映画レビュー0636 『ルーム』

レンタル4本目。お知り合いからオススメされた映画。もちろん評判が良いのは知っていたので、観てみたいと思ってました。

ルーム

Room
監督
レニー・エイブラハムソン
脚本
エマ・ドナヒュー
原作
『部屋』
エマ・ドナヒュー
出演
ジェイコブ・トレンブレイ
ショーン・ブリジャース
音楽
スティーヴン・レニックス
公開
2015年10月16日 アメリカ
上映時間
118分
製作国
カナダ・アイルランド

ルーム

5歳の男の子・ジャックは、生まれてから今まで、納屋で暮らし、一歩も外に出たことがなかった。彼のママは「オールド・ニック」と呼ばれる男に7年間納屋に監禁され、その間にジャックを産んでいたのだ。ある日、永遠に続くかと思われた納屋での生活に耐えきれなくなった“ママ”は、ジャックとともにある計画を実行に移す。

イマイチ入り込めず、好きになれず。

6.0

実際にあった「フリッツル事件」という事件を基に書かれた小説が原作の映画で、最近日本でも結構聞く「監禁事件」の被害者の物語。

主人公である“ママ”のジョイは、7年前に「オールド・ニック」と呼ばれる男に騙されて納屋に監禁され、以来外には一歩も出られない生活に。5年前には彼の子でもあるジャックを出産。そのジャックが5歳の誕生日を迎えたところから物語は始まります。

当然ながら、ジャックは生まれてから一度も外に出たことがなく、テレビの中と現実の違いも明確に認識していません。そんな日常にいよいよ限界を感じたママは、ジャックとともに脱出計画を練って実行する、というお話。

んで、予告編でも出ちゃってることもあって書いちゃいますが、割と序盤に脱出は成功します。物語の主軸は「いかに脱出するか」ではなく、「脱出後にいかに世間に適応していくか」というお話になっていて、「まだ見ぬ世界に出ていってワクワク」という感じは無くて、(二人それぞれが)適応できない自分への苛立ちと焦りの中、それでも頑張って生きていく、というような「出てからもしんどい」姿をリアルに描いた物語です。

感情表現としてとても繊細な映画になっていて、感情を表に出しはするものの、結構突然ブチ切れたりするため、そこがリアルでもありつつも「ええー!?」というような場面も結構見受けられました。多分、細かい機微をしっかり拾っていかなければ、そういう唐突感を感じてしまうような映画なんでしょう。

軽い気持ちで「泣けるいい話なんでしょ」と適当に観てると全然響かない、かなりの集中力を必要とする映画だった気がします。もちろん僕も集中して観てはいましたが、どうにも入り込めないというか…。

こんなことを書くと怒られると思うんですが、主人公の二人、ママとジャック、どちらもそれまでの環境故に仕方がないのはわかりつつも、観ていて応援したい気持ちになれない、少しイラつく部分があったんですよね。

出るまでは良かったんですよ。がんばれ! って思いました。すごく。でも出てから、いわばこの映画のメインの部分でどうしても彼らを愛せなかった。

くどいようですが、過酷な現実から脱出して「世界」に戻ってきたために、普通の感覚で生きていけないのはよーくわかるんです。わかるんですが、それでももっと他人に思いやりを持てないものなんだろうか、と思ってしまい。特にママの方ですね。やっぱり。お婆ちゃんにキレるところとか腹が立っちゃって。仕方がないとわかりつつも。そう感じさせる分、よくできていると言えるのかもしれませんが…。

それと、これまた誤解を招く意見かもしれませんが、僕は犯人のアレコレをもっと観たかったんですよね。何故(性的な理由しかないでしょうが)こういう愚行に走り、そして時を経て、二人に対する感情はどういうものだったのか。

もちろん、犯人に同情する余地はまったくないのは百も承知ですが、一応これは(元の事件があるとは言え)フィクションなわけだし、彼には彼なりの人生があって、そこを描くことでもっと監禁事件が立体的に観られたんじゃないかな、と思って。もちろん、同情的に描けという話ではなくて。悪人としても、もっと彼の人となりを描いて欲しかった。無職になった、とか触れられていただけに、余計に。

ひどいやつなんだけど、でも彼にも当然ながら感情があり、誕生日の話以外にも息子(ジャック)に対する思いがいろいろとあったはずで、その辺の話をもう少し観たかったな、と。

逆説的ですが、そうすれば、ジャックとママ二人に対する感情移入の度合いもまた違ったように思うんです。

ところが犯人に関しては、二人が脱出した以降はまったく話に上らないので、「単なる悪役」で終わっちゃった印象で、であればもう脱出するまでは顔すら出さない、ぐらいで良かった気がしたんですよね。ジャックに情があるかのような描写なんて一切いらないと思う。ああいう使い方であれば。

まあ、僕は結構見方が変なところがあるので、全然アテにならない意見だとは思います。普通に観てすごく良い映画だと感じるのが“普通”でしょう。僕はちょっとひねくれちゃったので、イマイチハマらなかったな、という感じで。

子どもがいる人が観たらまた全然違った印象になると思います。そうではない悲しいオッサンの意見はこうなる、と思って頂ければ。我ながら残念な人ですね。いろいろと。

このシーンがイイ!

やっぱりジャックが初めて“生空”を見た時の感動ったら無いですよね。あのシーンは最高でした。あとジャックがお婆ちゃんにアレ言うところね。そりゃ泣けるよね。

ココが○

なんだかんだ書いていますが、監禁事件は脱出するまで、がベタなものだと思うんですが、それ以降を丁寧に描いたというのは初めて観たし、「解放されれば終わりじゃないんだよ」という当たり前の事実に気付かせるものとして、とても良いテーマだと思います。

ココが×

上に書いた通り、主人公二人に感情移入できなかったこと。なーんか後半の人物描写が観ていてしんどかったんですよね。ハードル上げすぎたせいもあるかも。

MVA

どーもママ役のブリー・ラーソンが(顔的にも)好きになれなかったので、こちらの方に。

ジェイコブ・トレンブレイ(ジャック役)

本当にあちらの子役は上手ですね…。

腹立つ場面も含めて、良かったと思います。髪切るとイケメンなのも高ポイント。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA