映画レビュー0156 『サンキュー・スモーキング』
2週間ぶりでございます。
仕事がちょっと忙しかったのと、最近考え込んでブルーになる機会が多いので、余計なことを考えないようにとなぜかFF11復帰しました、っていう。あーさん待ってるぜ!
サンキュー・スモーキング
「ライト映画」の代表作になれるかも?
タバコ産業お抱えのロビイストが主役、となると結構社会派なのかなと思ったりしますが、そんなことは全然無くて、テンポ良く楽しめる、すごくライトな映画でした。
僕は自他共に認める嫌煙派ですが、映画の内容的にも「タバコ吸おうぜ!(拳振上)」とタバコを賛美するようなことはなく、あくまでタバコは共通理解のための素材といった印象。「スラムドッグ$ミリオネア」におけるクイズ・ミリオネアと同じような立ち位置というか。みんなが知っている=余計な説明がいらない→テンポ良くわかりやすい映画になる、という使い方のような気がします。
ストーリーを振り返ってみても、特に何かあったわけじゃなかったりして、まったく(自分の中に)残らない映画と言っていいとは思いますが、でもこのテンポの良さとライトに楽しめるわかりやすさ、上映時間の短さというのは、実はかなり計算され尽くされているようなうまさを感じました。
軽く見られがちなこういうタイプの映画ではありますが、かなりイイ線行っているんじゃないかと思います。
このレビューを書くのにちょっと調べて知ったんですが、監督さんは「JUNO/ジュノ」の監督さんだそうで、なるほどなにか通じるものがありました。軽いけどしっかりお腹いっぱいにさせてくれるような。
個人的な話になりますが、ちょっと最近重たい映画が多かったこともあって、軽い映画が観たいと思ってたところに届いたのでまさにグッドタイミング。そんな時には打って付けな映画だと思います。誰にでも勧められる映画じゃないかなぁ。
このシーンがイイ!
ニックがディベートするシーンはどれもよかったんですが、一番よかったのは「マルボロマン」との対決のところ。
あれは頭の良さとか話のうまさがすごく出てて、感心しちゃいましたねー。
ココが○
軽い映画ではありますが、さらっとディベートの理論を(“さわり”でしょうが)語ってたりして、実は役に立たなくもなかったりするような気がしないでもないです。
ただまあ何と言ってもこの映画の「軽いうまさ」は映画好きなら観て損はないと思います。
ココが×
意外と(遠目ですが)しっかりファックするシーンがあったりするので、お子さまも一緒に、とはいかないかもしれません。強いて言えばそれぐらい。
MVA
役者さんも実力者揃いというか、なかなか面白味のあるキャスティングでした。超一線級はいないんですけどね。そこがまた面白かったんですが。
「JUNO/ジュノ」で気になったJ・K・シモンズもよかったんですが、今回は(も?)無難に
アーロン・エッカート(ニック・ネイラー役)
ですかねー。
僕の勝手なイメージですが、アーロン・エッカートってちょっと力が入っている役者さんというか、どっちかと言うと暑苦しい系だったんですが、今回はコメディタッチをうまくさらりと演じててよかったですねー。
ディベート力、頭の回転の速さというのがかなり重要な役割だったんですが、そういう部分もすごく見える演技でよかったです。元々演技はうまいと思ってましたが、幅が広がった印象というか。
あとは久々にロバート・デュヴァルを観られたのが嬉しかった。当然ですが、すっかりおハゲになられ。