映画レビュー0661 『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』

またも配信終了が間近に迫った映画からチョイス。そこそこ評判だったようなので観てみましたが…。

俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-

Step Brothers
監督
脚本
音楽
公開
2008年7月25日 アメリカ
上映時間
105分
製作国
アメリカ
視聴環境
Netflix(PS3・TV)

俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-

熟年結婚することになったロバートとナンシー。しかし二人にはそれぞれ同居するアラフォーのいい歳こいた息子、ブレナンとデールがいた。結婚したことでロバートの家に息子のブレナンともども引っ越してきたナンシーだったが、その息子二人がいがみ合い、家を荒らす毎日を過ごしていたところ、嫌味で成功者のナンシー次男・デレクがやってきて…。

またもクソつまんなかった。

3.5

アメリカでは大人気(らしい)、コメディ映画。

リチャード・ジェンキンス演じるハゲ親父が講演(?)先で客席にいたメアリー・スティーンバージェン演じるナンシーに一目惚れ、マイクで「今すぐ乳揉みたいおっぱい」的なことを口走ったことでお互い惹かれ合い、結ばれ、めでたく結婚。しかし二人にはそれぞれどうしようもなくバカなアラフォーニート息子がいて、その二人が結婚を機に同じ家に暮らし始めたことで…ある意味近親憎悪なんですかね、当然のようにいがみ合い、喧嘩の毎日。ところがある日やってきたとても性格の悪いナンシーの次男・デレクをぶちのめしたことで意気投合、仲良くなったものの結局いろいろ問題を巻き起こして…というようなコメディ映画でございます。

そこそこ評判が良かったので観てみたものの、ハッキリ言ってクソ映画でしたね。全然面白くなかった。「ズーランダー」と似た嫌悪感を覚えたんですが、まあ早い話が「バカを見下した笑い」なので、品もなければ知性もない、ハッキリ言って中学生レベルのコメディ。ドラムにキンタマ乗せるぞわーい! っていう。笑いどころが浅すぎる。面接中のロングなおならとか。え!? 今の時代にまだこんな笑い!? みたいな。

改めてアメリカのド直球なコメディ映画は観る必要がない、合わないなと思いました。ドコメディで面白かったのって「ハングオーバー!」ぐらいじゃないかな…。

もちろん、それなりに評判なことからもわかる通り、好きな人は好きなんでしょう。僕にはまったく合いませんでしたが。

当然ながらちょっと笑えるところ、クスッとするような場面はありましたが、でも…基本的に「40のオッサンがこれだけバカで空気読めないのって笑っちゃうだろ?」っていう程度の低い笑いなので、これなら普通に日本のバラエティを2時間観てた方がよっぽど笑えます。

奇遇なことについ最近「日本の笑いはレベルが低い」とか言って炎上した方がいましたが、こういうのを観ていたら明らかに日本の方がレベル高いでしょ、と思いますよね…。(一応フォローしておくと、彼の言うアメリカの笑いはこういう程度の低い笑いを指しているわけではないと思いますが)

また仕方のないこととは言え、さすがにウィル・フェレルとジョン・C・ライリーみたいないい歳こいた二人がアホ丸出しな人間を演じてるのって、もう明らかに「演じてる」って出ちゃうじゃないですか。演技がヘタとかそういう話じゃなくて、本来頭が良いだろうことはわかっているだけにどうしてもわざとらしい嘘くささが漂うというか。「マジでこの人頭おかしいんじゃね?」って感じさせるところまで踏み込んでいないんですよね。

ジャンルは全然違いますが、この前観た「サイド・エフェクト」でのルーニー・マーラみたいな、「演技なんだけど演技に見えない、マジでこういう人なんじゃねーか…」と思わせる、思いたくなるほどの迫力がないので、結局演者もこういう人をバカにしてるだけじゃないか、笑わせに行ってるように見せてるけどその実一緒になって嘲笑ってるだけじゃないか、と感じられてそこがまた嫌でした。

同じジョン・C・ライリーのコメディだったら、断然「おとなのけんか」の方が面白かったです。比にならないぐらい。ああいう知的さがあるコメディの方が笑えるし、気持ちがいい。

主人公二人は中年ニートでとんでもないバカなわけですが、そのバカさっぷりを嘲るような笑いは底が浅くてパターンが読めるし、おまけに前フリがくどいもんだから取って付けたような終盤の成長物語もベッタベタすぎてまったく感情移入できず、ただただ「こいつら嫌いだわー」の2時間弱でしたとさ。

いやー、ひどかった。全然面白くなかったしむしろ不愉快だったし。アメリカのコメディは人をバカにしすぎ。性格の悪さを感じる話が多い。一言で言うなら超幼稚な映画。精神年齢低すぎ。

バカをバカにして笑う、ってやっぱりちょっとレベルが低いと思うんだよな…。それなら某DPZのように「本気でバカをやっている姿」だけ見せて受け手に委ねる方が好きです。やってることはバカだけど、やってる方は大真面目で考えてやってる、っていう姿を見せるような。

この映画は「ほらバカでしょ、バカってほんとバカで笑っちゃうよなー」って丁寧すぎるぐらいにバカを強調して来つつバカに寄り添った視点ではなく、完全にマウントしてバカをこき下ろしているので(この辺は「ズーランダー」も一緒)、笑うというよりは嫌悪感が勝りました。

ただ逆に言えば、そういうコメディが好きな人はかなり楽しめるかもしれません。ね。

このシーンがイイ!

んー、ちょこちょこ鼻で笑う程度はあったんですが。呆れ笑いですが。これは、っていうのは無かったかな…。採用担当が無駄に豪華だったのが気になったけど。真面目に面接官やってたケン・チョンが出てきた場面が一番笑ったわ。逆に。

ココが○

徹底的に幼稚なので、そういう笑いが好きな人にとってはそこが良さになるんだろうと思います。

ココが×

本当にただバカをバカにして笑うだけの話なんですよね。中学生が集まってゲラゲラ笑いながら作った話って感じ。悲哀とか人間味みたいなものが皆無な上に、ラストのいかにもな持って行き方もヘドが出る。どうせなら最後までバカやれよ。綺麗に終わらせようとするところがまた嫌。

MVA

クソ映画だったので誰でも良いんですが、一応。

メアリー・スティーンバージェン(ナンシー・ハフ役)

結構なおばちゃんになってますが、この人は相変わらず品があって優しそうでイイ。ステキなおばさま感ゴイスー。

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