映画レビュー0616 『ゲーム』

いやー、この映画はちょっと個人的に曰く付きでして…。結末知ってから観ると面白いんだろうか…と思いつつ、2度目の鑑賞となります。

ゲーム

The Game
監督
脚本
ジョン・ブランカトー
マイケル・フェリス
音楽
公開
1997年12月12日 アメリカ
上映時間
128分
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

ゲーム

投資銀行経営者で大富豪のニコラスは、48歳の誕生日に弟のコンラッドから「CRS」という企業が提供している“ゲーム”の招待状をもらう。あまり乗り気でなかったニコラスだが、たまたま訪れたビルにCRSが入っていることに気付き、少し話を聞いてみようとオフィスに足を踏み入れ、結局一通りテストを受けて帰る。後日、「審査は不合格」と伝えられたものの、それ以来周りでは奇妙な出来事が立て続けに起こるのだった。

初見限定なら楽しめる…かもしれない。

7.0

改めて2回目を観たわけですが、やっぱりこの映画は“一発勝負”、初見で楽しむ映画じゃないかな、という気がします。謎のゲームに巻き込まれた主人公、そのゲームの目的とは、そして真実は…ってな感じですが、最も顕著に「詳しく書くと興を削ぐ」タイプの映画なので、多くは語りません。その代わり、個人的な「曰く付き」のお話をしようじゃありませんか。って大した話じゃないんですけどね…。

この映画、もう20年近く前になるんですか…。当時のバイト先で先輩にオススメされたんですよ。面白いぞ、って。

オチ付きで、ね…。

この映画、本当に最後のオチが全てなんですよ。もうほぼ2時間前フリで、最後の10分でドカーン! って話なんです。これ程ネタバレしちゃいけない映画って他にない気がする。それぐらい、多分その先輩にとっても衝撃的なエンディングだったんでしょうね。喋りたくてしょうがなかったんでしょう。

でもオススメしといてオチ言うってひどくない?

この映画を観たことがある人なら、その無粋さがよくわかると思います。最もオチの比重が高い映画のオチを言ってから勧める、って腐れ外道にも程があるでしょう。パナップの味付いてるところを綺麗にごっそり抜いてから「美味しいよ」って渡すようなもんですよ。これはひどい。

改めて観て、改めてひどいなと思いました。映画好きとしてあり得ないオススメの仕方。

思えばこの先輩は、僕が長く味わえるようにじわりじわりと楽しんでいたFF7でも「エ●リス死ぬんだよねー」とさらっとネタバレしてきたクソ野郎だったことを思い出しました。タチ悪いわ。この人。

んで、まあそういうことがあったので、初回もさして楽しめなかったのは覚えてます。オススメする側の熱意とは程遠い感覚で観終わった記憶。ただ、なにせ20年近く前の話なので、ラストシーン手前の最もピークと言えるあるシーンだけは明確に覚えていたんですが、それ以外の細かい部分はすっかり忘れてるし、だいぶ映画も観るようになった今、もう一度観たらどう感じるのかな…ってちょっと興味があって。監督フィンチャーだし。当時は当然、フィンチャーなんて名前すら知りませんでしたからね。

結果…「そこまででもないんじゃないか?」というのが答えかなぁ、と。いや、面白いんですよ。実際。オチを知らずに今初見で観ていたら…9.0行ったかもしれません。ただ、不幸なことにそういう出会いをしてしまった映画なので、答えを知りつつ観ているとやっぱり細かい部分で矛盾だったり、やりすぎじゃないかってところが気になるわけです。そこまで一人の人間を誘導できるものなのかなぁ、という釈然としない部分もあり。

ただ、この辺は物語上語られていないだけで、オプションで別の方に行った時の作戦だったり、いろいろとヘッジしてますよ、みたいな言い訳はいくらでもできる話でもあるので、整合性という意味ではつっこむだけ野暮な気はします。

創作故、言ってみれば無限に近い人員とコストが掛けられるお話(設定)なので、(物語上)実際に起きた出来事を追っただけで、主人公が別の選択を取っていれば、また別の導線で同じ結末を導いてましたよ、と言われれば、まあそうなんだろうなと思うしか無い。そういう意味では、結構ズルい「何でもあり」な話でもあるし、その守備範囲の広さがなんとなく気に入らない部分だったような気もします。

ただまあ…これも全部想像でしか無いので、答えは無いんですけどね。なんせ始めっから種明かしされてるのでね…。腹立つわー。20年越しに腹立つわー。あいつ。

ということでいつにも増して参考にならないレビューだと思いますが、まったく事前情報無しで観るには面白いんじゃないかなーと思います。オチを知っているなら、観ないでいいでしょう。こういう映画はあんまりソフトを持つ意味がないよね…。

このシーンがイイ!

序盤のニュース映像が語りかけてくるシーン、好きですね~。ニュースキャスターがまた気味の悪さを増幅していて。ああいうの大好き。でも隠しカメラはどう考えてもピエロだろ。主人公ヘボすぎ。

ココが○

ネタを知らずに観るならサスペンスとして面白いのは間違いないと思います。一度は観るべきかな、と。

ココが×

なんでか途中で眠くなったんですよね。観たタイミングのせいもあるんでしょうが、でもやっぱりちょっと飽きるというか、「怪しい出来事に巻き込まれる」話が長過ぎるような気はします。

ただそれも答えを知ってるからそう感じただけかもしれないしなぁ…。なんとも言えません。

MVA

ちょっと古い映画とは言え、ヒロインがなんか残念。もうちょっと惹かれる人が良かったなー。ウェイトレス感はあったけども。

ショーン・ペンが弟役で時間としては大して出てない、っていうのも今となっては結構贅沢な気がしますが、んー、まあ順当にこの人かな。

マイケル・ダグラス(ニコラス・ヴァン・オートン役)

主人公のちょっと嫌な大富豪。こういう役、ほんと似合う。

あんまり観客に好かれるタイプの主人公じゃないから合っているというか、もっと同情を買うタイプの人だったら多分観ていて嫌になったような気がします。ヒュー・グラントとかね。かわいそうになっちゃうもん。笑っちゃうけど。

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