映画レビュー0912 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

改めて今更GWに観た映画アップしてんのかと我ながら驚愕してますが、ここで一旦先週観てきたこちらの映画を挟みます。

ということでスパイダーマン。

正直「エンドゲーム」でもうMCUは一旦良いかなぐらいには思ってました。機会があれば観るかぐらいで、劇場行ってまで観るつもりはないぜみたいな。

ただこれまたご多分に漏れず評判が良いのと、トムホのパーカー君好きなのと、MCUフェイズ3ラストを飾る映画であるのと、ライスちゃん出てるのといろいろあって結局行っちゃったよということで。

当然ながら最寄りの劇場のイチオシはIMAXレーザー3Dなんですが、いよいよもってもう3Dでは観たくないという強い意志によって通常のスクリーンでの鑑賞です。ただ割と大きめのスクリーンだったからまあ良かったんですけどね。

ちなみに作品の性質上、極力避けるようにはしますがある程度は「エンドゲーム」のネタバレに触れざるを得ないので、未見の方は読まない方が良いでしょう。っていうか「インフィニティ・ウォー」で止まってる人からすれば「は? スパイダーマンできんの?」って話だし。やるよ、って時点でネタバレですからねある意味。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

Spider-Man: Far From Home
監督

ジョン・ワッツ

脚本
原作

『スパイダーマン』
スタン・リー
スティーヴ・ディッコ

出演
音楽
公開

2019年6月28日 日本・中国・香港

上映時間

129分

製作国

アメリカ

視聴環境

劇場(通常スクリーン)

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

CG全盛時代を逆手に取ったストーリーで新たな世界の見せ方もお上手。

8.0
「スパイダーマン」単体2作目にしてMCUフェイズ3最後の一本
  • 2週間の研修旅行中にMJに告白したいピーター、しかしニック・フューリーによって計画台無し
  • またも訪れた世界の危機に謎のヒーローが参戦
  • 学生生活を優先したいピーターにそうはさせないフューリーの構図は前作と逆の様相
  • 相変わらず「青春ヒーローモノ」としてオンリーワンの立ち位置

あらすじ

えー、いつも通りのご紹介からスタートってことでね、一応書きますが。

今作はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)23作目となりまして、前作に当たるのが例の「アベンジャーズ/エンドゲーム」、次作は今のところ(多分)未発表です。んで最初に書いた通り、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」以来続いていたフェイズ3の最終作となりますよと。

大体マーベルの映画を観に行くと次の作品の予告編を流してくれるんですが、今回はそういったこともなく、もしかしたらここからまた少し間が空くのかもしれませんね。

ちなみに今後のMCU作品として決まっている(と噂されている)のは何作かあるようですが、なにせエンドゲームがアレ(わかりまっしゃろ的なアレ)だったのでフェイズ4以降は新しいヒーローが多く登場してくるんじゃないでしょうか。わかんないけど。

ってことで今回のスパイダーマン。いろいろありつつも学校生活に戻っていったピーター・パーカー=スパイダーマンですが、今回は2週間の研修旅行(夏休みも兼ねた学校のイベントっぽい)でヨーロッパに行くぜということで、そこでMJとお近付きになって告白するプランを練り、ネッドにお披露目しております。青春ですなぁ。

一方「エンドゲーム」で救われたはずの世界にはまたも驚異がやってきて、何やらヤバイ自然災害系ヴィラン的なやつらがご登場したんですが、そこに颯爽と現れた謎のヒーロー・ミステリオがひとまず地球を救ってくれ、事なきを得ましたよと。やったねと。

しかしその自然災害系ヴィラン、今度はなんとタイミング悪くピーターたちが訪れていたヴェネツィアにご登場、これまたミステリオが対処したもののまだ残ってるぞってことでニック・フューリーはピーターに手伝えと迫ってきます。もう学校優先の「近所のトラブル解決ヒーロー」じゃ困るんだぜと。むしろ今後はアベンジャーズの中心メンバーとして活躍してくれよとグイグイ来るわけです。

本人は「旅行中はスパイダーマン封印!」のつもりがスーパーセクシーメイおばさんの機転によって図らずもスーツ持参となったスパイダーマン、やむなくミステリオと共闘しつつ驚異に立ち向かい、せっかくの計画も台無しだぁ…としょんぼりしつつも世界の危機に対応しなければならない辛い状況の中、果たしてピーターはどうなる、ミステリオは何者だ、そしてMJは…! とティーンエイジャーらしい「自分とヒーローの葛藤」に悩まされるストーリーになっております。ハイ。

ヒーロー像に対するリアルな悩みとの対峙

スパイダーマン単体で観た場合、前作では「僕もアベンジャーズに入りたい入れるのかな入るぞ」と気合いが空回りしているぐらいに前のめりにヒーロー活動に熱中していたピーターが、今度はまったく反対の「学校優先(というかMJのことしか頭にない)にしたいのにヒーロー活動が邪魔してくる」的に逃げる方向に動くのが面白いところですね。「ピーターはんも偉うなりはりましたなぁ」と嫌味の一つでも言ってやりたくなるぐらいの変わりっぷり。

最もそれは前作と今作での彼のヒーロー序列に関わってくるお話なので「アベンジャーズ側視点」で見れば当たり前。エンドゲームでいろいろあった(一応ボカします)だけに、まあいわゆる世代交代と言うか「そろそろ君が中心になるぐらいの気概でやってもらわんとかなわんで!」っていう。

しかしピーターとしてはその現状にまだ頭が追いついていないのか、はたまたそういう“モード”に切り替わっていないのか、ヒーローとしての責任感よりもMJ、とにかくMJと良い感じになりたいという気持ちしか無いという思春期大爆発な一本でございますよと。

結局この映画のスタート時点では、ピーターは「ヒーロー活動の意味」を正しく理解していない状態から始まっているんだと思うんですよ。

「ヒーロー」とはどんな存在で、どういう犠牲を伴うのか、そしてそれに対してどのような覚悟が必要なのか、それがわかっていないピーターがその「こうあるべきヒーロー像」に直面し、それを乗り越えるまでの物語が今作なんだろうと思います。

この「ヒーロー像に悩む」ヒーローというのはしょっちゅう出てくるテーマだと思いますが、しかしこの映画は思春期の等身大な少年が主人公ということも手伝って、非常にリアリティのある身近なテーマになってきているのが良いところですね。今まで以上に誰でもわかる悩みに落とし込まれている感じで。

ピーターの頭の良さ際立つ

また前作以上にピーターの“頭”の部分が重要なお話でもあると思います。

彼は観てると(主にバトル中は)本当に臨機応変に対応していて、「この能力持ってても相当頭の回転が速くないとこれだけ戦えないよな」と感心するぐらいに一瞬一瞬の判断力が素晴らしい。

その場その場での切り替え、リカバリー能力の高さはもしかしたらアベンジャーズでも随一なんじゃないか、というぐらいにかなり地頭の良い動きをするのが印象的で、それだけに“頭の良い人”であることは間違いない、と思うんですが…。

一方で彼のその“頭の良さ”に付け込むかのようなトラップもあったりして、前作以上にピーターの個の部分が大事な話でもあるし、「頭は良いものの経験が少ない善良なヒーロー」の姿をきっちり捉えるストーリーはなかなか良く出来ているんじゃないかと思います。

それもこれ見よがしに優秀さを見せつけているわけではなく、さり気なく「ピーターって頭いいんじゃないか?」と感じさせるさじ加減も◎。

ただ…大きな流れとしてはちょっと残念な部分(これはネタバレ回避のためここでの詳細は避けます)も結構あり、そこもうちょっとうまくできんかったんかいなと思わないでも無いです。まあこれは観客の無責任な感想でしかないんですけどね。

ちょっと予想を裏切るような良さがなかったのが残念だし、ヴィランが魅力的だった前作と比べると少し弱いかなぁと言うのも確か。

新しい世界の見せ方がお上手

お話的にはですね、これまた詳細は控えますがなかなかこのCG全盛時代を逆手に取ったかのような、なんならちょっと皮肉なぐらいのストーリーで新しい世界を見せてくれている感があり、その辺やっぱりMCUだなと思いますね。

僕のようなおっさん的には、CGってやっぱりなんだかんだいまだに「現実の補完をいかに違和感なく描けるのか」が大事な印象が強いんですよ。リアルで描けないことをCGで描いてリアルに寄せていく、そのためのツールというか。

現実でやれることも予算とか倫理的な部分でCGに置き換えたり、逆に現実では描けないものをCGの力を借りて描いたりとか。SFなんかそっち方面ですが。

で、一昔前であれば「CGがちょっと軽い」とか違和感の有無を気にしながら観ていたのが当たり前だったのが、もうここ10年ぐらいはそんなことは気にならなくなり、現実とCGの境目を気にしながら観るなんてことは無くなってきたと思うんですよ。少なくとも僕の場合は。(人によっては最初から気にしてないのかもしれません)

そうやって「CGと現実の境目を気にする必要がなくなった」今だからこそのストーリーと言うか、それ故に説得力を持たせる内容になっているのがとても面白い話だと思います。今のテクノロジーがあれば「実際のこういうことあり得るよね」と思わせる作りの巧みさと言うか。

こういう現実とのリンクのさせ方のうまさはさすがだし、「青春ヒーローモノ」の影に隠れがちな側面ですが、意外とこの話の核の部分というのは今後の映画に影響を与える可能性があるんじゃないかなと適当なことを言っておきたいわけです。

種まきが足りてないのが不満

MCU全体で観ると、「エンドゲーム後」をきっちり受け止めるストーリーだとは思うんですが、ただ「うおーこれはやっぱりフェイズ4も観ないと…!」と思わせるほどのパワーも無かったのは残念。あくまで僕個人の話ですが。

コレ書いちゃうとアレかもしれませんが…まあ早い話がフェイズ4に向けての種まきが圧倒的に足りてないので、もう本当にこれで「よし一旦終了だな」ってなっちゃう感じなんですよね。一息つけちゃう。

なにせエンドゲームがエンドゲームだっただけに、ここでもう一度「やっぱりこれは今後もMCU気になりまくりやないか…!」とさせるだけの何かが欲しかったなと思います。

一応スパイダーマン的に気になる布石は打っているので、シリーズ3作目となる次作も当然観るとは思うんですが、ただそれはあくまで「スパイダーマン的に」気になるだけであって、MCU全体にはあんまり関係ないしそこが弱いのが残念でっせ、と思うわけです。

まあとは言えね、さすがにあの「エンドゲーム」後とは言えMCU、当然ながら面白いしよく出来てます。外さない感がすごい。

位置付け的には「エンドゲーム後の喪失感を観客と共有」的な側面もあるし、まあキリも良いからここまで観てフェイズ4以降はどうしようか各々その時考えましょうね、って感じでしょうか。

ネタバレ・フロム・ホーム

やっぱり観客が今作で一番気になっていたのは「ミステリオが敵なのか味方なのか」ってところじゃないですか。言い換えれば「今後のMCUにジェイクが参戦するのか」。

それが結局事前に(大半の人が)予想した通り、結局ジェイクはヴィランでしかも割とショボい、っていうのがすごく残念でしたね…。いやショボいのはまあ良いんですけどね。上に書いたテクノロジー云々の通り、今の時代だからこそ「こういうヴィラン」もあり得るわけだし。

ただキャスティング的にも元から癖のあるタイプの人なので、彼が中盤までの姿の通り(まさかの)良い人でヒーローとして今後も参戦してくれたらすごくアツいよな…と思って観ていただけに結構なガッカリ感があったんですよねぇ…。

