映画レビュー0709 『PK』

レンタル4本目。

これねー、本当に劇場に行きたかった映画なんですが、気付いたときにはもうそこそこ遠いところでしかやってなくてですね…。泣く泣くレンタルまで待ちました。

あの「きっと、うまくいく」の監督&主演コンビのインド映画です。

PK

PK
監督
脚本
ラージクマール・ヒラーニ
アブヒアット・ジョシ
出演
アヌーシュカ・シャルマ
スシャント・シン・ラージプート
サンジャイ・ダット
サウラブ・シュクラ
音楽
アトゥル・ゴガヴァル
公開
2014年12月19日 インド
上映時間
153分
製作国
インド

PK

ある日地球に降り立った謎の宇宙人は、首から下げていた宇宙船のリモコンを盗まれてしまい、故郷の星に帰れなくなってしまう。困った彼は行く先々で人々に助けを求めると「神様にお願いしなさい」と言われ続け、そのために何度も神様と会おうと試みるが当然叶わず、「神様を探しています」というビラ配りを始める。そんな彼と知り合ったテレビジャーナリストのジャグーは彼の活動をニュースにできると考え、詳しく話を聞こうと彼に接近する…。

またもやってくれました大傑作!

9.5

「きっと、うまくいく」はこれまでの自分の中の映画観をぶち壊すというか…全力の熱意でボコボコにされる気持ちよさみたいなものがあってインドすげぇと思わされる大傑作だったんですが、その監督と主演がタッグを組んだということでハードルも上がりきった状態で観たところ、第一の感想としては「インドすげぇ」という。

もうね、ほんとにインドすげぇとしか言えないんですよ。なんなの? マジで。

いわゆるボリウッド的なダンスシーンも当然出てきますが、これがまた気持ちいいんですよ。最初に出てくるダンスシーン、メインはおっさんですからね。もう。でもそのおっさんが伸びやかボイスで超いいんですよ。当然集団ダンスも気持ちいいし。

なんなんですかね、ほんとに。インド映画って。最高でした。久々に結構泣かされました。

「PK(ピーケイ)」とは主人公である謎の宇宙人の呼び名なんですが、意味としては「酔っぱらい」とのこと。要は「こいつ何言ってんだ? 酔っぱらいか?」ってな感じで「PK」と呼ばれ続け、「みんな僕のことはPKと呼んでる」という感じで呼称として定着しましたよと。

彼が地球にやって来た目的は不明ですが、到着早々に宇宙船のリモコンを盗まれてしまい、やむなくリモコン捜索の旅に出ることに。

彼の星ではいわゆる会話(言語)による意思疎通はなされていないらしいんですが、なんとか悪戦苦闘の結果、地球の(というかインドの)言葉を覚え、行く人行く人にリモコンを探している旨を伝え続けるものの、「それは神様にお願いしなさい」と…まあめんどくさいから的に体よく流されちゃうわけです。神様に託すっていうのはお国柄もあるんでしょう。ただ当然ながらPKはそんな事情も知らず、また「嘘をつかない」宇宙人という特性から疑うこともせず、今度はリモコンを手に入れるためにひたすら神様を探し続けます。ですが当然神様なんて見つかるわけもなく、「神様がいない! 知ってる人は教えて!」とビラ配りをしていたところ、今作のヒロインであるテレビジャーナリスト的な女子・ジャグーと出会います。

ジャグーは彼の活動が「ニュースにできるかもしれない」と興味を持ち、彼に話を聞いていくうちにその視点の面白さと正しさに感化され、それをテレビに乗せることでやがて世論を巻き込んでのムーブメントが起こる…というようなお話になっています。

まず最初に書いておきますが、「きっと、うまくいく」でもそうだったように結構前フリが長めです。この映画でもインターバルが挟まるんですが、そのインターバルまでは明らかに前フリで結構退屈。「多分そうだろうな」と思いつつもお昼ご飯後に観てしまったせいで眠くて眠くて一度中断したことをゲロっておきましょう。

だが、しかし…!

後半から終盤の前フリ回収のターン、そして怒涛の展開にはまたも舌を巻く引力がありました。インドすげぇ。

純粋な疑問から今の宗教の矛盾を突き、「かけちがい」という言葉をキャッチフレーズのようにして世間を巻き込むダイナミックな展開力は素晴らしいの一言。

そしてベースはSFコメディでありながら今回も相変わらず恋愛ありまさかのサスペンス的な思い切りの良い展開ありさらにヒューマンドラマっぽさもあればミュージカル感ももちろんあるしなんなら社会派の要素もまとっているという、とにかく楽しませようとするぎゅうぎゅう詰めの娯楽感がたまりません。

今回もまた伏線の張り方・回収の仕方もお上手だし、序盤の前フリ感を除けばやっぱり試合巧者感がインドすげぇ。

震えましたね。またも。

うおおおおおおおおお! って。インドすげぇぇぇぇぇぇぇ!! って。

やっぱりアメリカともイギリスともその他ヨーロッパとももちろん日本とも違う、ものすごいエネルギーのあるこの感じ、なんなんでしょうか。

筋を思い返せば普通な気もするんですが、ただものすごく純粋な目線で見事にかつ大胆に展開されるので、先読みとか裏読みをさせない勢いがあるんですよね。本当に他にない感覚の面白さだと思います。

特に今作は「誰もが頭の隅で思っていたようなことなのにあえて考えに乗せない」ような、誰もが気付いていそうで気付いていない絶妙な着眼点をビシっと突いてくる鋭さが気持ちいいです。これを普通の人がやるとまた違うんでしょうが、そこで「嘘をつかない純粋な宇宙人」という設定がまたすごく活きていて、だからこそなんでもアリっぽい展開でも腹にストンと落ちるという絶妙なアイデア。

いやー、ほんとすごい。この監督。2作もこんな映画を作っていただいて感謝しかないですね。

「きっと、うまくいく」が良かった! という人は間違いなく今作も楽しめるでしょう。いかに視点を変えて物事を見ることで得られる“気付き”が大切かを教えてくれるという意味でもすごく勉強になる映画でもあったし、このレベルの映画はなかなかお目にかかれるものではないので、鑑賞を終えた後は本当に興奮して嬉しかったです。

良い映画だ、これは…。超絶オススメ!!

ネタバレのお話

このシーンがイイ!

これはやっぱり…クライマックスとなる生放送(?)のシーンでしょう。もう全然そのつもりで観てなかったんですが、気付けばオイオイと泣いていました。インドすげぇ。

ココが○

んー、なんなんでしょうか。正直よくわかりません。一つ一つ拾えば、別に珍しい話でもないんですよ。でもすごく刺さるんですよね。観ている人を映画のフィールドに引っ張ってくる技術力の高さ、なのかなぁ。

普通なら「はいはい、そのパターンね」とか「よくある流れだなぁ」とか思っちゃうような展開でもそう思わせない勢いと、観客を純粋にさせる魔法のような不思議な魅力があります。本当にインドすげぇ。

そして観客にもハッと気付かせる価値観の出し方もうまいし、まあやっぱりインドすげぇ。

ココが×

眠くなっただけあり、やっぱり序盤の前フリ感はどうしてもあると思います。もちろんそのフリが大事なのは最後まで観ればわかるんですが、当然始まってすぐは全容が見えていないだけにややついて行きにくい部分があるので、その辺を考えるとどうしても「最初は我慢して観てね」と補足がついちゃう感じ。

あとインド人カーセックスしすぎじゃない?

MVA

今回のアーミル・カーンは宇宙人という設定故か、かなり顔を作った演技が続くのでちょっとクセがある感じがありました。

まあそんなの関係なくですね、今回はこの人しかいないぞと思ったわけですが。

アヌーシュカ・シャルマ(ジャグー役)

今作のヒロイン。

完全にまぶたに目を描き込んだ小雪にしか見えなかった「きっと、うまくいく」のヒロインとは違ってものすごくかわいい!!

一昔前のキャメロン・ディアスっぽい雰囲気もありました。インド人女優というとちょっとメイクが濃い印象が強いんですが、この方は良い感じに今風のメイク感があって、さらにおっぱいも大きそうだというオプション付きで文句なし。いやほんとかわいかった。

明るさと健気さとちょっと強気な雰囲気、全部パーフェクトで素晴らしかったですねインドすげぇ。

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