映画レビュー0995 『シング・ストリート 未来へのうた』

今回もネトフリ終了シリーズですが、かなり評判が良いのでずっとマイリストに入れていたもの。

はじまりのうた」の監督さんの映画ですね。

シング・ストリート 未来へのうた

Sing Street
監督
脚本

ジョン・カーニー
サイモン・カーモディ

出演

フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
ルーシー・ボイントン
マリア・ドイル・ケネディ
エイダン・ギレン
ジャック・レイナー
ケリー・ソーントン
ベン・キャロラン
マーク・マッケンナ
パーシー・チャンブルカ
イアン・ケニー
ドン・ウィチャリー

音楽

ゲイリー・クラーク
ジョン・カーニー

公開

2016年3月17日 アイルランド

上映時間

106分

製作国

アイルランド・アメリカ・イギリス

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

シング・ストリート 未来へのうた

人生の分岐点を良質な音楽で。

8.5
気になる女子と仲良くなりたいがためにバンドをでっち上げ
  • 会話のきっかけとしてバンドをやってると嘘ついた系男子
  • 学校でもマイノリティに属するメンバーだけで構成
  • バンドの成長とともにメンバーも成長する爽やか青春映画
  • 当然のように曲も良い

あらすじ

音楽メインの青春コメディ映画(しかもイギリス系)となると外しようがないわけですが、実際その通りに素晴らしい映画でしたよ。もう字面通りに期待通りでした。

主人公のコナーは高校生なんですが、両親が不仲で経済的にも困窮しているために物語冒頭で元々通っていた私立高校から(何かと荒れていると思われる)公立高校へ転校することになりましたよと。

なにせお金がないもんで「黒い靴しか認めない」校則も守れないんですが、それを校長にいびられ、おまけにいじめられっ子にも目をつけられ…と惨憺たる転校スタート。

ただ彼がいじめられっ子にハードパンチを喰らっていたところを目撃した先輩いじめられっ子のダーレンが手を差し伸べたことでささやかな友情が生まれ、つるむようになります。

ある日校門前にいた一人の女子・ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)が気になったコナーは彼女に果敢に声をかけ、モデルをやっていると言われたため咄嗟に「うちらのバンドのMV(ミュージックビデオ)に出ない?」と持ちかけます。バンドなんてやってないのにね…!

すぐ後ろで見ていたダーレンに「バンドやるぞ!」ってことで候補になりそうな生徒を紹介してもらい、そこから数人“反主流派”とでも言うべき「学校では浮いていそう」なメンバーたちとバンドを組んだ二人。

ロックマニアのコナー兄・ブレンダンに助言を仰ぎながら、徐々に実力をつけていく彼らのバンド「シング・ストリート」。無事1作目のMV撮影にラフィーナを参加させることにも成功、やがて徐々に学校でのポジションも変わっていくんですが…あとはご覧ください。

ポップ系爽やか青春コメディ

ご存知の通り僕は洋楽に詳しくないんですが、「ロックの師匠」である兄に教えを請いつつも彼らがやる音楽はロックと言うよりは割とポップ寄りな印象で、その分(最初はヒドイものの)結構レベルが高いオリジナル曲を作り出していく辺りおそらく最初から才能があったんでしょうね。寄せ集めなんだけど。

音楽的な挫折のようなものは特に描かれず、基本的には「気になる彼女を振り向かせるために」音楽をやっていたら自分に自信がついて立ち居振る舞いも変わってきたよ=成長したよ、というパターンの青春映画になっています。

同じくいじめられっ子サイドと思われる他のメンバーに関するアレコレはほぼ描かれないところを観ても、結構割り切った形で「バンドを介したコナーの成長と恋愛」に集中した内容になっています。

それだけ奥行きがないっちゃー無い話なんですが、ただ余計なことは描かずに主人公に絞ってその成長を描くのはいかにもイギリスのコメディ青春映画っぽいし、それだけわかりやすくよくできた映画と言っていいでしょう。

ましてや爽やかポップ系の良曲をベースに活動するバンドが中心なので、まあ「はじまりのうた」もそうでしたがとにかく爽やかで嫌味がない。そりゃ評判が良いのも頷けるって話ですよ。

同年代よりも大人が観て良さを感じる映画かも

ただ最初に書いた通り主人公は両親が問題を抱えていたりお金もなかったりいじめられてたり、いろいろ深刻にならざるを得ない状況なんですが割とその辺りに対する視線は冷ややかで、正直「リアルな高校生像」なのかと言われるとちょっと疑問があるのも事実です。

この物語のために作られた人物像であって本当の高校生はこんなに割り切れないだろうし強くもないだろうと思うんですが、ただ割と欧米系の青春(コメディ)映画に出てくる主人公ってこういうタイプが多いので、それなりに珍しくないレベルでいるのかもしれません。まあそれは日本もそうなんでしょうが。

ただ等身大感はやや薄く、全体的に不満なく綺麗にまとまっているためにそこだけ少し引っかかったというか、「綺麗にまとめるがために作られたキャラクター」のように見えた面はあったので、これは前回の「DJファントム・イン・ザ・ハウス」と逆で、年頃の子が観て影響を受けるというよりは、大人が観て“手に入れたかった青春”を羨むための映画なのかもしれません。

とは言っても本当に大概の人が不満なく楽しめる優等生映画なのは間違いなく、やっぱりイギリス(この映画はアイルランドメインですがまああの辺全般というゆるいくくり)のコメディ寄りのドラマ映画は良作が多いよなぁと改めて思います。オススメ。

このシーンがイイ!

やっぱりBTTF好きとしては「魅惑の深海パーティ」風のMVシーンが最高でしたね。すごく良かった。

あと海岸で撮影した曲、手拍子が入るアレンジが最高。

ココが○

まーとにかく欠点がないですよ。

きちんと悪役(校長)もいて、スカッとする人選の妙もあって、本当に爽やかで嫌味がない。むしろ優等生すぎる良さが嫌味なぐらい。

ココが×

僕が唯一引っかかったのは上に書いた「主人公が高校生として等身大感に欠ける」点なんですが、それもまあ頑張ってほじくれば出てくるかなぐらいの不満です。

MVA

楽しみにしていたヒロインのルーシー・ボイントンはちょっとケバくてもったいなかったのが残念。

あとウサギ好きすぎの万能プレイヤー、エイモンを演じたマーク・マッケンナが「昔の子役」っぽい感じもゆるい雰囲気もすごく良かったなと思いますが、今回はこの人にします。

ジャック・レイナー(ブレンダン役)

コナーの兄でロックの師匠。

まあ役的に結構ズルいので順当っちゃ順当です。全然気付かなかったけど「ロイヤル・ナイト」の彼でした。

僕自身ダメ人間なので、こういうダメ人間が良いヤツだな、って感じられる話は好きなんですよねぇ…。とても良かったです。

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