映画レビュー0215 『昼下りの決斗』
いつもいつも「休みは短いなぁ」と寂しい気持ちになる人は僕だけではないとは思いますが、よくよく考えれば昼前に起きて11時には寝るぜ、ってそりゃ短いに決まっとるやん、と。なんとなく勝手に納得した日曜日、また来週も頑張りましょう。
昼下りの決斗
「西部劇」をわかってなくてゴメンナサイ。
今年は本数が少ないとは言え、まだまだ「目指せシネフィル」を合言葉に生きているものとしては、やはりいろんなジャンルの映画も観るべきだろう、特に西部劇なんて一大ジャンルを築いた時期もあるわけだし、と名作の誉れ高いこの作品を…と思ったら「真昼の決闘」と勘違いしていたというオチ。
まあそれでも西部劇も観てみるぜ、という目的に変わりはないぜと観てみたわけですが、きっと時代性と(当時の)アメリカ的価値観が色濃く反映されているであろうストーリーにどうにも共感できず、最後までのめり込むことができませんでした。
嫁に行く、と付いてきた世間知らずのお嬢様が、「こんなはずじゃない」とやっぱり逃げ出すことにしたものの、結婚相手の兄弟に追われることになり…というお話ですが、まずその結婚相手のチンピラ兄弟が純粋にどうしようもないクズ連中過ぎて、なんというか…「小悪人」過ぎるんですよね。
ものすごい悪人なら「よし頑張れ倒せ」みたいになるんですが、ちょっと小物過ぎてそういう気持ちにもなれない。「相手にしないのが一番でしょ」って思っちゃうんですよねぇ。
そんなこと言ってたらこの手の話がまったく成り立たないのもよくわかるんですが、どうにも感情移入させてくれるほどのキャラクターがないというか。それは主人公側も敵側も双方に、なんですが。
どっちも作られた人物という感じがしてしまうのが、古さ故の悲しさから来るのか、はたまた「西部劇」自体への日本人の理解のなさから来るのか、その辺はわかりませんが、どちらにせよやっぱりちょっと入り込めなかったな、というのが残念。
確実に僕自身の「西部劇」に対する理解のなさという意味では、最後の決闘のシステムもよくわからなくて。
西部劇の決闘と言えば、「1…2…3バン!」みたいなのを想像してたんですが、なんかよくわからないルールで始まり→エンディング、みたいな。
やっぱりラストなので煽って欲しい部分はあったんですが、その辺が全然わからないままなんか始まって終わったよ、みたいな感じだったので、その辺りがまた全体的な残念さにつながったような気がします。これはきっと僕が悪いんですが。
ただ、そういうことを考えると、やっぱりその国の文化として根付いてるかどうか、っていうのはこういう古い物語を観るときには大きいなーと思いましたね。
元々全然観ないものの、それでも時代劇なら、もうちょっと心情的にも内容的にも納得できる部分があったと思うので、やっぱり小さい頃から慣れ親しんでいるかどうか、っていうのは大きいんだな、と。
これに懲りずにもうちょっと西部劇を観ることになるとは思いますが、今のところはあんまり期待できないなぁ、という気がします。
このシーンがイイ!
特にコレと言っては…。
ココが○
一つだけ挙げるとすれば、短いのでサクッと観られる点でしょうか。
ココが×
特に映画としてこれがダメ、とかフザケンナみたいなのもないんですよね。僕自身に西部劇への理解が無かったというのが最大の問題でしょう。
MVA
特に悩まず、この人。
ランドルフ・スコット(ギル・ウェストラム役)
元相棒で裏切りを企む男。
物語のキーになるのは家出少女のエルザですが、幅をもたせてたのは彼の方でしょう。
飄々とした冗談なんかも吐いたりするだけに、飽きさせないための大事なキャラだったんじゃないかと。
彼と主人公のスティーヴ役を演じたジョエル・マクリーは二人ともこの映画で引退したそうで、それを聞くとちょっとだけこの映画の味わいが増した気がします。