映画レビュー0485 『私がクマにキレた理由』
なんで録ってたのかすっかり忘れましたが。気楽に観られそうだったので、平日仕事終わりに鑑賞。
私がクマにキレた理由
気楽に観られて人を選ばない良作。
大学卒業後、自分が本当にやりたい仕事を見つけるまでの腰掛けバイトとして、とんでもない大金持ちの“X”家の子守をすることになった主人公・アニー。ちなみに子守のことは「ナニー」と言うらしく、ついでに“X”家の奥様を演じるのは「(ローラ)リニー」というどうでもいいお話ですが、映画自体はなかなか良い映画で。まだまだ将来に迷いのある若い女子が、大金持ちの価値観にさらされながらスルリと一皮むけるコメディタッチの成長ドラマであり恋愛ドラマでもあり的な内容です。
主演はスカーレット・ヨハンソン。もうこの時点で大スターになっていたと言っていいと思いますが、まだたかだか23歳とかだったんですねぇ。でも今とあんまり変わらない。
彼女が仕えるX家は、奥さんがローラ・リニーで旦那がポール・ジアマッティというなかなか通好みな配役ですが、個人的にはポール・ジアマッティの良さを活かしきれないようなステレオタイプの役だったのが残念。反面、ローラ・リニーのセレブ奥様はものすごくハマってて、絶妙に「嫌なやつじゃ無さそうなんだけど嫌なやつ」っていう。なかなかリアルでございました。
見方によってはラブコメっぽくもあるんですが、このお相手役がなんとクリス・エヴァンスという。まさかのブラック・ウィドウとキャプテン・アメリカの共演がこの時点でなされていたとは! アベンジャーズファンは必見の映画かもしれません。
僕としてはベタなヒーロー丸出しで面白みのないキャプテン・アメリカよりも、こっちの役の方がクリス・エヴァンスの良さが出てた気がしますね。こっちはこっちで上流階級のおぼっちゃま的な感じではあるんですが、彼が好きな女子としては結構グッと来る場面もあったんじゃないかという気がします。なんとなく。
生意気な子供に振り回されながらも徐々に仲良くなり、イケメンともいい感じになりながら仕事に悩み、果たして私の人生これでいいのか? という等身大の物語は、誰しも共感できる部分があるんじゃないでしょうか。それこそ「これから就活!」みたいな若い人に観て欲しい映画かも。
ある種定番の流れではありますが、「金があるからって幸せになれるわけじゃないよ」という価値観の提示も大事なメッセージだし、僕はこういう映画を観ていくことで心の豊かさレベルをアップしていけるんじゃないかと勝手に思ってます。
だからこそ、若い人に観て欲しいかな。観やすいし。
このシーンがイイ!
特にすごく良かったっていうわけでもないんですが、飲み会でアニーが啖呵を切るシーンが好きでしたね。スカッとした。
ココが○
結構扱ってるテーマは普遍的でありがちではあるんですが、少し変わった切り口のコメディタッチで重すぎない作りにしているのがいいですね。
ココが×
突き抜けるほどの何かがあったかと言われると、それは無かったかなと。あくまで“ライトな映画”というのが最大のメリットかつウリだと思います。
MVA
みなさん申し分無かったんですが…この人かなぁ。
ローラ・リニー(ミセスX役)
もうすっかりおばちゃんになっちゃいましたが、それにしてもセレブ奥様が似合う。なんというか「人は悪くないけどいろいろ理解できてない」感じが、いかにもそれっぽくて。
しかしセミナーで似たような奥様方が集まってましたが、ホントにニューヨークってこんな奥様方がいっぱいいるんですかね…。怖いわー。