映画レビュー1008 『スタンドオフ』

今日も今日とてネトフリ終了シリーズ。

今回はまったく知らないタイトルでしたが、なかなか評判が良さげなワンシチュエーションサスペンスってことで。

好きなんですよね、ワンシチュエーションサスペンス。

スタンドオフ

Standoff
監督

アダム・アレカ

脚本

アダム・アレカ

出演
音楽

オースティン・ウィントリー

公開

2016年1月4日 イギリス

上映時間

86分

製作国

カナダ

視聴環境

Netflix(PS4・TV)

スタンドオフ

結局はケリの付け方の問題。

6.5
殺人を目撃した少女が逃げ込んだ家で始まった、元軍人 vs プロの殺し屋
  • 偶然殺人を目撃、写真も撮ってしまった少女が殺し屋に追われてある一軒家に逃げ込む
  • 逃げ込んだ家には元軍人が一人で暮らしていて、双方怪我を負った上で長期戦の様相
  • ジリジリと程よい緊張感に程よい上映時間で観やすい
  • フィッシュバーンの狂人っぷりが見もの

あらすじ

一軒家での攻防のみを描いたほぼワンシチュエーションサスペンスアクション。ジャケットからしててっきりローレンス・フィッシュバーンが少女を守る側かと思いきや完全に悪い方でした。あんまりこの人のこういう役見ないから新鮮でしたね。

誰かのとあるお葬式が少人数でしめやかに行われていたところ、いきなり遠くから狙撃され全員死亡。どうやらプロの殺し屋(ローレンス・フィッシュバーン)が何者かに依頼されて殺害を実行したようなんですが、それを遠くで眺めていた少女が一人…!

彼女は写真撮影が趣味で、この日もカメラを持ち出して写真を撮っていたところにその事件に遭遇してしまい、普段は顔を隠して細心の注意を払っている殺し屋も遠くで少女がカメラを構えているなんて思いもせず、覆面を取ったところを激写されてしまいます。

彼女の保護者的存在である叔父が彼女を探しにやってきたところ運悪くこれまた殺害されてしまい、それを目撃していた少女の存在に気付いた殺し屋が彼女を追跡。

少女は少し離れた位置にあった一軒家に逃げ込み、そこに一人で暮らす元軍人のカーター(トーマス・ジェーン)に助けを請います。

カーターが状況把握する間もなく足を撃たれ、ひとまず二階に逃げる二人。やがて追ってきた殺し屋が階段に近付いたところで手元にあった散弾銃でカーター反撃、怪我を負わせることに成功します。

かくして双方怪我を負った状態でにらみ合い、長期戦の様相を呈してきた二人の勝負。しかしカーターの持つ散弾銃の残る弾はたったの一発。果たして彼は少女を守り切ることができるのでしょうか。

ケリの付け方に満足できるか否か

少人数のキャスト&ほぼ一軒家のみのワンシチュエーションサスペンスアクション映画。ということでゴリゴリの低予算映画ですが、この手の低予算映画はアイデア勝負感がより強く出るので僕としてはむしろ当たりが多い印象で、だからこそなおさら楽しみにして観たわけですが…結局は「ケリの付け方」に納得行かず、まあまあかなと言ったところ。

決して悪くはないと思います。というか途中までは単純ですが緊張感も途切れず惹き付ける力もあり、上映時間もこの手の映画らしく短めなのであまりダレ感を感じることもなく、終わらせ方に驚きがあればかなりの傑作と感じていてもおかしくなかったと思います。

が、結局はそこなんですよね…結局はね…。

観ている最中から「これはどうケリを付けるのかが大事だなぁ」と思っちゃうのは当然で、誰もがきっとそう思いながら観ていると思うんですが、となるともう自ずと“終わらせ方”のハードルが時間が経つにつれて上がっていってしまうのはこの手の映画の宿命のため、「それに納得できるか否か」で評価が定まってしまう部分は仕方のないことでしょう。

