映画レビュー1603 『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』
MCUはもういいかなと思いつつ、聞こえてくる評判が良いのとスパイダーマンならまあ前作も観てるし行ってもいいかな、ということで行ってきました。
なお当然ですが例によってどうしても前作の結末を踏まえての内容になってしまうので、まだ前作未見の方は読まないことをおすすめします。
スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ
デスティン・ダニエル・クレットン
スタン・リー
スティーヴ・ディッコ
『スパイダーマン』
トム・ホランド
ゼンデイヤ
セイディー・シンク
ジェイコブ・バタロン
ジョン・バーンサル
トラメル・ティルマン
ライザ・コロン=ザヤス
マーク・ラファロ
マリサ・トメイ
フローレンス・ピュー
2026年7月31日 アメリカ・日本
145分
アメリカ
劇場(IMAXレーザー・2D)

久々観たらやっぱりすごい。
- 一人ニューヨークの街を守りつつネッドのインスタをひたすら見てるだけの寂しい男、ピーター・パーカー
- しかし厄介な能力者にウジウジしているメンタルを突かれ、再びMJに危険が迫る
- “らしい”軽さがありつつも前作の結末を踏まえ、全体的にホロ苦いスパイダーマン
- ラストシーンが良すぎて雄叫びをあげ半径1km以内のすべてを破壊して帰宅
あらすじ
個人的には前作のスパイダーマン以来のMCUなのでなんと5年ぶり。もう5年も経つことに衝撃を受けますが、久々観たらやっぱりすげーなということで面白かったです。
前作の最後にドクター・ストレンジの魔術によって全世界の人々から記憶が消され、一人になったピーター・パーカー(トム・ホランド)。
ニューヨークのあちこちで発生する犯罪に対応しつつ、MITに進学したネッド(ジェイコブ・バタロン)とMJ(ゼンデイヤ)がインスタでやってる配信を一人ベッドでウジウジと見つめる日々です。
ある日ダメージ・コントロール局に向かって破壊を繰り返している戦車が発見され、止めに入るもなかなか止まらず、同じく止めようとやってきたパニッシャー(ジョン・バーンサル)といざこざもありつつ頑張りますが結局手前では止めきれず、局に入ったところで御用…でしたが中にいたのは普通のお婆さんで、彼女はふと我に返った様子。
その後近くの人々に“何者か”が乗り移っていくことに気付いたピーターはそのまま追っていきますが結局捕らえきれずに逃げられ、その後ダメージ・コントロール局は戦車に搭載された爆弾で大損害を受けてしまいます。
その後もまた現れる謎の“乗り移り”犯を追いかけるピーターですが、やがて彼の“弱点”であるMJに目をつけられまして…あとはご覧くださいまし。
みんな大人になったね
今作はトムホ版スパイダーマンとしては4作目、MCUとしては38作目となります。
前作ノー・ウェイ・ホームがMCU27作目だったので、なんと間に10本も観ていない作品があるのかとびっくり。そのうち観たい…けどDisney+は入るつもりもないので入院する機会でもない限りは観なさそう。
どれだけDisney+の加入者が増えたのかにもよりますが、やっぱりドラマに広げたのは悪手だったと思うんですけどねぇ…。僕のように「エンドゲーム(とその直後のノー・ウェイ・ホーム)でとりあえずいいか」って人、めちゃくちゃいたと思うんですけど。
逆に言えばその分ライバルのDCはチャンスだったはずですがいまだにパッとしないのももったいないというかセンスがないというか…。もう(また)ノーラン連れて来るしかなくない!? 兄貴は難しくてもせめて弟をさぁ!
それはさておき今作ですが、MCUブランクの長い人間が観ても明確に「ご存知感出されても知らない」と思う人は1〜2人程度で、あとは割とそこまでの知識でも問題ない感じではありました。(気付いていないだけの可能性もあります)
パニッシャーだけは「デアデビル」を観ていた都合で知っていたんですが、それもないとパニッシャーも誰? となる感じではあります。余談ですが演じるジョン・バーンサル、あまりにも役に似合いすぎてて良いですね。
話としてはやはり前作が「すべての人の記憶から消される」終わり方だったので、ずっとその悲壮感を抱えているような、切なくてホロ苦いスパイダーマンという感じでなかなか観ていて悲しい。
ただスパイダーマンらしく軽快さも失わず、ところどころちゃんと笑わせてくれるところもお上手です。
今作より監督が変更になっていますが、良くも悪くもそのことを意識せずに観られる安定感があり、さすがマーベルはクオリティの管理がしっかりしてるわね、みたいな。
またアベンジャーズではない単体映画なだけに、出てくる“脅威”も地球滅亡に関わるような重大なものではなくローカルレベルではあるんですが、とは言えそのまま放置してたらえらいことになるぞ感もしっかり伝わってくるだけに、「ローカルヤバ案件だけどちゃんと対処しないとマズい」感じの塩梅が良かったように思いますね。
この辺は「マンダロリアン&グローグー」に感じたこぢんまり感から来るイマイチ感と同じ轍を踏まないように作られているような上手さが感じられます。
しかしマンダロリアン&グローグー、想像以上に日本でウケててびっくりしましたね…。あれからスター・ウォーズに入る人も結構見たのでジョン・ファヴローの狙いは上手くハマったということなんでしょう。
それと今作でもいろいろ武器の改良だったり何なりもいろいろやるんですが(コンピューターの声がナオミ・ワッツで贅沢)、いまだに「試行錯誤・成長の物語」が許されている=観ていて違和感がないのもスパイダーマン特有の良さなのかなと思います。いつまでも完成されたヒーローにならない若さというか。
それはメンタルの上でもそうで、なにせ前作で相当しんどい思いをしただけにいまだに「大人になること」が求められ、それ故に観ている方も応援したくなるキャラクターというのはさすが。
それでもトムホにしてもゼンデイヤにしてもジェイコブ・バタロンにしてもだいぶ大人になったな〜と感慨深いものはありましたが。それは自ずと自分がもっとおっさんになっていることを示唆しているだけに直面できない悲しさもあります。涙なしには観られない。
アクションすごすぎて意味がわからない
あとはもうアクションが本当にすごい。今さらだけど。
スパイダーマンなので吹っ飛ばす→ウェブで固めるを繰り返したりするんですが、本当にどうやって撮影しているのか全然わからないレベルで違和感がありません。
あのクモの糸を使ったアクションってなかなか作るのが難しそうな気がするんですが…すごい。すごいとしか言えない語彙力。
スタッフロールもキャスト以外はデフォルトで2段流れるようになっていまして、当たり前ですがとんでもない数の人たちが関わっていることがよくわかります。つまりとんでもなくお金もかかっているわけで、まあやっぱりMCUは娯楽大作的な意味で桁違いだなと改めて思いました。
そもそも「スパイダーマンシリーズ」として4作目が作られたのはおそらく初で、MCU的にも他にはソーが4作目まで作られたぐらいであとは他に例がない分、それだけ(MCUという大きな枠が与えられている点もありますが)トムホ版スパイダーマンが世の中に“ハマった”ということなんでしょう。
あとはもうラストシーンが良すぎて泣きましたよ。ボカァ。
総じてMCUらしいレベルの高い良作でした。ぜひ。
このシーンがイイ!
これはもうラストシーンしかないです。死ぬほど良くて泣きました。
あれは(3作目までを踏まえた)4作目のラストとして100点満点のラストシーンだと思います。
ココが○
やっぱり飽きさせないですよね。本当に見事だと思います。
最近ワイスピに手を出してきて(そのうちレビュー載せます)「開き直ってすごい」と思ってましたが、やっぱりMCUはさらにその上を行くすごさというか。現代におけるトップの娯楽大作だなと改めて降参です。
ココが×
ストーリーに若干影があり、今まで(過去3作)のようにスッキリ楽しめない…というのはあるかもしれません。
ただ僕はそこが好きでしたけどね。ウジウジしちゃう感じが。そこでよりピーターに感情移入させてくれたと思います。
MVA
当然のように皆さん良かったです。
注目株としてはジーン役のセイディー・シンクでしょうか。よく見てるとマリオン・コティヤールっぽい顔立ちで、演技の巧さもあって将来的にあんな感じに活躍しそうな期待感があります。
それと「セヴェランス」勢としてはミルチックさんでおなじみのトラメル・ティルマンがファイナル・レコニングに続き結構いい役で出てるのもポイントです。相変わらず社畜感。
ということでその他悩みつつ…この人に。
ジョン・バーンサル(フランク・キャッスル/パニッシャー役)
銃火器振り回すマッチョガイ。
なんかここまでアメリカンなキャラって久々に観た気がするんですよね。特攻野郎Aチームの方が似合いそうなキャラというか。
なにせピーターが暗いので、彼のストレートさがストーリー上もいい感じに作用していたように思います。変な話ですが、ピーターにとっての実家のような安心感というか。彼だけは(おそらく)変わらない、裏切らないし過度に味方もしないだろうみたいなニュートラルさが心地よかったというか。
そして何と言ってもジョン・バーンサルが役に似合いすぎてる。かなりハマり役だと思います。
一応書いておきますが、トムホは当然良かったです。あの童顔で身体がバッキバキなのも一部女性には相当グッと来るものがありそう。
ゼンデイヤとはリアルにご結婚とのことで大変おめでたいですね。末永くお幸せに!

