映画レビュー0425 『バロン』

BS録画より。個人的には3作目となるテリー・ギリアムの映画です。

バロン

The Adventures of Baron Munchausen
監督
脚本
テリー・ギリアム
チャールズ・マッキーワン
出演
ジョン・ネヴィル
サラ・ポーリー
エリック・アイドル
音楽
公開
1989年3月17日 イギリス
上映時間
127分
製作国
イギリス

バロン

トルコ軍からの攻撃にさらされていたあるドイツの街で、「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」の演劇が行われていたところ、「私が本物のミュンヒハウゼン男爵だ」と老人が舞台に乱入。「今の戦争の原因は自分にある」とトルコ皇帝と賭けをした話を始める。

奇想天外、まさに絵本そのまま! ギリアムファンタジー最強だ!

8.5

ドイツ民話の、いわゆる「ほら吹き男爵の冒険」を映画にしてみました、という内容なんですが、まあ1980年代にここまでお金をかけてギッチリ世界を作りこみ、さらに“ギリアム臭”もきちんと織り込んで自分のモノにしている、という…「スゴイ」としか言いようのない映画でした。

僕の中ではファンタジーと言えば最初に出てくる監督さんはティム・バートンなんですが、これを観てテリー・ギリアムも同時に出てくる位置に来ましたね。ティム・バートンのようなキラキラした世界ではないものの、もう本当に絵本をそのまま映像化したような、「絵本の世界をリアルに移した」世界というか。

すごくチープなところはチープなんですが、そのヘタウマな感じが逆によりファンタジーを感じさせてくれるし、ギリアムっぽい味になっているという。勝手に分ければ、ティム・バートンは女性向け、テリー・ギリアムは男性向けファンタジーという感じ。

物語も「ほら吹き男爵の冒険」なのでギリアム作品っぽいクセのある雰囲気もなく、本当に絵本を読んでいるような感覚で気楽に観られます。これ、子供が観ても喜ぶんじゃないかなぁ。

ミュンヒハウゼン男爵が従える4人の家来がまたわかりやすいマンガっぽい能力を持っていて、その描き方もバカバカしくて楽しい。

気球で月に行ったり魚に食われたりといかにも童話っぽい内容ですが、その映像を作るためのセットもかなり大掛かりなものばかりで、その作りを観るだけでも楽しい。

かと言ってかなりお金はかかっているのがわかりつつも、「お金かかってんなー」という嫌味な感じでもなく、「がんばって作ったよ」という手作り感が見える感じ、これがまた映画好きとして最高なんですよね。ふと「ヒューゴの不思議な発明」の劇中で語られていた映画作りのシーンを思い出しました。あれを観た人ならわかると思うんですが、まさにああいう感じの手作り感で語られるファンタジー。これはもうやられちゃいますよ。

未来世紀ブラジル」のエンディングでちょっとガッカリしたギリアムですが、もう一度あの映画も観たくなるほど、すげー人だなと評価を改めました。この人の映画って、この人にしか作れないのがわかるんですよね。熱狂的なファンがいることも頷けます。

この映画は元のストーリーが古典的な民話なだけに、もしかしたら「ギリアムデビュー」に最適かもしれません。だいぶ「こういう映像を作る人だ」っていうのがわかる内容になっているし、唯一無二のチープファンタジー(褒め言葉です)を存分に味わえます。

ちょっと古い映画ではありますが、それだけになおさら味があるのもポイント。オススメ。

このシーンがイイ!

月でのシーン…というかロビン・ウィリアムズのシーンと言うか。いかにもロビン・ウィリアムズというアドリブ連打の狂気的演技。しかも首だけ。

最高です。

ココが○

手作り感、良い意味でのチープ感。お金をかけて手間になることをやる感じ。このこだわりはスゴイですね。本当に唯一無二の映画を撮る監督だと思います。

ココが×

特に無し。ただボケっと観ているだけでも楽しめます。

MVA

正直強烈過ぎて、大して出演時間の長くないロビン・ウィリアムズにしたい衝動に駆られるんですが、なんとか気を取り直して、ですね。こちらの方に。

サラ・ポーリー(サリー役)

くっついてくる女の子。もー単純にかわいい!

ギャンギャンうるさい子供ではなく、横道にそれる男爵チームを引っ張る進行役としてなんなら一番常識人っぽい振る舞いが大人っぽくもあり。歯並び悪い笑顔がまたかわいくて。久しぶりに目が行っちゃう子役でしたねぇ。

あとユマ・サーマンのヴィーナスが予想以上にハマってて笑いました。

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