劇中のフリとしても完璧と言うか、グラサン(イーディス)をかけたジェイクにトニー・スタークをオーバーラップさせるシーンがすごく良いじゃないですか。「確かに似てるしこれは…!」みたいな。「もしかして予想を裏切ってマジでイイヤツでアベンジャーズ加入あるか!?」って。

まあ単体映画として観れば、そこから「はい残念でしたー」は正しいやり方なんでしょうが、ただこれはMCUという長々と続いてきているシリーズの1つなんでねぇ…。

「なんだ結局やっぱりジェイクは嫌なやつだったのかよ」のガッカリ感って結構あったと思うんですよ。大半の人に。

まあジェイクがどんな役をやってきた役者さんなのか知らない人の方が多いのかもしれないし、そういう意味では間違ってないのかもしれませんが…映画ファン的には「うわ結局そのまんまやないか」ってガッカリ感が強いと思うんだよなぁ…。

そういう人たちにとっては「良い人かと思いきや本当に良い人だった」の方がかなり裏切られる展開で、なおかつ(今後もジェイク参戦確定なので)嬉しいという二度美味しい展開になっただけに…悔やまれます。

また予告編の段階でヴィランらしきヴィランが登場していない、なんかCGで自然災害が暴れてるだけみたいな内容だったので、なおさら「じゃあもうジェイクがヴィランやるしかなくね」みたいな予想もあったじゃないですか。ミステリオ自体、原作ではヴィランだって話も知ってる人は多いし。

そこを裏切ってこそだと思うんですけどね…。ストレートに行っちゃって残念でしたね。まあそこは重要じゃないと思っていたのかもしれませんが…。

それにしてもミステリオはピーターが“気付いて”自分にイーディスを渡すと信じていたんでしょうが、あれってピーターがただのバカだとまったく気付かずにスルーされる可能性もあるし、「賢い上に人が良くて純粋」でないと起こり得ない展開なんですよね。

それだけ彼のことをある意味では評価していた、ってことなんでしょうが。なかなかのギャンブルですよねぇ…。リスクはあんまり無いとは言え。

このシーンがイイ!

なんだかんだ言ってバーでのピーターとミステリオのやり取りのシーンかなと思います。あそこはうまいなぁと。

でも本当は職場でのメイおばさんかもしれない。メガネで谷間見せてエロ過ぎるんですけどなんなのマリサ・トメイ。おかしい。50代であのエロかわいさおかしいでしょ!!

ココが○

青春とスーパーヒーローの掛け合わせ方がとてもお上手なので、その辺唯一無二になってきている点と、上に書いたようなCGの使い方&ピーターのキャラクターの描き方。

ココが×

一番は「フェイズ4に向けての種まきが足りない」ところでしょう。ってことは本編とはあんまり関係のない不満かもしれませんが、なにせポジションがポジション(エンドゲームの直後)なので、その辺もう少し頑張った方が後々効いてくるんじゃないの、と余計なことを思わなくもないです。

MVA

今回アンガーリー・ライスちゃんがなかなか出番も多く、それ故彼女と良い感じになるネッドに振り回された徒労感もあったなというファン心理の中、相変わらずトムホも良いしマリサ・トメイはエロいしコビー・スマルダーズも久々に見せ場あったしゼンデイヤも素敵さ増してきたしで候補が多い中、結局この人かなぁというチョイス。

ジェイク・ジレンホール(ミステリオ役)

昔の記事にも書いている通り、元々そんなに好きではなかった人なんですが、しかしやっぱりウマいんですよねこの人。良い役も悪い役もウマい。

まさかヒーローモノになんて出ないだろうと思っていたところにまさかの参戦、そして今作の活躍と。さすがですねホントに。

いかにもヒーロー的なスーツも意外と似合ってたりして、見た目的にも意外とイケるやんっていう。

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