映画レビュー0262 『アビス』
きっと点数つけてレビューしてる人はみんなそうだと思いますが、僕も最近「これがこの点数ならこっちはもっと低いよなー」とかその逆とか、後々振り返って「あれはやっぱ印象的だったしもっと高くていいよなー」とかその逆とか、再採点し直したくなるんですよね。
ちょっとこのブログも5以下は適当で6~8辺りの中間層が分厚くなりすぎているので、もう一度採点し直してより厳し目に点数振り分けようかなと考えてます。というどうでもいい内部情報でした。
[2017年追記]
そんなこんなで今回移転時もまた再度採点を見直ししています。と言っても再鑑賞したわけでもなく印象で付け直しているので、結構ドイヒーな見直しであるのも否めません。感覚的には減点3割、加点2割、そのまま5割という感じでしょうか。
また、前までの10段階から0.5刻みの20段階にしたのも、上記中間層を少しでもバラけさせるためというのが理由です。
アビス
途中までは面白かったんだけどなぁ!
(またも)お恥ずかしながらジェームズ・キャメロン監督作品初鑑賞ということで、これまた長いなーとちょっと億劫になりながらもじっくり観てやりましたよ。ええ。
舞台はほぼ深海。基本的にはSF映画ですが、原子力潜水艦の生存者救出というサスペンス的な話から始まり、戦争の足跡が忍び寄ってきて正気を失う人が登場してアクションしたり、謎の生命体登場でエイリアン的な要素も入ってきたり、最終的には反戦的なメッセージが込められたり…とかなり盛りだくさんな印象。
僕が観たのは3時間近い「完全版」の方だったんですが、この盛りだくさんな話のお陰で、割と終始飽きずに集中して観ることが出来ました。特に2時間辺りまでは緊張感の連続で、“潜水艦モノ”(厳密には潜水艦ではないので深海モノでしょうか)のご多分に漏れず、ハラハラドキドキ、映画にグッと引き込んでくれました。グッド。
ただ!
どうやらこの映画は、ジェームズ・キャメロン監督が高校時代に書いた短編小説が元になっているようなんですが、終盤でそれがひどく納得できるような、かなり直接的な“青い”メッセージが前面に押し出されてくるんですよね。
いや、言いたいことはすごくよくわかるし賛成なんですが。ただ、ちょっと表現の仕方として、いかにもすぎるし青いよなぁ、と…。
僕自身、“青い”面は持ってるので、お前が言うなよ的なものでもあるんですが、あまりにもわかりやすくメッセージ化しすぎてるために、逆に言えば僕がそう言いたくなるほど“メッセージ臭”が強いんですよね。
そこで少し子供だまし的な感覚があって、それこそまるで一気に深海から浮上していくかのようにこの映画への興味が薄れました。
もったいない。
あの辺の付け足しは…いらないというか、もっと隠喩的にやって欲しかったというのが正直な感想。ただ、未見ですが「アバター」も予告編を観る限りでは、この手のメッセージ臭が伺えた気がするので、それがジェームズ・キャメロンの個性なのかもしれませんね。
個人的には、途中まではかなり面白かっただけに非常にもったいないなぁと感じました。根底から否定するようですが、極端な話、謎の生命体的なものは無くてよかったような気もします。
もっと政治的な、きな臭い陰謀論的な物語に仕上げてくれた方が映画としては好みだったかなー。
このシーンがイイ!
深海を基本としたシーンはどれも圧巻で、なかなか見応えがありました。でも「ココがいい!」っていうシーンはあんまりなかったですね。
一つ挙げるなら、ベタだけどバッドがリンジーをビンタするシーンでしょうか。
ココが○
とにかくアノ人とのアレコレが一段落するところまでの展開は飽きさせなくて、こりゃー面白いなと思いました。それだけに、終盤がアレだと思っちゃったわけですが…。
ココが×
ズバリ言ってしまえば幼稚なんですよね…。メッセージが。すごくよくわかるけど、もう少しうまくやってほしいっていう。そこに尽きます。
MVA
さすがにエド・ハリスはこういう役をやらせたら最高ですねぇ。ブルーカラーのリーダー的なポジション。登場してすぐ電話口に叫んだときから、こりゃもう当たりのエド・ハリスだな、と。
ですが選ぶなら今回はこの方にしようと思います。
マイケル・ビーン(ハイラム・コフィ大尉役)
ネタバレになってくるのであんまり書けないんですが、徐々に変わっていく人物はやっぱり観ていて興味深いですね。演技的にも。なかなか不気味で良かったです。