映画レビュー1167 『血観音』

今回はJAIHOより、日本初公開のこちらの映画。台湾映画です。台湾の映画を観るのは初めてかもしれない…。

なお、余談ですが先日ついにクソデカ4Kテレビを買いました。自分のブログなのではっきり自慢しますが75型です。クソデカいです。

早速昨日オープンセレモニー的に久しぶりに「ガタカ」を観ましたが、レビューとしてはこの映画が最初の一発目となります。クソデカなだけに感想もまた違ってくる…こともないのでご安心ください。

今後は4Kで鑑賞したものに関してはその旨記載しますが、まだあんまり数もないようです。

血観音

The Bold, the Corrupt, and the Beautiful
監督

楊雅喆

脚本

楊雅喆

出演

恵英紅
呉可熙
文淇
柯佳嬿
丁強
陳莎莉
陳珮騏
大久保麻梨子
温貞菱
巫書維

音楽

柯智豪

主題歌

『満樹翠碧』
柯智豪 feat. パナイ・クスイ

公開

2017年11月24日 台湾

上映時間

112分

製作国

台湾

視聴環境

JAIHO(Fire TV Stick・TV)

血観音

ドロドロ特濃権力サスペンス。

9.0
骨董店を中心に渦巻く権力と金と殺人
  • 闇の投資案件の背後で起きた一家殺害事件
  • プロジェクトや有力者たちの中心にいる骨董店主人とその娘2人を軸に展開
  • やや難解でわかりづらい面はあるものの、じっくり見せてくれる特濃サスペンス
  • アジアらしい独特な雰囲気のストーリーテラーがインパクト大

あらすじ

非常に古い例えで申し訳ないんですが、かつてまだ地上波が元気だった頃のドラマ「もう誰も愛さない」を思い出させる特濃サスペンスでした。♪ンーンーンーンンーンンー ンーンンーンンー オーイエーエェ オーイエーエェ⤴

「棠府骨董店」を経営する女主人、棠夫人(恵英紅) の元には政財界のお偉方が集まり、骨董店でありながら上流階級の交流の場と化しております。

彼女には2人の娘がおり、長女の棠寧(呉可熙)は母の命により色仕掛け等の裏工作に関わり、やや精神を病み気味な様子。

次女の棠真(文淇)はまだ高校生ということもあり、棠夫人のお手伝いのような簡単な仕事を担当。姉よりも母から愛されているようです。

棠夫人は政府の都市計画プロジェクトを通し、複数の大物政治家と結託して利益を得ようと仲介したり顔を通したりと暗躍しますが、ある日そのプロジェクトに深く関わっていた県農会理事長の林一家が殺害される事件が起きます。

娘の翩翩(温貞菱)だけはなんとか一命をとりとめたものの昏睡状態に陥ってしまい、彼女と友人の棠真は甲斐甲斐しく看護しますが、しかしそこにはいろいろありまして…あとはご覧ください。

難しいもののショックを受けるぐらいにすごい

非常に説明が難しい映画ですね…。あらすじも一応書きましたが全然的外れな気もするし、とにかく観ないとよくわからない…と言うか観てもよくわからないぐらい難しい話でした。いろいろ込み入っていて。なんとなく大枠は理解できるんですが、固有名詞が難しい(中国名に慣れない)のもあってなかなか理解するのに苦労しました。

あらすじ書いといてさらに書くのもなんですが、ざっくり説明すれば、「彌陀(ミト)プロジェクト」と言う…まあ大型地域開発案件みたいなものに便乗して「みんなでお金儲けしましょう」的な悪巧みをしていたところにその中心メンバーの一家殺害事件があり、その裏にあるものを棠(タン)一家を通して観ていくお話、と言ったところでしょうか。

主人公はタン夫人になると思いますが、その娘2人も中心にいるので、まさにタン家の女性3人を通して観る巨大事件的な趣があります。ドロドロ特濃ガールズノワール、って感じ。(ガールズ?)

なんでもストーリーには台湾で起きた有名な出来事の数々がモチーフになっているらしく、それ故かなりしんどいお話でもあるんですが、だからこそ見応えは十分でなんならちょっとショックを受けるぐらいにすごい映画でしたね…。アジア映画すごい…。こういうの持ってくるJAIHOもすごい…。

タン家の面々は三者三様でどの人も違ったベクトルでいろいろスゴイんですが、僕は中でも長女の棠寧(タン・ニン)の存在がものすごく響きましたね…。なんと言うか、家のためにやっていることが後ろ暗いからか、はたまた徐々に明かされる彼女の属性故なのか、陰陽で言えば明らかに「陰」に属する雰囲気と背負っている諸々を思うとかなり考えさせられるキャラクターで、物語の雲行きの怪しさに比例して怪しさをまとっていくイメージがなんとも言えず、さらに…いやこれ以上はやめておきましょう。

とにかくエンディングまで観れば「彼女の人生とはなんなのか」と思いを馳せずにはいられません。それだけ良いキャラクターとも言えます。

良作なものの少々わかりづらいのが惜しい

なんとなく紹介のイメージ的にグロいんじゃないか…と手が出しにくかったんですが、グロさはまったくなく時折エロが入ってくる感じでした。なのでそっちの方の心配はあまり必要ありません…が、かなりドロドロした物語ではあるので人は選びそう。

また確実に胸クソ悪い部分はあるのでその辺でも人を選ぶ面はあるし観るタイミングには注意が必要かもしれません。なかなか人間の汚いところが見えるお話なので。ただそこが良くもあるんですが。

謎の盲目説話人がベベンと端折った部分の説明を入れてくるのも「略すなよ」と思いつつ雰囲気があって良かったりもするし、独特のイメージを持ったアジア映画としてかなり骨太な良作だと思います。

本来であれば即座に2回目を鑑賞して理解を深めたかったところですが、何せ結構重い映画なだけにそれだけの気力も湧かず…間違いなく力のある映画だと思いますが、人間関係のわかりづらさが少々惜しい、そんな映画でした。

まーしかしこんな隠れた名作が観られるんだからやっぱりJAIHOは良いですね。

このシーンがイイ!

おどろおどろしくもカラフルなオープニングタイトルがすごく良いですね。気取らずにアジアの映画だぜ、って感じで。

ココが○

これだけドロついた映画もなかなか無いんですが、その割には鑑賞者へのダメージも少なめ(人によるとは思います)なので、見応えの割に比較的観やすい映画だと思います。そこが良い。

ココが×

どうしてもわかりにくさは否めず、一度で理解し切るのはなかなか難しいように思いました。もうちょっと各人のバックボーンが描かれたら良いなと思うんですけどね。タン一家以外の面々についてもうちょっと知りたかった。

MVA

女性が中心の物語なので女優陣が目立つ映画でした。一人本人じゃないか、ってレベルで菊川怜に似てました。ハズキルーペ感。

やはり演者としてはタン家の面々が皆さん見事だったんですが、中でもこの人が一番スゴイなと思います。

文淇(棠真役)

読めねぇ…!

タン・チェン役のヴィッキー・チェン(もしくはウェン・チー)さんです。多分。

最年少の高校生、従順で真面目な女子かと思いきやいろいろしっかり観察していて、まあ演技力が見事でした。本当に。

賞もいろいろ受賞したそうで、それも納得です。この若さでこの演技力…すごい。

ちなみに個人的には林翩翩(ピェンピェン)役の温貞菱(ウェン・チェンリン)さんが抜群に好みでした。殺された一家で唯一生き残った女子。めっかわ。

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