映画レビュー1599 『リボルバー』

今週のステイサムです。と言いつつ3本連続で草、みたいな。
まあ何度か書いていますがアップの順番が前後したりするのであまり気にしないで頂いて…っていうか気にしてるどころか認識してる人もいないと思いますが…。
さすがにだいぶ残り本数も減ってきたので、あとは「楽しみにしている」か「ステイサムは脇役」かの二択に近くなってきました。
ただ今回のこれはまだ主役です。まだ。

リボルバー

Revolver
監督
脚本

ガイ・リッチー
リュック・ベッソン

出演

ジェイソン・ステイサム
レイ・リオッタ
ヴィンセント・パストーレ
アンドレ・ベンジャミン
マーク・ストロング
テレンス・メイナード
フランチェスカ・アニス
アンドリュー・ハワード
アンジェラ・ローレン・スミス
トム・ウー
伊川東吾

音楽
公開

2005年9月22日 イギリス

上映時間

115分

製作国

イギリス・フランス

視聴環境

U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

リボルバー

かなり難解、エゴ映画。

7.0
自分を殺し屋から守ってくれた謎の2人組に翻弄されるステイサム
  • 余命幾ばくもない中「殺し屋から守ってやるから全財産よこせ」という謎の脅しに屈するステイサム
  • かなり込み入った作りでわかりづらく、世間的低評価も納得の作り
  • イキってた頃のガイ・リッチー感
  • 珍しくずっと毛があるステイサムとマーク・ストロング

あらすじ

リュック・ベッソンの映画だと思って観ていたので「なんかガイ・リッチーっぽいことしてんなー」と思ったらガイ・リッチーの映画で草、みたいな。

ギャンブラーのグリーン(ジェイソン・ステイサム)が刑務所から出所、即座に5年後…。
だいぶお金も唸っている状態の彼は「復讐のため」カジノオーナーのマカ(レイ・リオッタ)の元へ行き、勝負を持ちかけ無事圧勝。カジノから帰ろうとするも意識を失って病院へ運ばれます。
目覚めた後に自宅へ戻るとマカが雇った殺し屋のソーター(マーク・ストロング)に狙われたグリーンですが、そこに現れた謎の男・ザック(ヴィンセント・パストーレ)が車に乗れと指示、なんとか逃げ切ります。
そのままザックのオフィスらしきところへ連れて行かれ、アヴィ(アンドレ・ベンジャミン)と面会すると余命3日の診断結果を渡された挙げ句「殺し屋から守ってやるが次回以降はタダじゃない。条件として全財産を渡すこと、俺たちの指示に従うこと」と言われ、結局従うことに。
その後もザックとアヴィにいろいろ指示され仕事を手伝う形になるグリーンですが、果たして彼らの狙いはなんなのか…。

ガイ・リッチー臭がプンプンするぜ

まずこの開幕の「余命3日だけど殺し屋から命を守ってやるから全財産よこせ」って話が全然意味がわからなくて序盤からつまずきましたね。何だよこの設定、っていう。もうすぐ死ぬなら殺されてもいい、って普通思うんじゃないの? 余命の話いる??
まあそれはさておきですね、この一応命を救ってくれた謎の二人組(他にも仲間はいるもののツートップっぽい感じなので二人組とします)に振り回されつつ、マカとの因縁で命を狙われながらその日その日を生きていった先に何があるのか、的なお話になっております。
まずオープニングはステイサムの出所シーンから始まるんですが、おかっぱオールバックスタイルで出てきて即座に「──5年後──」となるので「ああはいはい、また時間経って髪の毛剃ってるパターンね」と思ってたら5年後もおかっぱオールバックスタイルのままという衝撃。こんなことが許されるのか!?
結局最後までおかっぱオールバックスタイルでした。

「こんなステイサム、初めて見ました」(外見の話)

一方殺し屋役でまだ40代前半のマーク・ストロングも出てくるんですが、なんと彼にも髪の毛があります。なんかサイド+てっぺんだけ残ってる感じのストロング波平スタイル(マーク・ストロングだけに)でしたが…。
彼は当然最後までそのままなので、未確認情報ですが「ステイサムとマーク・ストロングが髪の毛のある状態で共演した最初で最後の作品」の可能性があります。これはかなりレアです。
そんなことはどうでもいいですよね、わかります。映画の話に戻りましょう。

かなり込み入った話で僕も理解しきれていないんですが、簡単に言うと「因縁のある相手に復讐が成功したせいで命を狙われることになったところに第三者の二人組がその間に入って引っ掻き回す」お話です。
この二人組が何を狙っているのか、なぜステイサムを巻き込んでいるのか、そしてその正体が何なのかが物語の重要な要素となってくるわけですが、それだけを“普通に”描いてくれれば結構広範に面白い映画として受け入れられていたんじゃないかと思います。実際僕も話の核の部分は結構好きでした。
ただねー、今から20年前のガイ・リッチー監督作品ですよ。当時30代後半。
もう画面からイキリが伝わってくるかのような主張の激しい映画なんですよね。
なにせ僕も観ている最中はガイ・リッチーが関わっているなんて1ミリも知らない状態だったのに「リュック・ベッソンのくせになーんかガイ・リッチー臭いことしてんなー」と思ったぐらいなので、いかにそのガイ・リッチー臭が強いかがわかっていただけるかと思います。
具体的に何がどう、って言えないのがポンコツなんですが、なんか観てるとわかるんですよね。「ああ、ガイ・リッチーっぽい…」って。これは悪い意味でのガイ・リッチーっぽさです。昔の。今のガイ・リッチーはだいぶ一般化されてきていると思います。ノーマライズガイ・リッチーです。この頃はそうじゃない、プリミティブガイ・リッチーなので匂いが強いと。
で、リュック・ベッソンは共同脚本なんですが、彼は彼でやっぱりちょっと独特なところがあるので相乗効果でなかなかクセのある映画になっているんですよ。話がストレートに伝わってこないような。
とにかく雑音が多い印象で、その意味では非常に制作者のエゴが強い(俺のやりたいことを観ろ的な)映画のように感じました。
「俺のやりたいことを観ろ」は、雑に「これでいいだろ」と作られた映画よりも全然いいと思うんですが、ただ作家性が強すぎるとどうしても観ている方が置いていかれがちになっちゃうんですよね。

またやたらステイサムのモノローグが多い。自己内会話がものすごいんですよ。
まあ主人公だし…と思ってたらついにはレイ・リオッタもやり出して草、みたいな。モノローグ vs モノローグ。
「エゴ」は心理学的には「自己意識」という意味もあるそうなので、モノローグもエゴと言えます。
つまり作り手もキャラクターもエゴまみれの「エゴエゴムービー」を作ろう、という話なのかなと。もう誰もが自分自分でとにかく俺の語りを見ろ、俺に語らせろを突き詰めた映画として生み出されたんじゃないか…と思うと色々納得しました。いや話自体はまったくピンときていないんですが。
ただ一方で珍しいことにエンドロールがないんですよね。ラストシーンが終わってそのまま終了なんですよ。
オープニングでも監督他名前は出てこなかったはずです。(出てたらガイ・リッチーとわかっていたので)
なのでエゴエゴムービーでもない…?
「観れば俺だとわかるだろ」であれば逆により強いエゴを感じますが、まあさすがにそこまででもないと思うので何らかの意図はあったんでしょう。とは言えそれは一回観てわかるようなものでもなく、また繰り返し観ようと思うほどグッと来たわけでもないので永遠に謎のままです。こっちはお気楽ステイサムを観たいだけなんだよ…!

変わり種ステイサムが見たければ

なんか長い割にすごく内容が無いレビューな気がしますが気にしないでこの辺にしておきたいと思います。
これ今のガイ・リッチーが撮ったらもうちょっとわかりやすくかつちょっと変わった映画になる気がするんですけどね。まあ受け手にもよるだろうしどっちがいいかはなんとも言えないところですが。
尖った若い頃の作家性がいいのか、歳を取ってこなれた作家性がいいのか…難しいところです。
ただ僕の中で同じくエゴを出しがちな監督として認識している人にダニー・ボイルがいるんですが、彼よりかはガイ・リッチーの方が好き方面のエゴなので今作も「なんか難しいけど悪くはなかったな」という感じ。
とは言えあまり人におすすめできるものでもなく、おそらくハマる人はかなりハマるでしょうが一般的にはあんまりおすすめできない=世間一般の評価が低いのも納得、というお話です。
ただ「アクションは最低限で髪のあるステイサム映画」というのはかなりレアなので、ちょっと変わったステイサムが観たいぞという方にはおすすめできます。
結構感情的にも激しい演技があるので、他で見ないステイサムなのは間違いないでしょう。

ネタバレー

結局ゴールド氏はなんだったんだ、という点ですが。
僕はあれはザックとアヴィが作り出した幻の人物と解釈したんですがどうなんですかね?
はっきりとした答えはなさそうですが、結局はあの二人があの辺の界隈をすべて手玉に取っている=ゴールド氏の存在も作り出しているのかなと思ったんですが…。
まああんまり考えてもしょうがないのかもしれません。実在しようがしまいがどっちでもいいでしょ、って話なのかも。

このシーンがイイ!

マーク・ストロングがメインのシーンはすごくかっこよくて印象的でしたね。厨房歩いていくシーンとそのあとと。
ただ最初に失敗した理由を「体調不良で…」って言っててクソダサかったんだけど。
一流の殺し屋が体調不良を理由に!? こいつは俺か!? みたいな。

ココが○

騙し騙され的な話の筋は好きです。本当に見せ方が違えばかなり化けたと思います。
脚本はこの二人で監督を別の人がやっていたら…例えばダグ・リーマンとかさ…。

ココが×

まーやっぱりわかりにくいところかなぁ…。
わかりにくいのは全然いいんですけどね。そこにカッコつけが入ってきちゃうとどうもね…。

MVA

演者は皆さん良かったと思います。
特にステイサムとレイ・リオッタは感情高ぶる演技もあって良かったなと思いつつ結局はこちらの方。

マーク・ストロング(ソーター役)

一流の殺し屋。でも体調不良で失敗。
最初ダッセェ殺し屋だなと思って観ていたんですが、途中から「あれ…? この人もしかしてマーク・ストロングか…?」と気付きました。若い!
上に書いた通り、後半は見せ場が結構あってかっこよくて。ちょっと他の人達とは違った存在感があって良かったですね。
マーク・ストロング史上でもかなり初期の頃だと思うんですが、なるほど確かにこのあと売れそうな感じがするなと納得でした。

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