映画レビュー0551 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

さて、今年一発目は説明不要のこちらの映画。

通常2D・IMAX3D・4dX3Dのどれかっつーことで悩みつつIMAX3Dにて鑑賞。くどいほど書いてますが、本当はIMAX2Dで観るのが一番なんですけどね…。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

Star Wars: The Force Awakens
監督
脚本
ローレンス・カスダン
J・J・エイブラムス
音楽
公開
2015年12月14日 アメリカ
上映時間
136分
製作国
アメリカ

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。最後のジェダイであったルーク・スカイウォーカーが失踪。その間に銀河帝国の残党が新たに作り上げた組織、ファースト・オーダーが再び銀河に脅威をもたらしていた。それに対抗すべく、ルークの妹であるレイア将軍率いるレジスタンスは、ルークの居場所を探すため、優秀なパイロットであるポーをを砂漠の惑星ジャクーへと派遣した。

とても良くできた焼き直し。

8.0

まず最初に書いておきますが、僕自身、スター・ウォーズに特に思い入れはなく、このシリーズに関しては本当に「普通の知識レベルの映画ファン」でしかないです。なので、熱烈なスター・ウォーズマニアや、逆にまったく知らないスター・ウォーズ一見さんとは見方が異なっていると思います。あしからず。

ちなみに過去作については一応全部観ていますが、初期3部作(エピソード4~6)についてはかなり昔に観たためほとんど記憶もありません。ですが、このエピソード7はエピソード6の約30年後が舞台になるし、4~6のキャラが重要になってくるので、できれば予習してから観た方がいいと思います。僕は間に合いませんでした。無念。

というわけでそれなりの知識しか持ち合わせていない状態での鑑賞となったわけですが、全体的には(当たり前ですが)どっからどう切り取ってもスター・ウォーズ、表面上は「よくぞここまで作り上げてくれた!!」という歓喜の声の元、賞賛されてしかるべき作りでしょう。ただ、それはきっと監督がジョージ・ルーカスではないことと、配給がウォルト・ディズニーに変わったという2点の変更点から見て「よくぞこままで」という話なのかな、という気もします。

至極当然の話ですが、ルーカス主導で作ったとすればこのレベルは当たり前であって、正直観客にとっては関係のない作り手側の事情を考慮して「よくぞ」は違うのかな、と。

若干厳し目の出だしとなりましたが、ただやっぱりスター・ウォーズ、この規模の「The SF」な作りは圧倒的で、迫力もスピード感も段違い。にわかSFとは一線を画した超一級品であることは間違いありません。

ちょうど先週、特殊効果担当のILMの特集をNHKでやっていたのを観たんですが、まあ細部へのこだわりが尋常ではなく、どれだけお金かかってるのか想像もつかないレベルでマンパワーが注ぎ込まれているわけです。

「スター・ウォーズ」という看板を背負う以上は当たり前のこととは言え、それをきっちり完遂する意欲とある種の根性には頭がさがる思いでした。やっぱりスゴイし、ワクワクもします。これはやっぱりスター・ウォーズシリーズにしか成し得ない何かがあるな、と感じました。

だが、しかし。

終盤の展開のデジャヴ感ったらない。

ファンサービスとして、過去作へのオマージュとしての展開だったとしても、さすがに明らかにトレースし過ぎで、これはちょっと…と思わざるを得ませんでした。序盤から中盤にかけてはものすごく盛り上がったんですけどね。自分の中で。

いよいよ行くぞ! っていうクライマックスにかけての展開で一気に熱さまシートを食らった気分。結構あっさり目だったし。これはどうなんだ…!

後に撤回したルーカスの批評をうろ覚えで引用すれば、「スター・ウォーズは常に新しい物を模索してきたが、今回は懐古映画になってしまった」とのことで、なるほどまさにその通りだな、と。

僕はゲームのファイナルファンタジーシリーズが好きなんですが、かつてFFと言えば、どんなにヒットした作品の後でも、必ず戦闘システム諸々は新しいものを採用して意欲的なゲームを世に送り出すのが使命、みたいな部分があったわけです。

ところが最近、スマホゲーでFFがやたら安売りされていろいろ新作に名を連ねているんですが、まあどれも過去作のキャラを引っ張りだして懐古させつつ、中身は他のヒットしたスマホゲーと変わらない、みたいなものが多いんですよ。無駄にガチャさせて。僕はこれをいちFFファンとしてものすごくやるせない気持ちで見ているんですが、多分、同じような感覚をルーカスは抱いたんじゃないかな、と思うわけです。

もちろん、思いの深さやプロジェクトのレベルを同列視できないとは思いますが、それでも果たしてスター・ウォーズマニアの方々は、この映画を観て同じような気持ちにならないんだろうか、と少し気になった次第です。

