映画レビュー1286 『新Mr.Boo!アヒルの警備保障』
この日はバカになっていたのでバカな映画しか観たくない気分だったため、昨年末に宣言した通り、アマプラにあるMr.Boo最後の1本を観ることにしました。
ちなみにこの前々日にウォッチパーティで日本における1作目(ミスター・ブー)を再鑑賞してます。それ故にバカになっていた可能性もあります。(前日しんどめの映画観たくせに)
新Mr.Boo!アヒルの警備保障
もっともストーリー性がある!? これこれ感満載のコメディ。
- 今度の舞台は警備会社。いつもの通りオムニバスっぽい作り
- かなり方向性が定まってきている印象で、安定感のある“らしい”コメディ
- 過去一ストーリー性がある(ような気がする)
- シリーズ好きなら間違いのない1本
あらすじ
Mr.Booシリーズらしからぬ構想3年・制作1年の「大作」だそうです。本当か?
ウォン警備会社で警備隊長を勤めるチャウ(マイケル・ホイ)は部下いびりに精を出す小人物。いつもの感じです。
彼の下には副隊長(サミュエル・ホイ)がいますが、“サクラ”の万引き犯を演じさせられ痛めつけられたりするなど散々な毎日。
ある日会社で新人を雇用しようと面接を行った結果、いい加減な試験によってロン(リッキー・ホイ)が採用されますが彼は彼でダメダメでもういろいろダメです。相変わらず。
やがて社長が手術のためスイスに行くことになり、代わりに社長の息子が指揮を執ることになったんですがこれが予想外の人物で…あとはご覧くださいましまし。
シリーズ1かも
このシリーズは厳密に言うとどれも特に繋がりのない単発映画で、日本で勝手にシリーズにしちゃってるものなんですが、まあ雰囲気的にかなり似たものではあるしシリーズにしちゃっても問題ない感はあります。
そんな当シリーズにおいて今作は5作目にあたり、前作は「インベーダー作戦」になります。
一応前作から3年空いてはいるものの、なぜ「新」が付いているのかもよくわかりません。これも多分日本の事情で勝手に付けているだけだと思われるので特に意味はないでしょう。
「アヒルの」というタイトルも特段意味はなさそうで、ギャグを連発するエネルギーから「ダック・ムービー」と名付けられたために「アヒルの」というタイトルになった、っぽいです。(Wikipediaより)
そもそもギャグ連発エネルギー=ダックもよくわかりません。なんなんだマジで…!
ちなみにこの「新」シリーズはこのあとも何作かあるようですが、マイケル・ホイは出ているもののホイ3兄弟の本格的共演はしばらくお預けになるらしく、Mr.Boo史を考える上では重要な1本になるという噂もあります。今勝手に流しました。出どころおれ。
話としては小人物の主人公(自分で脚本書いといて嫌な役が多いマイケルのメンタルはどうなってるんだ)に従っている優秀なサミュエルがその座を脅かし、そこに天然っぽいリッキーが絡んでくる日々、といういつもの内容。まさに「ミスター・ブー」と同じ流れです。
しかし今作はそこにロン(リッキー)の恋バナ的な要素も加わって、今まで観た中ではもっともストーリーっぽい何かを感じ取りました。
とは言え「いつもの感じ」の方が強く、まあシリーズが好きなら楽しいしそうでないならナンダコレになってもおかしくはないかな、と。
時代を感じさせるドリフっぽい笑いも健在ですが、ところどころ「それ死ぬでしょ」みたいなシーンもあって思い切りの良さもポイントです。そんな気がするので適当に書いてます。
個人的な感覚としては一番好きかもしれないぐらいに「ミスター・ブー」と甲乙つけがたい良作だったので、逆に言えばこれがつまらなければ他も観る必要はないと判断してもらっていいでしょう。さながらMr.Booのリトマス試験紙…!
残念だったのはアマプラの仕様なのかなんなのかわかりませんがオープニングに主題歌のシーンが無くてですね。それによってすっかりサミュエルの歌が聞きたくなっていた自分に驚きもしました。
♪クソッタレ〜
いろいろ寂しさも感じてしまう
結局は特番のロングコントを観ているようなものなので、気合いも必要なくダラダラ観たいときに観る映画としてストックしておけばいいでしょう。皆さんもバカになっちゃった日に観ましょう。
当然ながら「感動した!」とか「考えさせられた」とかはゼロなので特に言うこともなく…。どこかの配信サービスがとち狂って他の作品をピックアップしてくれない限り、もう新たな作品に触れる機会が無くなってしまった寂しさのほうが勝ります。正直。数年ぶりにTSUTAYAに行こうか考えちゃうぐらいには他も観たい。
しかも三男のリッキーはもう故人になってしまったので、それも含めてなんだか寂しい。
加えて今まで観てきたシリーズすべてに言えることですが、今の香港では作れないであろうという点も含めてなんだか妙にしんみりとしてしまう部分があり、どうしようもなくくだらない映画でありながら現在の状況のせいで「古き良きあの時代」を感じさせてしまう皮肉さがなんとも言えません。
そんなことを考えながら、今日もまたバカな映画を観ましょう。観ているときだけは笑って嫌なことを忘れる…それが一番良いのかもしれませんね。しんみり。
このシーンがイイ!
一番笑ったのは運転教習のシーン。我ながら着水に弱い。
それと終盤、ビルの1階にいたはずのリッキーがいきなり屋上にワープしてるのも笑いました。いつ行ったんだよ。
ココが○
迷いなくやりたいことがはっきりしている映画なので、笑いの好みはそれぞれでしょうが方向性が定まっている良さは確実にあると思いますね。ジョニー・イングリッシュみたいなもので。
ココが×
回線状態の可能性もあるんですが、ところどころものすごく画質が悪くて参りました。観てられないレベルでひどくて。
4Kリストア版、待ってます。(絶対にない)
MVA
例によって誰でもいいんですが、うーんやっぱりこの人。
マイケル・ホイ(チャウ隊長役)
主人公の小人物。マジで小物。
まあでもやっぱり表情豊かだしコメディアンとしての才能は素晴らしいのではないかと思います。ちょっとだけ哀愁もあってね。
オープニングの坂ずり落ちるシーンとかも最高でした。