世の中的に結構評判が良いっぽいのはそこに皆さん満足しているからなんでしょうが、僕はちょっと気に入らなかったと言うか、もう少し緻密な結末を期待しちゃったんですよね。まあアクション寄りのサスペンス(スリラー)なのであんまりそれを期待しちゃうのも酷なんだろうとは思うんですが。

ただ一応念の為言っておくと、急にあり得ない救世主が登場とか「最初からそれやれよ」とかそういう系の興醒めエンドではないのはお断りしておきます。なのでそういう「はー??」みたいな超ガッカリエンドではなく、一応仕組みとしては納得できる内容ではあるんですよ。ただ納得はできるんだけど期待ほどではないかなという感じで、少々不満の結末だったなと。

もう一歩欲しかった

結局ワンシチュエーションの我慢比べのお話なので、くどいようですがやっぱりもう詰まるところ「どうケリを付けるのか」にすべて集約される以上、そこへの評価の話でしか無い映画ですね。

一応カーターの過去がちらっと語られたりとかその他ちょこっと緩急をつける要素はあるものの、肝心の勝負に関する影響はあまりなく、多少の前フリとしての機能しか無いのでそこもあまり惹きつけるようなものでもないし、「にらみ合いだけで80分よく保たせたな」という点ではなかなかやるなとは思いますが、もう少し驚きのある話にして欲しかったなぁというのが正直なところ。

まあ好きな人も多いようだし、短めでわかりやすいのでさっくり観るには良いとも思うので、気になったら観てみたらいいんじゃない、ってところでしょうか。

ネタバレオフ

オンなんですけどね。もうこのコーナーは一貫してダジャレなので。

やっぱり最終的にワチャワチャしてるところをナイフで突っ込んで、っていうのはねぇ…勢いごまかし感すごいな、と。現実的な解ではあったんでしょうが、でも緻密な感じはしないよなぁ。

物語として(受け入れられるかどうかという意味で)成立するのかどうかを除けば、あんな冷酷非道でプロに徹する殺し屋であれば、まずカーターが降りてきた時点で撃たないとおかしいし、彼が手の届く範囲に来てもウダウダ語ってスキを見せてる点がもう「カーター勝利のための動き」にしか見えなかったですね。

カーターは何か仕込んでてもおかしくないわけで、殺し屋が自分の生存と目撃者の抹殺を最優先するなら迷わず全員殺して然るべきでしょう。もちろん元奥さんも、少女も。

殺すことにためらいが出るほど二人の間に友情のような関係性が出来ていたとも思えない(というかそういう描写もない)し、あそこで引き金を引かないのであればそれに足る理由を見出だせるフリがあっていいと思うんですよね。もっとお互いプロとして認め合うようなやり取りとか。

そういうのも無くただカーターの接近を許すっていうのはもうプロとしてお笑いも良いところで、それまで頑張ってたあの時間はなんだったんやとエセ関西弁も出ざるを得ません。

ああいう直接対決で勢いに任せて決着よりかは、スキを狙って(作らせて)勝負に出るとか、もう少し頭脳戦の方に寄せてくれた方が納得できた気がするんですよね。

仕方ないのもわかるんですが、その工夫一つでもっと評価され得るものになったと思うだけに…残念。

このシーンがイイ!

階段越しに二人の姿を捉えるショットがすごく良かったですね。同じ家のすく近くで殺し合う二人の姿を印象的に見せるシーン。

ココが○

緊張感の作り出し方がなかなか良かったのと、印象的だったのはライティング。

ライティングはすごく良かったと思います。おかげであまり低予算感を感じないんじゃないか、ってぐらいにハイセンスな雰囲気がありました。

それと開幕で双方怪我をした分、その怪我が時限爆弾的な意味合いを持ってくるのが良いですね。長期戦になりそうではあるものの、かと言ってずっとこのままではいられない動かざるを得ない要素になるというか。

ココが×

ケリの付け方に尽きます。

MVA

今回は迷わずこの人。

ローレンス・フィッシュバーン(殺し屋役)

冷酷非道なプロの殺し屋。

最初に書きましたがなかなかこの人のこういう役って見ない気がするし、なんなら楽しそうに腹が立つ殺し屋を演じていて良かったですね。余裕ぶっこいてる感じが。

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