映画レビュー0330 『バンク・ジョブ』
今回ご紹介のコチラ。
少し前に「ミニシアターの作り方」っていう本を読んだんですが、そこで取り上げられていたほとんどのミニシアターで公開されていた映画で、なんとなく気になったので観てみました。
まあ配給のしやすさだとか値段だとかいろいろ理由はあるんでしょうが、ミニシアター系ってやっぱり期待しちゃうんですよね。
バンク・ジョブ
深さが足りず、勢い任せ。
おなじみ渋ハゲことジェイソン・ステイサム主演の実話がベース(らしい)映画です。
早速概要。
事件の構図は少し複雑というか、いくつかの組織が絡みあっていて、主人公・テリーたち実行犯に話を持ってくるマルティーヌ、そのマルティーヌを裏で操る組織と、その組織から狙われている犯罪者、その犯罪者と同じ銀行に秘密を隠している他の犯罪者…といった面々が、一つの強盗事件でつながり、全員がテリーたちを狙ってくるようになったところでさてどう逃げるか…という頭脳戦に突入する…的なお話です。
まず舞台背景として、テリーたちが狙う「銀行」というのは、お金が預けられているだけの銀行ではなく、いわゆる貸し金庫のようなところで、そこには引き金となる「王女のセックス写真」を保管している“マイケルX”なる黒人犯罪者の他に、警察の腐敗を示す収賄記録を付けてある手帳を預けている“ポルノの帝王”だったり、SMクラブに入り浸る政府高官たちを密かに撮り続けていた売春宿のオーナーだったりといった顧客がいて、それらの「表に出せない」ものをゲットしちゃったテリーたちがデンジャラスになるよ、と。
話の筋としてはなかなか面白そうな感じもあり、例のロック、ストック以下略的な匂いも感じるわけですが、ああいう軽さはあまりなく、アクションから徐々にシリアスな展開に…みたいな感じで。
思ったほど軽くなく、割としっかりストーリーを描こうとしている感じがして意外ではあったんですが、ただいかんせん、どのエピソードも深さが足りず、サラッと展開していく感じが気になりましたね。ひじょーに説明しにくい部分なんですが、なんとなく…どれも「お決まり」な感じで。
人物描写が深いわけでもなく、アクションとしては当然物足りないし、サスペンスっぽい作りではあったんですが、その割にあっさり次に流れていく感じがどうも軽く感じちゃって、そのせいで逆に集中して観られないような。
多分、全体的な感覚はアクションなんですよね。人物描写だったり、エピソードの掘り下げ方だったり。でも、話の流れはサスペンスなので、「サスペンスの割には簡単すぎる」と思っちゃうような展開に微妙感が漂い。
あんまり頭を使って追うぞ! っていう感じよりも、「とりあえず組織をいくつか絡ませて複雑そうに見せるぞ!」って雰囲気にしつつでも実は特に考えなくても複雑じゃないし、っていう。その辺の不一致感が不完全燃焼な感じになり、集中力を段々削いで行きましたよ、という印象。
まあ、そんなわけで大して集中もせず、ダラダラ観てたから余計よくないんでしょうが。なんだろなー。もう見飽きた感じなんですよね。こういう想定内だらけの映画って。「どうなるんだろうドキドキ」ってソソるような部分がまったくなくて、大体予想の範囲に収まる展開が続くと、やっぱり興を削ぐというか「どうせこれ最後まで観ても大して面白く無いんだろうな」って感じがわかっちゃうというか。
もう少し、とんがって欲しい。
実話が元なら、(どこまで実話に基づいてるのか知らないですが)あえてもっと忠実に作る、とか。その方が社会派っぽい感じになって良さそうかな、と。足りない要素だらけでいろいろ不満がある映画でした。つまらないわけではないんですが。
足りていたのはおっぱいだけ。特に序盤のおっぱい押しは一見の価値アリ。
ウソです。無いです。おっぱいはたくさんあったけど。
このシーンがイイ!
うーん…特に浮かばず。
ココが○
話自体はいろいろ絡みあってて面白いと思うんですけどね。きっと演出・脚本・演技どれも足りてなかったのが問題なのかな、と。
ココが×
その辺の、もろもろの深さが足りない、っていうのが最大ですが、あとは「こいつ絶対途中退場するだろ」っていう二流感漂う外見の人物がいて、それが…ねぇ。(言えない)
MVA
ジェイソン・ステイサムは相変わらずで、特にとんがってもいなかったのがこれまた不満。そんなわけでこの人を。
サフロン・バロウズ(マルティーヌ役)
怪しい女、っていうこれまたわかりやすいポジションの人でしたが、まあ単純に割と綺麗で、ポジションにあった感じの人だったな、と。
それだけ。というかそれぐらいでしか選出できないほど、他がイマイチだった…。