映画レビュー0284 『リアル・スティール』

この映画は予告編を観た時に大体「少年向けのわかりやすい映画でしょ」なんて醒めてスルーしてたんですが、意外と周りの評価がよかったりしたので、ちょっくら観てみようかな、と。

あとどうでもいいことですが本日よりお盆休み突入です。例によって特に予定も無いので、映画観てはたらふく食ってまさかの激太りしてやろうかと思ってます。

リアル・スティール

Real Steel
監督
脚本
原案
原作
『四角い墓場』
リチャード・マシスン
音楽
公開
2011年10月7日 アメリカ
上映時間
127分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(ブルーレイ・TV)

リアル・スティール

「ロボットのボクシング」が人気の2020年。ロボットボクサーのプロモーター業で生計を立てる元ボクサーのチャーリーは、ある日元妻が亡くなり、突如ずっと会っていなかった息子と共に暮らすことに…。

信じてまっすぐ、それがイイ。

7.0

結構予告編の内容そのままというか、かなりドストレートで王道な映画だったんですが、観る前は「ドストレートで王道なんでしょ」なんて醒めてたにも関わらず、意外とグッと来て面白かったっていう。

主人公のチャーリーは、日銭を稼ぐのが精一杯、序盤から「金がナイナイ」わかりやすくお伝えしてくれます。おまけに頼りのロボットボクサーも自分の凡ミスでオシャカ、さらに人身売買的なサイテー行為でゲットしたお金で買ったロボットもまたオシャカ、もうどうすんねん…ってところでついてきた息子がきっかけを作って…というお話。

もう本当に「ドストレートで王道」、わかりやすいサクセスストーリー。悪役と言うべきポジションの人もわかりやすく、描かれ方もそれっぽく。

もう普通に観てたら「100年前に使い古されたパターンの映画です」なんて言っちゃいそうなモンですが、でも思ったよりも全然良かったんですよね。なんでかなーと思ったんですが、一つは「しっかりこなれている」点でしょう。

きっちり煽って、きっちり真っ当な流れは予定調和的ではあるものの、やっぱり安心感があります。特に主役の一人は子供なので、余計にその「真っ当さ」っていうのは大事な気が。

次に、これが一番大きいかなと思ったんですが、「余計な道に進まないでまっすぐ行く」という芯の通ったストーリーであるという点。そこが迷いが無くて良かったのかなーと思います。きっと今の時代でこういう映画を作るなら、例えば「アトムは実はタク・マシドの師匠が作ったもので…!」とか、「アトムは死んだ元妻が残してくれてて…!」とか、なんか余計な伏線入れて煽ろうとしちゃうような気がするんですが、そういう部分が全然なかったのが逆に潔くてよかったな、と。

もう本当に真っ当に、ただ強くなりたいぞっと努力して、きっちり挑戦して、落とし所(結末)も誰もが納得できそうなところに落ち着かせる、っていう作りが、意外とウブなようでいてしっかりお上手ねアナタ、みたいな。余計な功名心が見えない作りだったのが○。

んで、その辺全部ひっくるめていかにもスピルバーグっぽい雰囲気があって、なんというか「スピルバーグ的優しさ」を感じる映画でした。

確実に万人向けで、突き抜けた部分のない映画だと思いますが、それなりに本数を観てきている人間から観ても「ああ結構いいな」と思えるのはなかなか珍しい気がするし、その真面目さは素直にいいなと思えました。こういう映画もまた大事だな、と。

それと、純粋にゲームっぽい映画でもあり、主人公が少年ということもあって、これはマックスぐらいの年頃の男の子が観たら喜ぶんじゃないかなぁ。

ご家族で安心して観られますよ的なランキングで言えば結構イイ線行ってる気がする。

このシーンがイイ!

もーマックスがかわいくてねー。どこもイイ表情してたんですが、一番印象的だったのは「夜の散歩」かなぁ。こりゃーいい子役ですね。

ココが○

やっぱり日本人的に触れておかなければ! と思ったのは、ところどころに(多分)スピルバーグの親日的な演出が入っていた点。

ノイジーボーイは出落ちかよ! ってぐらい強烈なボディペイント「超悪男子」。しかも音声認識で「右! 左!」とご丁寧に日本語セリフまで。

さらにラストの大勝負ではマックスの“勝負服”にカタカナで「ロボット」。

僕に近いようなミスター疑心暗鬼のような人からすれば、「なんだこの日本に媚び売る感じは」みたいに感じかねない気もしたんですが、でもちょっと考えれば、もはや言わずもがなですが日本なんて落日の国だし、人口も少ないからマーケットとしても大した国じゃないわけで、あえて「日本に媚びを売る」意味って無いんですよね。もう。

バック・トゥ・ザ・フューチャー(PART3)で「日本製は最高だよ、ドク」なんて言ってた頃とは時代が違うわけです。

そんな価値のなくなってきた日本に、今あえてメッセージを送ってくれるこの演出。おそらく制作時期からして東日本大震災の後で、「少しでも応援したい」っていう意図もあったんじゃないかと思いますが、それでもやっぱり、なんというか「40過ぎのオバサンでも抱いてくれるのね…」的なありがたさを感じました。(悪い例)

それと、ブルーレイの画質がすごく良かったことも書いておきます。非常に精細で綺麗でした。

ココが×

いかにもドストレート、それがやはり欠点にもなりうるわけで、どうしても突き抜けたものにはなり難いかな、と思います。

あとは、少年的にはいいんでしょうが、僕はちょっと「ゲームっぽすぎる」のが気になりました。ゲームは好きですが、映画はちょっと違う方法論の戦いを観たいというか。ちょっとだけ、思いましたね。

MVA

ヒュー・ジャックマン久しぶりに観たんですが、なんだかダメダメな親父っぷりが新鮮。序盤は「ほんとこいつダメ男だなー」と思ってましたが、ボクシングの情熱を取り戻して…的な裏テーマに沿った熱演、良かったです。ただ、今回はもうこの方でしょう。

ダコタ・ゴヨ(マックス・ケントン役)

息子。超かわいい。やっぱりあっちの選ばれた子役はスゴイ。

かわいいのは当たり前、演技(≒表情)も良かった。某PIXUSのCMの「スマァ~トォ~」のわざとらしさに毎回イラッと来る芦○愛菜とはエライ違いです。

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