映画レビュー0332 『007 スカイフォール』

昨日なんかは昼寝したら暗くなってたというお決まりの体たらくで、ストックはあるんですがなかなか更新できてません。スミマセヌ。そんな中、早速今日観て参りましたこちら。

個人的に、「ドラゴン・タトゥーの女」「ダークナイト ライジング」に続く今年の超期待作最後の一本ということで、結構ハードルが上がりつつの鑑賞。

ちなみに「007」シリーズは何本か観てますが、劇場は初めて。IMAXにて鑑賞。

007 スカイフォール

Skyfall
監督
脚本
原作
イアン・フレミング
音楽
主題歌
『スカイフォール』
アデル
公開
2012年10月26日 イギリス
上映時間
143分
製作国
イギリス・アメリカ

007 スカイフォール

テロ組織に潜入しているNATO工作員のリストが入ったハードディスクを奪われたMI6は、ジェームズ・ボンドにその奪回を指示するが失敗、彼も死んだものと思われていた。3ヶ月後、生きていたジェームズ・ボンドはMI6へのテロ攻撃を機に職に復帰、再度ハードディスクの行方を追う。

“アクション以上”まで至らず。

7.5

ダニエルボンド3作目ということで、過去2作と同様、リアルな人間描写と「今風」のスパイ描写、というパターン。結論から言ってしまえば、面白かったです。面白かったんですが、個人的に「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」と続いた“娯楽大作の壁越え”をコレにも期待していた分、ちょっと期待ハズレだった、というのが正直な感想です。そこまで突き抜けるものはなかったな、と。

オープニングは「007 カジノ・ロワイヤル」を彷彿とさせるハイテンションな追走劇。結局「スパイリストの入ったハードディスクの回収」というミッションは失敗、ジェームズ・ボンドは休暇を余儀なくされます。MI6へのテロ攻撃を受けて復職したボンドは、再度そのハードディスクを奪った人間を追うため、休養明けで不安の残る中、再び現場へと戻り…というストーリー。

まずオープニングは文句ナシで、ニヤニヤしながら「いやー、やるねぇ」とわくわくさせられるようなノンストップアクション的な展開に否が応にも盛り上がります。

んが! 結局、そこがピークだったような。

そこから落ち着いてストーリーが回り始めるのは当然なのでいいんですが、さすがにこういうシリーズモノかつヒーロー的要素も兼ね備えていると、当然ながらある程度展開は読めるので、読ませないだけの勢いを作り続けるか、それとも「読めるけどいいんだよチクショウ!」という完成度まで持っていくかしかないと思いますが、厳しいようですが、そのどちらも欠けていた気がします。

振り返ればストーリーは今までの「007」から脱却していないし、「だからこそ007なんじゃないか!」と言うのもよくわかりますが、その新旧両方のファンに向けて最大公約数的な作りになっているので、どうしてもエッジが立っていないというか、早い話が「マンネリ感」から抜け切れていない感じがありました。

「007 カジノ・ロワイヤル」については、「ジェームズ・ボンド誕生の物語」だっただけに、まだまだ弱さだったり人間味だったりが色濃く出ていたし、終わりのまとめ方もビシッと決まってかっこよくて、「おお、こりゃあ今までとは違うぜ」とワクワクできたんですが、新生007も3作目となったことで、早くも「この路線です」というマンネリ感が見え始めてきたのかな、という印象。

もちろん、相も変わらずダニエルボンドはかっこいいし、全面的に評価してはいるんですが、ただこのボンドはもっとダーティでいいし、もっとシビアな世界にいて欲しいというか。「ダニエルボンドなのに普通の娯楽大作に戻っていった」ような印象があって、そこが観ていて終始惜しい、乗り切れない印象になってしまいました。

繰り返しますが、面白かったですよ? 面白かったんですが、「ダニエルボンドシリーズはこのレベルじゃない」と思うんです。

結構観る前の時点でベタ褒めしてるレビューも観てたので、ちょっとハードルが上がりすぎた面もあったとは思いますが、それを差し引いてもベタ褒めするほどの映画ではないと思う。あくまで、「普通の娯楽大作」レベルです。

「Mへの忠誠心が試される」みたいなキャッチコピーで語られる通り、この映画はある意味Mが主人公でしたが、そういうキャッチコピーがあったからこそ、勝手にもっと人間ドラマ寄りの深みを見せてくれるのかと思っていたんですが、結果的には完全に「アクション映画」の域を出ていなかったというのもちょっと評価をしきれない面だったと思います。まあ、だからアクション映画としては間違ってないんですよね、きっと。

ただ、僕はもう一段上の深みとか複雑さを観たかったし、極端に言えば「アクション映画」で済ますならピアース・ブロスナンでよかったんじゃないの、と思うわけです。

「カジノ・ロワイヤル」からもう007は以前までのステージより上に来ていると思っているので、そのステージにいる映画としては不満だな、と。多分作られるであろう次回作で、「カジノ・ロワイヤル路線」と「昔の007路線」のどっちに寄っていくか、そこが今後の007シリーズとしてすごく重要になってくる気がしますね。

まあ、昔に戻っていくことはないと思いますが、次も今回みたいに八方美人なごまかし方をしちゃうようなら…個人的にもう007は見限るかもしれません。

とは言え観ますけどね。ただ、監督が変わらないなら過渡な期待はもうしなくなると思います。

このシーンがイイ!

断然、オープニング。追走劇のテンション、映像の迫力、アクション、どれも文句なし。

同じく「いつものオープニング」である歌もよかった。

ココが○

前から言っているように、僕はMもダニエルボンドも好きなので、今回のストーリーの軸の部分は結構たまらないものがありました。ただ…それだけにもっとやれただろう、という思いもあるわけですが。

あとは、今までよりも過去の作品を観ていた人向けのシーンが結構あって、そこは継続ファンには美味しい作りになっていたのはいいんじゃないかと。知らなくても問題がないレベルでもあるし。思わず「ニヤッ」とするシーンはいいですね。

ココが×

「突き抜けない感」がすべて、かなぁ。もっと「やっちゃって」いいと思うんですよね。世間では「ガンバレルのシーンがオープニングにない」とか「最後は女を抱いて終われ」とか、いかにもな007的意見もありましたが、僕は逆に「そんなの全部無くして新しいボンド像でやれよ!」という方なので、もういっそボンドガールもガンバレルもいらないぐらいだと思うんですが。

が、そういう両極端な人たちどっちにもいい顔したくて作ると、こうなるんでしょう。上と言ってること逆じゃねーか! と思われそうですが、「知ってるとニヤッとする」のと、「お決まりで常に入れる」のは別物なので。前者は知らなくてもいいけど知ってると楽しいもの、後者はただの“お約束”。「ダイ・ハード」はいつもクリスマスじゃなくていいだろ、っていうのと同じレベルの話です。無くても面白ければ観客は満足するって話ですよ。

MVA

役者陣は良かったですねー。ダニエル・クレイグは相変わらずスーツが超似合ってかっこいい。姿勢の良さは見習わないと…と猫背になりながら書いてます。

ナオミ・ハリスもカッコ良かった。ナルホドそういうつながりになるのか、とニンマリ。

悩んだのはM役のジュディ・デンチ。ストーリー関係なく、もう歳も歳だし、目の病気だかで台本が見えなくなってきているらしいので、これが最後のMだろうなぁ…と思いながら観ていたわけですが、実際これでM役は引退のようです。だから彼女に…と言いたいところですが、なんとなくいつものジュディ・デンチほどの迫力というかオーラというかそういうものが感じられなくて、選出外。結果、この人にしました。

ハビエル・バルデム(ラウル・シルヴァ役)

今作の悪役。ちょっとオカマっぽい“ただならぬ雰囲気”が強烈でした。演技も当然ながらうまかった。

ただ、役としてはちょっと不満。このシリーズはこういういかにも「狂っちゃった元エージェント」みたいな敵役からもそろそろ卒業して頂きたい。

どちらかと言うと「悪役だけどシンパシーを感じる」ような人間的な魅力がある人を相手に据えた方が、物語に深みが出る気がしますがどうでしょうか。「ザ・ロック」のエド・ハリス的な。

古いよ、っていうね。

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