ゲームレビュー0003 『Slay the Spire』

最近どうしても紹介したいゲームとしてはこの1本で終わりかな、という感じなのでしばらくゲームのレビューは滞る予定です。

Slay the Spire

Slay the Spire
開発

Anthony Giovannetti
矢野慶史

発売日

2019年1月23日 Steam

プレイ時間

1100時間超

製作国

アメリカ

プレイ環境

Mac/iPhone

Slay the Spire

一生やるかもしれない。

10
ローグライクデッキ構築ゲームの金字塔
  • 基本デッキでスタート、毎回ランダムなステージと報酬を選びながらクリアを目指す
  • ボードゲームライクなアナログとデジタルのいいとこ取り
  • 奇跡的なバランスの良さで一生遊べる
  • 絶対やろう

あらすじ

おそらくここ10年…いや20年かもしれませんが、その間で最もプレイしているゲームだと思います。Steamで買って面白すぎて出先でもやりたいと思ってiOS版も買っちゃって今も延々と遊び続けているようなモンスターゲーム

なお上記プレイ時間はiOS版で確認したもののみでSteamの時間は入っていないので、おそらく総プレイ時間は1000時間を超えてます。

※Steam確認したら228時間になっていたので、合計で1100時間超えてました

ストーリーは謎めいてはいるもののほぼ無し、ゲーム性一本勝負に近いインディーズゲームです。

プレイヤーは4人のそれぞれ特徴が違うキャラクターから1人を選び、それぞれに設定された10枚程度の固定デッキからスタート。戦闘やイベント、ショップ等を経てカードを入手しデッキを強化、また「レリック」と呼ばれるいわゆるパッシブスキルを増やしていきながらキャラクターも強化していき、全3層+αの塔を登り切ったらクリア、というゲームです。

ステージ構成や敵の配置は遊ぶごとに変わるローグライクを採用していて、報酬も毎回ランダムのため遊ぶたびに違う戦術を取る必要性があり、自キャラの強さも都度様々。あっさり死ぬこともあれば、最後まで圧勝して終わることもあります。

と言われると一部強カード・強レリックのせいでバランスが悪いのでは…と思いがちですがそんなことはまったくなく、これがもう絶妙すぎるバランスを保ったゲームになっていて、「やれそうでやれない」ギリギリ手が届かない感覚で「もう一回」とプレイを繰り返させ、時折オレツエーして楽しめる気持ちよさもある…という文字で説明するのが困難なレベルで絶妙なプレイ感覚に仕上げておりますよ。

早口でまくし立てます

確かSteam版もiOS版も定価で買ったので、両方合わせて3000円ぐらいだと思うんですがプレイ時間からすれば激安も激安、気持ちとしてはもはや払ってないようなもので実質0円です。

iOS版も買い切りなので買ったら一生遊べちゃう。スマホゲームに1200円ちょっとは少し高いと思うかもしれませんが、もちろんガチャみたいな課金システムも無ければ広告も入らない本当の買い切りなのでむしろ安すぎて申し訳ないレベル。もう一度二度払いたいぐらいに遊ばせてもらってます。

僕が最初に買ったSteam版の時点では3キャラで、その後アップデートで1キャラ増えて4キャラになりました。現状の進行状況としては先日ようやく全キャラでアセンション(高難易度)モード上限の20をクリアしました。

ちなみにこのゲームは特定の条件を満たすとラスボス的な4層目が登場するんですが、アセンションに関しては3層クリアでクリア扱いになるので4層までは踏破していません。なので今はいよいよ全キャラの最高難易度でラスボスまで倒すぞ、というところに来てますが、4層目はおろか3層目にすらろくにたどり着けないのでまだまだ遊べそう。

もう僕が死んだら棺桶に「ストライク」と「防御」のカードを入れて一緒に燃やしてほしいぐらいやってますねこれは。

システム的には上記の通りローグライクなので毎回ランダムなんですが、敵の行動に関してはターンの最初に予め提示されていて、自分がどれぐらいダメージを受けるのかがわかるようになっています。それに合わせてこっちも防御と攻撃をどう配分するかを考えて行動するわけですが、当然カードの“引き運”にも左右される(相手が強めの攻撃をしてくるけど防御系のカードを引いてこないとかもある)ので、「今回は強いぞ」と思ってもあっさり死んだりしてなかなかままならないゲームだったりもするんですが、そこがまた面白いんですよ。

この一点に対応するだけで「バランスを考えて攻撃系と防御系を同じぐらい増やしていくか」とか「ドロー系(カードを引く)カードを増やすか」とか「デッキのカード数自体を減らして回転数を上げるか」とか戦略もいろいろ取れる幅の広さがあり、またそれらの戦略には当然キーとなるカードやレリックがあるので「今回はこれが手に入ったからこの戦略で行こう」と入手したアイテムから柔軟に戦略を組み立てていく楽しみもあります。

そしてその戦略どれもが絶妙なバランスの上に成り立っていて、何が絶妙かと言うと「うまく行かないと死んじゃう」のは当然ですが一方で「うまく行くと無双できる」、このバランスがめちゃくちゃ良く出来ているんですよ。

つまり毎回こっちは「無双してやるぞ覚悟しておけ」と思ってやるんですが、なかなかうまく行かずに殺されることを繰り返すわけです。「ちくしょーあとあれがあれば…」とか「あれを先に引いてれば…」とか。で、その悔しさから「もう一回」と繰り返してしまうと。これもう法律で禁止されてないだけで危ないやつじゃない??

元々僕自身アナログゲームが好きなこともあるとは思いますが、まー本当にドハマリしましたね。子ども時代に触れてたら本気でヤバかったと思います。他のことを一切やってなかった可能性がある。

ちなみに作者はデッキ構築ゲームの始祖と言える「ドミニオン」が好きでこれを参考に作った面もあるそうですが、ドミニオンもまた相手がいれば永遠にやれる奇跡のゲームなので納得しかない。

裏を返せば「ドミニオンを一人でも延々とできるように改造した」のがこのゲーム、と言えるかもしれません。危険物すぎます。

キャラクターについて

またキャラクターによってそれぞれプレイ感がまるで違う…上にどのキャラも同じようにバランスが取れている、というのもものすごいことでもう畏怖の念すら覚えます。

軽くキャラクターを紹介すると、まず最初は一番オーソドックスな「アイアンクラッド」。彼は筋力(攻撃力)を上げる、もしくは防御を稼いでそれを攻撃力に転嫁して戦うタイプで、わかりやすい脳筋スタイル。

2人目は「サイレント」。彼女は毒(状態異常)でこちらの攻撃関係なく削っていくか、使うのにコストがいらないナイフを増やして手数で切り刻むキャラクター。

3人目は「ディフェクト」。彼はオーブと呼ばれるカードとは別の攻防手段を持ち、それを使って戦うタイプで位置付けとしては魔法使いのようなイメージでしょうか。他のキャラとはだいぶ手触りが違って楽しいです。

最後に追加された4人目「ウォッチャー」は攻撃力が倍になる反面ダメージも倍になる「スタンス」を切り替えて戦うキャラクターでかなりピーキー。彼女のレベル20クリアは多分半年はかかったと思います。

まー本当にこの4キャラそれぞれ面白さが違うんですが、それぞれまったく違う戦い方を求められる上に同じぐらいの難易度になっているのがすごすぎてハゲそうです。よくここまで作り込んだなと。

基本のカードを除くとキャラによってそれぞれに合わせた種類のカードが出るようになっていて、それがプレイ感の違いにも繋がっているんですが、たまにショップで「全カードが出る」レリックも売っていたりしてそれを買うとカオスになってまた違った楽しさがあったりもします。「こいつにこのカード強すぎるだろー!」みたいな。

もう本当に脳汁出るポイントがいろいろありすぎて、でも基本的にはうまく行かないことのほうが多くて、この「うまく行くと気持ち良すぎるけどうまく行かないことのほうが圧倒的に多い」バランスの良さも奇跡的。

とにかく凄いゲームだと思いますね…。人間なら誰でもやってみてほしいと思う。ゲーム性はすぐ理解できるけど奥が深すぎるというゲームとしての一つの到達点にあるんじゃないかとすら思いますね。

取扱注意すぎる

そんなわけでもう買えよ、やれよでしかないんですが、危険物すぎるのであまりオススメもできません。

今でこそだいぶ耐性が出来たので空き時間にチマチマやるぐらいで済んでいますが、購入からしばらくの間は本当に時間泥棒すぎて他に何もできませんでした。仕事もできませんでした。便意も無いのにトイレに行ってやってました。

ちなみに今でも「これはいい感じな回だな」と思うと普通に睡眠時間を削るぐらいにはやってしまうので、やっぱり劇物だと思います。

なので皆さん絶対に買わないでください! 警告はしましたよ! 買わないで! でもやって!!(矛盾)

このシーンがイイ!

いいシーンもへったくれもないのでここは該当無しで。

ココが○

◯しかないのでいちいち書きません。

ココが×

不満が一切無いかと言うとそうでもなく、一応開発者は「意図的にプログラムはしていない」と言ってはいますがお金があるときに限って2層最初に金を奪う盗賊的なやつが出てきたり、「こいつが出てくるときついな」と思う中ボスが出てきたり、手数で圧倒するデッキのときに限って手数を制限してくるボスが出てきたり…と多少手心が加えられた動きを感じることはあります。

まあそれでも偶然なんでしょうが、偶然で片付けるにはこっちも施行回数多すぎるもんでね…!(印象に残ってるだけかもしれないけど)

MVA

これまたストーリーモノではないので該当なしで。逆に言えばストーリー関係ないのにこれだけハマるのもまたスゴい。

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