映画レビュー0403 『ソウル・サーファー』

数人の知り合いが薦めてくれたので鑑賞。劇場で予告編も何度か観ていたので、ある程度内容は想像できていたんですが…。

ソウル・サーファー

Soul Surfer
監督
ショーン・マクナマラ
脚本
ショーン・マクナマラ
デボラ・シュワルツ
ダグラス・シュワルツ
マイケル・バーク
原案
ショーン・マクナマラ
デボラ・シュワルツ
ダグラス・シュワルツ
マイケル・バーク
マット・R・アレン
キャレブ・ウィルソン
ブラッド・ガン
原作
『ソウル・サーファー サメに片腕を奪われた13歳』
サニー・ハミルトン
シェリル・バーク
リック・バンシュー
出演
アナソフィア・ロブ
ロレイン・ニコルソン
音楽
公開
2011年4月8日 アメリカ
上映時間
105分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(ブルーレイ・TV)

ソウル・サーファー

若くしてスポンサーが付くほど将来を期待されていたサーファー・ベサニー。だが13歳の時に海で鮫に襲われ、一命は取り留めたものの左腕を失ってしまうが、それでも波に乗りたいと彼女は再びサーフィンを始める。

素晴らしい実話だけど、映画としては普通。

6.0

普通の人間だったら鮫に襲われて片腕になったところで「もう一度サーフィンを」なんて思えないところですが、この実在するベサニー・ハミルトンさんは強い信念のある人なんでしょう、早期復帰し、さらには大会を目指して練習まで始めます。そんな彼女のサーフィンと家族、そして事故と成長を描く物語です。

今現在もバリバリ現役の23歳女子をモデルとしているせいもあってか、おそらくは結構事実に忠実な内容の話になっているんだとは思います。 ※ただし親父はこんなにかっこよくなさそう

最近かなり多いですが、エンディングに実際の映像を流して映画にリアリティを持たせているパターン。主役のアナソフィア・ロブとその家族たちの熱演もあって、老若男女誰でも観られる、清々しい人間ドラマと言っていいでしょう。

が、映画慣れしちゃっている身としては、コレ以上でも以下でもなく。予告編から感じていたように、大体の流れと決着が想像通りで、ヒール的な人の行動についてもベタすぎてさすがにちょっとこういう話は見飽きたな、と。

誤解されたくないんですが、実在するベタニーさんの事故と人生については軽々しく「大変だったね」なんて言えないほどの壮絶なものだと思うし、尊敬の念を抱かずにはいられません。ただ、これを映画として大衆向けの娯楽にし、お金を稼ぎますよというフォーマットに乗っかっちゃっている以上、映画の作りそのものについては不満を感じずにはいられません。いかにも「誰もが感動できる良い話」にまとめてる優等生的なイメージ、そこが気に入らない。

かと言ってじゃあどうすれば、というと答えはないので勝手な外野の意見でしかないんですが、ある種こういう映画は「こういう人がいるんだよ」と広める役割と同時に、その人を食い物にしている面がどうしても出てきてしまうので、そこが気になる時点で僕自身、この手の映画には向いていないんでしょう。

面白おかしく作り上げたわけでもなく、真面目にいい話として作っているので、おそらくご本人も不満が無いことを考えればこれはこれでいいのかもしれませんが。

多分、自分が一番気に入らなかったのはヒールの存在ですね。彼女が本当にいて、本当にああいう言動をしてたのであればゴメンナサイとしか言えませんが、どうも映画臭い役柄っぽさがにじみ出ていて気に入らない。あの子抜きでベタニーさん自身の強さを強調する作りなら素直に感動できた気がします。

とは言えこれは一人の天邪鬼の穿った見方であることも否定できず、純粋な人であればそれこそ感動が波のように押し寄せるのではないかと。年頃の子供がいたら一緒に観るといい気がしますね。いろいろ考えるきっかけになると思う。

そういう意味では教材向きというか、やっぱり「誰もが感動できる(無難な)映画」なんでしょうね。あとはサーフィンが好きならちょっとは違うかもしれません。なんせ僕はご期待通りやったこともないので。

でも片手でバランスを取る、って大変そうだよな…。

このシーンがイイ!

やっぱりターニングポイントになったタイへの旅行は良いシーンだったと思います。

ココが○

割合コンパクトな上映時間な点。

それと「優等生的で気に入らない」というのは裏を返せば過不足がないとも言えるので、大きく外すことはないと思います。

ココが×

「片腕のサーファー」であることはこの映画を観ようと思った時点で最初からわかっていることですが、序盤で結構煽るんですよね。サーフィンのシーンで。何度か「来るか!?」って感じのBGMが流れます。あれはまったく必要ないですね。あそこもかなりの減点ポイント。そういう演出がもっともふさわしくない話です。

それと、これは×というよりも日本人的に気になるポイントとして、結構宗教観の強い会話が多いです。「神様が~~~」みたいな。あの辺は無信仰の日本人としてはあまり心情に寄り添いにくい面かなと思います。

MVA

もうデニス・クエイドがデニス・クエイド過ぎてこの人に、と思ったんですがやっぱりこっちの方にしておきます。

アナソフィア・ロブ(ベタニー・ハミルトン役)

腕はCGで消していたらしく、その技術もすごいなぁとは思いますが、それはさておき彼女の演技、ばっちりでしたね。

意志の強さ、凛とした美しさがあってまさに適役。これから注目の女優さんだと思います。

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