトを残したスパルタの“ゲロ部長”オーブリーは卒業し、変わって主人公のベッカと前作から引き続き残っているクロエブリタニー・スノウ)の2人が共同部長になり“新生バーデン・ベラーズ”を率いているようです。

エイミーはもちろん、その他のメンバー(性に奔放なステイシーや謎のアジア系リリー等)も引き続き参加する中、今作では新入生として母親もベラーズの一員だったエミリー(ヘイリー・スタインフェルド)も加わってより強力に…なるのか!? 的なベラーズの面々、相変わらず歌は素晴らしいものの笑わせてくれます。

また男性陣(トレブルメーカーズ)の面々も引き続き登場し、いかにも正統派な続編として安心して観られる内容になっていると言っていいでしょう。

ベッカの夢である音楽プロデューサーへの道も同時に描かれ、「ベラーズと就活の2方向作戦」的な映画でもあります。それはつまり両立への悩みという側面もあり、「ベラーズ命」のクロエと「ベラーズはあくまでステップ」的に考えているドライなベッカとの対比を描くことによって笑いの中にほんのりスパイシーな苦味を加えているとかいないとか言う噂です。

歌のシーンについても相変わらずレベルは高く、また定番の対決シーン(リフオフ)もあります。ただ、やはり続編故か…「ガッツリ歌いまくり」だった(印象がある)前作よりは少し歌のシーンも減り、より物語の方に軸足が移っているような印象がありました。その分前作と比べると物語は面白く、歌は弱くなっているかな、と。

僕は前作に関しては「歌は最高だけど物語は超ドベタな青春映画」という評価なので、その「超ドベタ」なところから脱出してオリジナルな物語に踏み入れていっている点でこっちの方が好きなんですが、ただこのシリーズの最大のウリであるアカペラという点では劣っている…ということで最初に書いた通りどこを評価するかによって好みが分かれそうな続編だな、と。まあどっちも面白いんだけど。

誰でも気楽に楽しめる

まあもうあとは観てください系ですよ。おなじみの。

ことさらにあれこれ説明するような話でも無いですからね。歌のパワーとコメディのパワー両方もらってニッコニコで良いじゃないですか。

万人向けかつ気楽に見られる良作という視点で言えば、このシリーズはかなり高ポイントを叩き出しているシリーズではないかと思います。特に複数の女性主人公シリーズでここまで成功しているのもなかなかレアな気がするし。

何気にエリザベス・バンクスが監督としても優秀なところがわかっちゃうのもポイントですね。この人役者としては少し頭が弱そうな役ばっかりな気がして少し気の毒に思っていたので、別の顔を見せるという意味でも良かったんじゃないかなーと適当なことを言って終わります。よろしくどーぞ。

このシーンがイイ!

当然ながらラストのステージはとても良かったんですが、しかし一番は…焚き火を囲んでみんなでしんみり良い話をした直後のあのシーンですね。普通に声出して笑っちゃったよ…。

ココが○

テンポよくコメディとしてもレベルの高い映画ですが、そこに前作同様に素晴らしいアカペラが入ってくるわけで…そりゃあ面白くないわけがない。

ココが×

詳しくはわかりませんが、実は「リフオフ」はしりとりになっていないとダメというルールらしいものの今作(ついでに言えば次作も)のソレはその条件を満たしていないようで、その辺り前作の方が完成度が高かったのかなぁ、とか。純粋にシーンとしても前作の方が良かったし。

MVA

ぶっちゃけやっぱりレベル・ウィルソンの存在感が強すぎる映画なんですが、しかし連続で選ぶのも芸がないし…でもチームが良い映画だから個別にこの人が良いなとかもあんまりないし…と言うことで消去法的にこの人にします。

アダム・ディヴァイン(バンパー・アレン役)

トレブルメーカーズ前部長、今作ではバーデン大学の警備員。歌うシーンももちろんあります。

前回の「ファイナル・ガールズ」でも書いたようにこの人チンコ野郎の役ばっかりなんですが、今作ではそこから少しだけ等身大感のある役柄でいつもより良かったなと。

ただ普通に考えればアナケンかレベル・ウィルソンかだと思いますけどね。なんとなくこっちにしました。

余談ですが大体そっくりさんを使う(当時の)現職大統領ご本人が出てきて結構驚きました。さすがリベラルだな、みたいな。

でもあれ一瞬だったしやっぱりそっくりさんだったのかな…?

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