映画レビュー0951『ボーン・アルティメイタム』

引き続きボーンシリーズ、3作目です。

ボーン・アルティメイタム

The Bourne Ultimatum

オープニングからテンション高く、スピード感も良し。

7.5
シリーズ3作目、一人の新聞記者によってボーン氏またも表舞台へ
  • 例の作戦が新聞記者にリークされ、CIA大ピンチ
  • 今回も追われるボーンさん、しかし今回はCIAも一枚岩ではなく…
  • 相変わらずキャスティングが渋めで良い
  • 3作目だけあって変えてこようとしている感じが◎

あらすじ

この頃になるとだいぶマット・デイモンも間抜け面から一皮むけてきた感じが出てきて、しっかり「俺がボーンだぜ」と思わせてくれる感じでイイですね。ってことで3作目。

イギリスの新聞記者、サイモン・ロスが一人の男性と会い、何やら内部情報をリークされたご様子。

そのリークを元に記事を書こうと編集部に連絡した際、「ブラックブライアー作戦」というワードを口にした途端、CIAに感知されます。オソロシイ。おなじみエシュロン(多国間運用の通信傍受システム)とか出てきちゃってこの手の話が好きな人間にはたまりません。最高ですね。

一方我らがボーンさんはこの新聞記者が先に書いた記事に自分に関する言及があったことから、イギリスへゴーしたのちCIAの目をかいくぐりつつ彼と接触。

どうしても作戦を表に出されたくないCIAは強硬手段を取り、サイモンの殺害を許可。しかしなかなか仕留められず「おかしくねーか?」と監視カメラを調べるとそこにいたのはボーン…! お前だったのか…!

かくしてサイモン共々CIAから命を狙われる形になったボーンさんですが、予想通り早々にご退場してしまうサイモンとは違い、さすがに一筋縄ではいかねーぜと今作も逃げ回ります。(言い方)

追う側のCIAでは、上層部の目論見もあって前作で彼を追っていたパメラが作戦に参加。パメラはボーンを信頼しているだけに、今回の責任者であるヴォーゼンの「生死問わず」の姿勢には懐疑的。

かくしてCIAも一枚岩では無い中、前作まで自らの過去に関係していた「トレッド・ストーン作戦」の延長線上にある「ブラックブライアー作戦」を追いながら、またも“自分探しの逃走”を繰り返すボーン劇場第三幕、開幕でございます。

大枠一緒、味付けに若干の変化

まあまた過去2作と同じような感じで、「CIAから追われつつ自分の記憶を取り戻そうと過去と対峙する」話でしか無いので…まーツラツラ書くのも大変ですよ。何書いたらええねんっちゅー話やで。

大枠は一緒、追う中心メンバーは今回も変更。ただそこに前作で若干の信頼関係を築いたパメラが入ってくることにより、少しだけ“攻め手”に変化が現れるのが3作目らしいところかな、と。

またやむなくボーンと行動をともにする形になるヒロイン的な存在も過去2作に登場したニッキーなので、「もうちょっと良い女優さん充てといた方が良かったんじゃないの」とおせっかいなことを思いつつ、しっかり過去の遺産を活かした作りになっているのが良いですね。

また(これもおなじみの)追手とのバトルに関しても、トルコの狭い民家で激しいバトルを繰り広げてなかなか迫力もあってアクション的に見ものになっているのも良かったです。

記憶喪失長すぎ問題

ただねー、やっぱりまだ「追われながらの記憶喪失との戦い」ってところは変わらないのがなんとも…もういいよ感。

原作もある映画だけにそっちの設定に引っ張られちゃうからしょうがないとは思うんですが、シリーズ物を観るにあたって「3作ずっと記憶喪失のままそれを取り戻す話」が続くとはさすがに思いませんでしたよ。どっかで思い出して復讐に転じるとかそういうの無いの?

シリーズ通して徹底的にCIAが悪者、追う中心人物は変われど指示を出す人物→殺し屋的存在→ボーンさん、って構図がまるっきり一緒なので、さすがにそれで3作はどうなのと。

おまけに毎回「あの任務のときの記憶が…!」ってやってんですよ。毎回その対象の任務が変わってね。

あの任務がトラウマだと思ってたけどその前にあった卒業試験がトラウマだった、でもその前にあった入隊試験が真の俺のトラウマ…! みたいな。

そうやって同じパターンを繰り返していくんです。さすがにこれは芸がなさすぎじゃない? そこの設定ぐらいちょっと変えて欲しかった。っていうかいい加減記憶戻せよ。

あまりにも外見変えて中身一緒のシリーズなので、せめて2は無くて良かったような気もします。この流れ、せいぜい2作で良くない?

連日イッキ見が良くなかったのか?

ただまあグリーングラスのグラグラ感も程よくこなれてきた感じはするし、全体的にスピード感もあって若干ながら過去2作との展開の違いもあるし、3作中ではこれが一番好きですね。かと言ってこれ単体で観て楽しめるものでもないだろうし前フリが2作あることを考えればそこまで褒められもしないんですが。

ちなみに詳細は書きませんが、時間軸的には結構珍しい展開を見せる話でもあるので、その辺のつながりも面白くはありました。ただアレって破綻してるような気もするんだけど…整合性は取れてるのかな。

まだ次の「ボーン・レガシー」もありますがあれは主人公も違うし例外として、ひとまずこの3部作で一段落なわけですが、全部観た感想としては「ここまで有名になるほどのシリーズかいな」というのが正直なところです。

なんと言っても「全部ベースの展開が同じ」なのがつらい。ただこれは連日続けて観たせいもあるのかな…。何年か間が空いて観ると「キタキタこれこそボーンさんやで!」ってなるのかもしれない。「まだ忘れとんのかいな!!」って喜んじゃうみたいな。

長いこと「3部作で終わった」と思われていたこのシリーズも、2016年に最新作「ジェイソン・ボーン」が作られまして、果たしてあれでもまだ同じ形を続けるのか…なんだかんだ言いつつまた観ることになりそうです。

このシーンがイイ!

オープニングのサイモンを電話で誘導しながら逃がすシークエンスは最高でしたね。ボーンの有能さとスピード感と緊迫感がたまりませんでした。

それと上に書いた民家での格闘シーンも良かった。

ココが○

パメラがいることでちょっとだけ力学が変わって見えた点は他2作と違って良かったですね。やってることは同じだけど少しだけ形が変わったのが。

ココが×

とは言えやってることは一緒だよ、っていうね。常に過去の断片的な記憶に悩まされる記憶喪失の男、って言うのがまったく変わらないんでね…。もうちょっと変えて欲しい。

MVA

今作もまた渋めのキャスティングが良かったわけですが、この人にしましょう。

デヴィッド・ストラザーン(ノア・ヴォーゼン役)

ボーンを追うCIAの責任者。

結局3作ともこのポジションの人を推してますね。まあそれぞれ良い役者さんを配してるからしょうがない。

デヴィッド・ストラザーン好きなんですよね。なんとも言えない渋さがあって。この役はご紹介の時点で若干弱さがありそうなスタートだっただけに最終的にもうちょっとその設定を活かして欲しかった気はしますが、それにしても渋くて良かったです。

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