きっと「そうそうこれこれ、これでこそスター・ウォーズ!」みたいな賛成派もいれば、「新しいことをやろうとしないスター・ウォーズに意味は無い」と思う否定派もいるんでしょう。それはスター・ウォーズの何が好きなのか、映画が好きなのか世界が好きなのか、それとも挑戦し続けた姿勢そのものが好きなのか…で変わってくることなんだとは思いますが、ただ事実としてにわか知識の僕ですらこういう危うさのようなものを感じたので、純然たるファン、マニアの方々がどう思ったのかはとても気になるところです。

何度も書いている通り、僕はスター・ウォーズファンではないのでその視点でどうこうは言えませんが、ただ映画ファンとして感じる部分としては、やっぱりJ・J・エイブラムスはこの程度なのかな、と思います。すごく偉そうな言い方になりますが、焼き直しのうまさはあれど、自分のものに飲み込んで新しく生み出すほどの力はないな、と。

多分、ものすごく真面目な人だと思うんですよね。J・J・エイブラムス監督。だからファンに嫌われないように実直に積み上げて、それが見かけ上はとても良く出来ているんですが、自分の色を乗せて勝負に出るほどの力強さに欠けているわけです。それがとてもとても惜しい。

もちろん、長い沈黙を破っての再始動なだけに、しょっぱなはとりあえず安全策で、という考え方も理解できるし、間違いのない選択だと思います。そのための監督チョイスだったのかもしれません。ですが、次はもう少し勝負に出て欲しいと思います。さすがに40年近く前の映画をそのままの姿勢で勝負しても、そこを追い抜こうと頑張ってきた他の作品に負けてもおかしくないし、批判を恐れずもう一歩踏み出す勇気を見せて欲しいんですよね。

なんせスター・ウォーズですからね。マニアでなくとも大きな意味のある映画ですから。「まあ面白かったね」じゃダメなんですよ。

やや厳しい物言いになりましたが、ただ単品映画として観た場合は、掛け値なく面白いと思います。でも、スター・ウォーズだからこそ、その程度じゃダメでしょ、と思うわけです。

イチローが3割ちょうどじゃダメ、っていうのと一緒です。もうちょっと上に行ってくれないと。レジェンドなんだから。そんな感じ。(どんな)

[余談]

今回の3Dに関しては、さすがに「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス<3D>」よりは断然良くなっていて、それなりに3Dの意味がある映像になっていたとは思いますが、でもやっぱり暗くなるのが致命的。特に宇宙空間が舞台なだけに、やっぱり2Dでしっかり綺麗な映像を観た方が楽しめたのは間違いありません。

いくら収入増のためとはいえ、この欠陥技術を押していくのはいい加減やめて欲しい。「映画が趣味」と言い切れる人で3D肯定派、っているんですかね…。3Dカメラで撮ればまた全然違うんでしょうが、この手の後工程3Dは本当に明らかに問題があると思います。IMAXですらこうなんだから、通常の3Dなんて目も当てられないでしょう。

かと言って2Dで観ようとすると、やってるだけでもラッキーレベルで、しかも小さいスクリーンがほとんど。なんとかしてくれないかな、この制度…。

このシーンがイイ!

中盤、地上戦と空中戦が同時に行われるシーンがあるんですが、これは意外とあんまり観た記憶が無いな、と新鮮でした。迫力もすごかった。

ココが○

なんだかんだ書いてますが、普通に観ると、いろいろツボを抑えた部分もあってやっぱり面白いんですよ。ただスター・ウォーズレベルがそのレベルじゃ困るぜ、っていう期待値の問題で。

あと新ドロイドのBB-8が(若干あざとさはありつつも)とてもかわいくて良かった。

ココが×

上に書いた通り、もう少し挑戦して欲しかった。

MVA

ファースト・オーダー側の主要キャラ二人がちょっとヤサ男感出ちゃってたのが残念。特にカイロ・レン。マスク外すとなんかすごく微妙。ハックス将軍はあの「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」の主演君なので許します。

今作は半分ハリソン・フォードが主役で頑張っていましたが、でもやっぱりこの人かな。

デイジー・リドリー(レイ役)

主人公の女性。

新しく始まるスター・ウォーズの主役にほぼ新人の抜擢っつーことで偉い大変なお仕事だったと思いますが、これがまたとても素晴らしくて。意志の強そうな、フォース使えそうな雰囲気がバッチリ。凛としたかわいさがとても良かったです。

あと汗がいい。汗のおかげでより肌がすごく綺麗に見えた気がします。エロい目で見たわけじゃないヨ。一応。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA