映画レビュー1107 『プロジェクトX』
本日のアレはこちら。アレだよアレ。ネトフリ終了間際シリーズだよ。
プロジェクトX
ニマ・ヌリザデ
マット・ドレイク
マイケル・バコール
マイケル・バコール
トーマス・マン
ジョナサン・ダニエル・ブラウン
オリヴァー・クーパー
ダックス・フレイム
マイルズ・テラー
カービー・ブリス・ブラントン
ニコール・オコナー
アレクシス・ナップ
2012年3月1日 オーストラリア・ニュージーランド・オランダ
87分
アメリカ
Netflix(PS4・TV)

内容半分でいい。
- いわゆる“負け組”男子の誕生日パーティでDT卒業しようぜと画策するが…
- 誰彼構わず誘ったところ妙にバズってしまい陽キャたちが大集合
- バカ騒ぎフェーズが長すぎて飽きてくる
- マイルズ・テラーの無駄遣い
あらすじ
「お!バカんす家族」のときに反省しながらもまたもどうでも良い映画を観てしまい、より一層猛省する次第です。
まず映画冒頭で仰々しいテロップが流れます。
“この物語はフィクションで監視の下に演技を行っています。物語で出てくる演技は絶対にまねしないでください。
ワーナー・ブラザーズはこの映画の制作を支援してくれた方々に感謝を表します。そしてパサデナ市の住民と警察署の方々には多大なご迷惑をおかけして本当にすみませんでした。”
という前フリでさぞや期待されますが、別に普通のコメディです。特にモキュメンタリーっぽいわけでもなく。
目立たない“負け組”高校生のトーマスはまもなく誕生日。
女抱きたいぜ欲のみでこの誕生日を利用しようと目論むトーマスの友達のコスタとJBは、ちょうど両親がいなくなるのを良いことにトーマス宅でパーティを計画。学内のあらゆる生徒たちに「今晩トーマスの誕生日パーティやるから来て!」と告知しまくります。
結果、聞いた生徒たちが想像以上に広めてくれたおかげで彼らの想定以上に参加者が集まってしまいます。
もはや3人で事態を収拾するのも叶わないレベルに広がりすぎたパーティ、その行く末やいかに…。
導入はほぼ童貞ウォーズ
上記あらすじの通り、もうまんま「スーパーバッド 童貞ウォーズ」の亜種と言ったところです。少なくとも導入に関しては完全にアレの亜種。セックスしたいからパーティを利用しよう系。
トーマスの友人で主人公と言っていいコスタの性格も、あの映画の主人公でジョナ・ヒルが演じていたセスと結構似た感じ。人気はないけど臆せず誰にでも参加を呼びかける感じとか。ただセスよりもクズっぷりがかなり強く、個人的にはあんまり好きになれないキャラクター。
で、同じことをやってもしょうがないと思ったのかどうなのかわかりませんが、この映画特有のポイントとしては「人気がないタイプなのにパーティを企画したら想像以上に人が集まっちゃったおかげで大変なことになった」という点。
まあ童貞ウォーズに限らず、パーティ大好き文化のアメリカ的には「出会い目的のパーティを計画する高校生」みたいな話は山ほどあるんでしょう、それらの話が「もし尋常ならざる人が集まっちゃったら?」と仮定して(コメディ的に)考察・展開してみたらこうなった、みたいな感じでしょうか。今ならSNSのパワーでこういう事態も起こりかねないのもあるし、そのこと自体は悪くないと思います。
ただまあ…大して面白くない。正直。
やりすぎちゃってうわーみたいなのはわかるんですが、僕が嫌いな「コメディのくせに妙にいい話としてまとめようとしちゃう」傾向が如実に現れていて「そのオチはないだろ」というのがまず引っかかるし、何よりも中盤のパーティシーンがやたらと長い。もう本当にクソみたいに長くて飽き飽き。
もちろんその間にいろいろあって…ならわかるんですが、もうやってることは大して変わらないんですよ。テンション上がってウェイウェイして、女子といい感じになったりならなかったりを延々と見させられる。
後の伏線が散りばめられていたり、のっぴきならない人間関係が描かれていたりならまだいいものの、本当にただの「パーティ最高だぜウェーイ!」のシーンを長尺で見せられるだけなので、もう終盤に向けての期待も尻すぼみまくりでまったくノレませんでした。
パーティのシーンはもう半分どころか3分の1でも良いと思う。でもそうすると多分上映時間が1時間を切っちゃうので「それなりに映画らしい作り」にするために水増ししているような気がしてならない。
でも意外と「笑った!」って意見も多いようなので、好きな人は好きなんでしょう…すごく不思議だけど。
もともと僕がパーティでウェイウェイするパリピが好きではないというのもあるとは思いますが、それにしたってあまりにも内容が薄すぎる。ただバカ騒ぎするシーンが延々と続くし、その上こっちはあらすじから「このあと大変なことになる」のも知っているわけで、そこの引き金になるフリがあるわけでもなくただただ騒いでいるシーンだけ見続けさせられても…という。
「童貞ウォーズ」の方は個別の人間ドラマがあったし、コメディとしてもしっかりしていたので面白かったんですが、同じような前提の話でありながらもまったく中身がないので、これはなかなか厳しい。
どうせいい話にまとめるのであれば「童貞ウォーズ」みたいな方向ならわかるものの、その「いい話」としての中身もまた薄すぎるし、これはちょっと評価できませんね。
他のコメディを観た方が…
まあそれでも観るぞ、って方はぜひどうぞとしか言いようがないんですが…これ観るんだったらもっと観るべき映画(コメディでも)、あると思うなぁ…。
ちなみにウリとしては「ハングオーバー! シリーズのトッド・フィリップス監督が制作」なんですが、最近ではトッド・フィリップス監督と言えばやっぱり「ジョーカー」なので余計に期待していたらえらい空振りを食らった、というお話。
もっとも空振らない人もいるとは思います。パーティでウェイウェイしているのを観てるだけで楽しいぜ! という方はぜひ観てみてください。
このシーンがイイ!
まだ今みたいに売れる前ですが、カメオ出演であのマイルズ・テラーが出てきます。彼が最初に登場するお店のシーンは笑っちゃいましたね。「マイルズ・テラー出てきたで!」って。あそこがテンションマックスで以降は下る一方。
ココが○
一応大枠として「パーティやろうとしたら集まりすぎて大変なことに」は良いと思うんですよ。面白くなりそうな気もするし。ただその描き方が…という問題。
ココが×
やたら長いパーティシーン、オチの弱さ。
MVA
あまり評価できなかった映画は正直どうでもいいんですが…消去法でこの方に。
アレクシス・ナップ(アレクシス役)
トーマスがオイタしちゃうセクシーガール。(今どきオイタって)
観ているときはまったく気付きませんでしたが、この子は「ピッチ・パーフェクト」でもセクシーさがウリのキャラで出てました。
エロいガールはそれだけで正義です。はい。