映画レビュー0335 『探偵はBARにいる』
たまに登場邦画シリーズ。ご存じ我らがにょういずみにょうこと大泉先生主演ということで、DVD出たら観ようと思っていました。
探偵はBARにいる

一昔前の映画的雰囲気。
思い起こせば、「ちゃんと演技している」大泉洋を観るのは初めてでした。
主演は大泉洋、そして舞台は北海道と、どうでしょう軍団員としては否が応にも期待が膨らみますが、「ミスターちらっと出てこねーかなー」と期待しつつも映画としてまじめに評価。
もっと助手の松田龍平とのダブル主演的な映画なのかと思ってましたが、基本的に中心は大泉洋演じる「探偵」。タイトル通り、常にバーにいる探偵に黒電話で依頼が入り、グータラだけど強い助手の高田を引き連れながらその依頼を進めていくうちに大きな事件に巻き込まれ、黒幕は…依頼主は…! という映画です。概要終わり。
おそらく狙ってだと思いますが、全体的にやや古い、昭和っぽい雰囲気が漂っているように思いました。北海道(というかすすきの)という舞台もそういう要素に含まれているのかもしれません。またそういう雰囲気に主演の二人が合っています。二枚目コンビじゃない、っていうのがいいですね。
ただ、もはや褒めるべきはその程度でした。まずもうウンザリするほど書いてますが、やっぱり僕の嫌いな邦画に含まれる印象に似たものをこの映画も持っていて、まずセリフとノリがいちいち嘘くさい。大泉洋はがんばってましたが、でも電話でノリツッコミしたりとか、グータラ助手とのツッコミ的な絡みとか、まるでリアリティがない上にちょい寒い。こんなやついねーだろ、としか思えないキャラクター。これはもう完全に監督と脚本の問題でしょうね。
「そういうノリ」を期待している層がある程度いるからなんでしょうが、ある程度映画を観てきている人としては、この子どもっぽさはちょっと受け入れがたいものがありました。「邦画が嫌い」が故、かもしれませんが。
加えて、助手のキャラクター。グータラで、だけど強くて頼れる感じ。もーね、古臭すぎるんですよね。このキャラ。いかにもすぎて興醒めです。
さらに致命傷なのは、物語自体の内容。
黒幕は大して重要じゃないのでまだいいとしても、最も謎めいていると思しき「依頼主」は誰もが予想するアノ人で、物語の終わらせ方も予想通り、いかにも日本人が好きそうなストーリー。
別に予想通りなのが不満なんじゃないんです。予想できてもいいんです。面白ければ。この映画の場合、結末は予想できるわキャラクターにリアリティがないわで魅力的に感じる要素が殆ど無かったのが辛かった。ちょっと期待し過ぎたのかもしれません。どうせならもっと三枚目路線に寄せてくれた方が良かったです。
ヘタにサスペンスしようとしているだけに、そういうつもりで観たんですが、そうするとその辺りの浅さがサスペンス好きには耐えられないレベルで「はい、ダメな邦画の仲間入りー」と烙印押しておしまいです。
はー、2時間「水曜どうでしょう」観てた方がよほど有意義な時間を過ごせたと思います。「映画の域に達していない映画」、そんな感じ。これなら2時間ドラマで十分でしょう。映画にするほどの力はない。
このシーンがイイ!
ラスト前の電車内での大泉洋でしょうか。まあ見せ場というか…がんばってるね、と。
ココが○
好きな人はすごく好きな映画じゃないでしょうか。アイドル映画ってわけでもないし、渋い味もあると思います。特にサスペンスに思い入れがなければ、それなりに見られるんじゃないかと。
ココが×
やっぱりその「サスペンスとしてどうか」ってところでしょうね。この脚本は及第点に達していないと思います。サスペンス映画として。配役は良かっただけに、そこの残念さに尽きます。
MVA
初めて演技を観た大泉洋はがんばってましたが、あまり意外さの無いキャラクターだったので、違和感も無い分感心するほどのものではなく。松田龍平の助手も然り、ありがちすぎてウンザリです。
そんな中、コチラの方をチョイス。
高嶋政伸(ヤクザ役)
最初気付かなかったんですよね。この人って。やや特異に感じるほど入り込んでいて、がんばってました。今離婚裁判でゴタゴタしていたので、応援の意味も込めて選出。
あと探偵と腐れ縁のヤクザ、松重豊も良かった。ああいう渋い役は味があっていいですね。


