映画レビュー0209 『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』

前作の印象は「まあまあ」。

2作目は予告編が(当然ですが)それなりに期待させるデキだったので、前作同様かなーちょっとはよくなってるのかなーと期待半分懸念半分で行って来ました。

〈余談〉

史上最大の赤字を出しそうという噂の「ジョン・カーター」。すでに予告編だけで飽きました。(個人的に)史上初。

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

Sherlock Holmes: A Game of Shadows
監督
脚本
ミシェル・マローニー
キーラン・マローニー
原作
アーサー・コナン・ドイル
音楽
公開
2011年12月16日 アメリカ
上映時間
128分
製作国
アメリカ・イギリス

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

各地で起こる殺人事件や爆破テロの主犯は「史上最悪の犯罪者」ジェームズ・モリアーティ教授だと踏んだシャーロック・ホームズは、助手のワトソンや兄のマイクロフトたちの力を借りながらモリアーティ教授を止めようとする。

“娯楽大作”は新時代に突入した! …のか?

9.0

くどいようですがガイ・リッチーは「狙いすぎ」な絵作りが多い印象であまり好きでは無いので、今回も続編決定直後に「えー、またガイ・リッチーなのかー」と“嫌な予感”を抱きながらいたわけですが、ところが開けてびっくり玉手箱

前作をはるかに凌ぐスケールと勢いでものすごく面白かった。

去年の年末に観た「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の時も書きましたが、いわゆる大衆向けの“娯楽大作”というジャンルは、僕のようなひねくれ者には「まあまあ」という評価を覆すのが難しいものだと思ってました。

が、この2作とも、そのひねくれ予想を大きく超えてくるデキでこれまたびっくり。

今のご時世、「娯楽大作と言えどもこれぐらいやらないとダメなんだぜ」という風潮があるのか無いのか、はたまた「ただの娯楽大作と一緒にしてもらったら困るんだぜ」という制作陣のプライドがあったのかはわかりませんが、とにかく終始飽きさせないし、小ネタも混ぜつつ伏線も入れつつ、サービス精神旺盛な作りで大満足。

おそらくは前作同様、いや前作以上に、「シャーロック・ホームズ」そのものに愛着を持っている人、いわゆるシャーロッキアンの人たちにはウケが悪いんじゃないかと思います。

もはや不死身と言ってもいいようなホームズ&ワトソンは、体だけでなく頭も(当然)キレッキレで、そりゃー観る側が推理に入り込む余地なんて少しもありません。意地悪な言い方をすれば、ただただ眼前に広がる光景を観るだけの映画です。

が、それでいいと思うんですよ。“娯楽大作”ですから。

これがものすごくサスペンス的な作りの映画だったら全然評価は変わってきますが、アクションあり笑いありバトルありの大作としては、この作りは大正解ではないでしょうか。「四の五の言ってないで楽しめや!」という映画だし、そう振り切ってる潔さが勢いにつながっている気がします。

懸念していた「ガイ・リッチー臭」も、前作を踏襲しての演出だったり編集だったりするので、新鮮さはない分、「狙いすぎ」ないやらしさも無く、「ホームズシリーズとはこういうもの」というフォーマットが出来上がった感じがして、今後(続編があるかはわかりませんが)もしっかり楽しませてくれそうな期待感があります。

ガイ・リッチー監督には、「うん。もうちょっと君、やってみたら?」とお前何様的なエールを贈って差し上げたい。

予告編でも流れていましたが、一部スローになるような演出も、映画自体に緩急を与えるいい効果があったと思うし、ガイ・リッチーは完全にこのシリーズを自分のものにしたと思います。

ロバート・ダウニー・Jrにしても、前作はどうしてもトニー・スターク(アイアンマン)のキャラとかぶって見えちゃって、そこが違和感につながってたのを覚えてますが、今回はトニーから少し(時間的に)遠ざかっている、っていうのもあるんでしょうが、前作以上にホームズを自分のものにしている感じがして、逆に途中で「この人以外でこの役、誰ができるかなぁ…」と悩んじゃったほど、ハマってましたね。

作品として、やっぱり振り返ると「よくよく考えるとアレはどうなのよ」とかそういう部分は出てきちゃうし、深さという部分ではあんまり、というのもあるので、悩んだ末に9.0としますが、でも実際のところ2時間ちょっとでここまで集中させられて楽しませてくれる娯楽、って他に思い浮かばないぐらい没頭する楽しみを与えてくれたので、これはもう文句ありません。 2つの娯楽大作で突き抜けた面白さを味わわせてもらったので、映画もまだまだ進化するんだなぁ、となんだか嬉しくなりました。

家でもいいですが、これは劇場公開中にぜひ!

このシーンがイイ!

結婚式場に二人で入るシーンがすごく面白かったんですが、やっぱり一番はラストのチェスのシーンでしょうか。緊張感とかっこよさが印象的。

ココが○

結局かいつまんで言えば「娯楽大作」の流れ以外の何物でもないんですが、舞台が19世紀というのがすごく効いていて、「大英帝国」的な良さを出しつつ、最新のテクノロジーと演出で見せる、という作りが他にない魅力になっていて、そこが他の娯楽大作との違いを際立たせていたと思います。

列車のシーンなんて、古い列車だからこその展開もあって、(原作の時点でそうなのかもしれませんが)うまく時代性を組み込んでるのがいいな、と。

んでもってその時代性を強調する良さとして、ハンス・ジマーの劇伴と美術の良さは貢献度大ですねぇ。

ココが×

上に書いたように、細かいアラだったり深さという点で若干難はありますが、そこまでやろうとすると散漫な映画になると思うので、これでいいんじゃないかと。本当に「強いて言えば」のレベルです。

MVA

もーとにかく主演の二人がすばらしい。2作目にして長年のコンビ感たっぷり。

ジュード・ロウがここまでハマるとは思ってなかったので嬉しい誤算でしたが、彼は前作で選んだので、今回は。

ロバート・ダウニー・Jr(シャーロック・ホームズ役)

本当に今回はビタッとハマってましたね。

皮肉っぽくて切れ者で強い、しかも変人だけど渋い、っていうこの役、今はこの人しかできないなぁと思います。

ジュード・ロウもそうでしたが、二人ともかっこいいけど面白い、どっちを見てても飽きない、というのがこの映画の満腹感の元なのかなーという気がしました。

もっとこのコンビ、見たい!

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