映画レビュー0620 『マダムと泥棒』

これまたBS録画より。ってか連休でもない限りレンタルは行かないんだよ! ばか!

…怒鳴ってすまない。反省している。

マダムと泥棒

The Ladykillers
監督
アレクサンダー・マッケンドリック
脚本
出演
ケイティ・ジョンソン
セシル・パーカー
ハーバート・ロム
音楽
トリストラム・キャリー
公開
1955年12月8日 イギリス
上映時間
97分
製作国
イギリス

マダムと泥棒

ある上品な未亡人の元に、“教授”と名乗る紳士が、友人らと弦楽五重奏の練習のために部屋を借りたいと訪ねてくる。快諾した彼女をよそに、部屋に集まった5人の男たちは現金輸送車を襲う計画を立てていて…。

古さが気になるものの、話は面白い。

7.5

あのピーター・セラーズにアレック・ギネス共演ということで、すわ「名探偵登場」か、と楽しみ半分不安半分で観始めたわけですが、実際あの映画っぽい「昔っぽいコメディ映画」という感じの映画でございました。ただ、ピーター・セラーズの怪演を楽しみにしていたものの、最後まで誰がピーター・セラーズか気付かないぐらいにものすごく普通の役だったのがちょっと残念。

それもそのはず、ピーター・セラーズにとってはかなり初期の作品のようです。カラーだったので「そこそこ古そうだな」ぐらいにしか思ってませんでしたが、実際1955年の作品なので、今観る分には相当古い部類の映画に入ります。

「ザ・イギリス淑女」と言った風情の上品極まりないお婆さん、ウィルバーフォース婦人の家を借り、夜な夜な集まっては弦楽五重奏の練習をしている…テイの泥棒5人衆。現金輸送車を襲い、大胆な手口でお金を回収、これでみんなでお金持ちやでクックックッ…とほくそ笑んでいたがー…というお話。

序盤はお婆ちゃんのありがた迷惑なお人好しっぷりに天然ボケが炸裂、もどかしいながらもなんとか計画を実行に移す犯人たちでしたが、当然そのまますんなりと事が終わるはずもなく、そこから予想外の展開になって…いやはや面白かったです。

細かい部分で「え?」と思えるようなつなぎがあったり、このシーン、この余韻は何なんだ的な謎の時間が流れたりと、いかにも古いコメディっぽさがあるので、しっかりじっくり観るにはややしんどい面はありましたが、しかしタイトルにもある通り「マダムと泥棒」という謎の組み合わせは今でも新鮮で、「いやーそんなことないでしょー」と思いつつも有り得そうな、絶妙な展開の物語は今でも十分楽しめます。

なんとなく映像とか雰囲気の古さで、平日昼間にテレビ東京でやってそうな感じの映画だな、と思って観ていましたが、とは言えアレック・ギネスに(初期とは言え)ピーター・セラーズも出ているだけに、なかなか古い映画を観てきている人間としては味のあるキャスティングでもあったし、意外にしっかり観られたな、という印象。

今の時代では成立しない面も多々あるんですが、逆にこの時代だからこそのユルさが面白い部分でもあるし、実は盗み云々よりも人間ドラマ的な方にシフトしていく後半戦の趣深さはなかなかのものでした。

一説によると、あのコーエン兄弟が好きだったために「レディ・キラーズ」というリメイクを撮った、という話もあり、こっちはこっちでまた観てみたいな、と思いましたね。いかにも怪しい、でも一番紳士っぽい素晴らしい演技を披露した“教授”アレック・ギネスのポジションにトム・ハンクスが充てられている、という面でもちょっと気になる。

一応ジャンルの上ではコメディで、確かにドコメディしたシーンも一部あったりはしましたが、でも中身としてはそこまでコメディとも言い難い面もあり、単純なコメディよりももっと深い、奥にちょっとエスプリが効いた感じ…とでも言いましょうか、ちょっと皮肉っぽい雰囲気もある、イギリスっぽい映画だなぁと思います。エスプリはフランス語ですが。細かいことはいいじゃない。

なかなかこういう映画って、それこそたまたま放送してくれました、みたいなことがない限りは観にくいものだと思いますが、意外と後々別の作品に影響を与えてたりするので、やっぱり映画好きとしてはこういうのも観ておくべきだな、となんとなく思いました。

超オススメでは無いけれど、なんというか捨て置けない魅力のある映画という感じ。機会があれば観てみると良いかもしれません。

このシーンがイイ!

「汽車を使う」シーンが面白かったですねぇ。なるほど、当時はこういう使い方をしてたのか、と…。いや実際してたのか知りませんが。これ、今じゃ絶対無理なので、この辺も「レディ・キラーズ」はどう解消したのかが気になるんですが、それは置いといてすごく面白いな、と。

ココが○

脚本上のマダムの存在意義が素晴らしいですね。犯罪的にも、その後の展開的にも。ちょっと現実味のない話ではあるんですが、よくこんな話考えるな~と思います。

ココが×

何分古い映画なので、いろいろと今の感覚からするとズレている感じはありました。上にも書いたように「え? この間、何?」みたいなシーンもチラホラ。それが味、と言えばそれまでですが、なーんか違和感がある感じは否めません。

あとはアレック・ギネスの眼力が妙に強力なので、生理的に受け付けない女子もいそう。

MVA

で、アレック・ギネス…といきたい気はするんですが、でもやっぱりこの人だよなぁ、と。

ケイティ・ジョンソン(ウィルバーフォース婦人役)

まさに絵に描いたようなイギリスの上流階級のお婆様。

すんげーかわいいんですよ。チャーミングって言うんですかね。「かわいいお婆ちゃんになりたい」って言う場合、まさにこういう人のことを指すんじゃないかな、と。品があって、凛としていて。ただ、当然ながらその分泥棒にとってはめんどくさい人でもあるわけで…そこがまたお上手。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA