映画レビュー0216 『アウトロー(1976)』

案の定、GWは特に何も予定がないので、よしこりゃいっちょ映画でも観に行くか! と思ったら近場ではまさかの観たい映画ゼロ地獄。

そういうもんです。撮り溜め映画観るしかないか~。

あといい加減、人物ページも増やさないと(:.;゚;Д;゚;.:)

[2017年追記]

人物ページは移転時に大増量したよ!

それとこの映画について一点補足すると、タイトルの(1976)は後に公開になった同じタイトルの映画(トムクルさん主演)のレビューを後にするので、1976年版の方のアウトローだよという意味で入れています。

アウトロー

The Outlaw Josey Wales
監督
脚本
フィリップ・カウフマン
ソニア・シャーナス
原作
『The Rebel Outlaw: Josey Wales』
フォレスト・カーター
出演
サム・ボトムズ
ソンドラ・ロック
ビル・マッキーニー
ウィル・サンプソン
音楽
公開
1976年6月30日 アメリカ
上映時間
135分
製作国
アメリカ
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

アウトロー(1976)

南北戦争時代のアメリカ。北軍に家族を殺されたジョージーは、復讐のため、仲間たちが北軍に投降する中、一人戦いの道を選ぶ。

イーストウッドらしい味わいのある映画。

6.0

家族を殺された男が復讐のために一人で生きていくことを決めた…というとなかなかベッタベタな雰囲気ですが、そこはさすがイーストウッドと言うんでしょうか。

舞台背景は完全に西部劇だし、ドンパチも結構あるんですが、実はロードムービー&家族愛みたいなものが主体なので、今の時代に生きるナウな現代人にも親しみやすい内容なう。全然なうじゃないけど。

ベースが復讐とは言え、ジョージーさんは立派な賞金首として行く先々で顔が売れちゃってる有名人さんなので、“追う側”としてジリジリ追い詰めつつ待ってろよ、という話ではなく、どちらかと言うと逃げ続けながらチャンスを待つイメージ。

元々一匹狼的な雰囲気のジョージーさんですが、同じく“ワケあり”な人たちが不思議と回りに集まってきます。それも彼自身が求めているわけではなく、成り行きで集まってくるんですが、そこでも馴れ合う感じではなく「ついてきたければ好きにすればいい」的なアダルトな魅力が満載な感じが西部劇っぽくてイイ。イーストウッド、ブイシーです。

そんなワケあり軍団として旅をしていくうちに、軍団がやがて家族となり、やがて決着の時がきて…というお話ですが、結末は僕の想像とはちょっと違っていて、そこが「ほほぉ、なるほど」と。

ネタバレ回避のためにあんまり書けませんが、終盤の「テン・ベアーズ」との対決の辺りからかなり味わい深い展開が続いて、そこで「おおー、いいなさすがイーストウッド」って感じになりましたねぇ。

非常に静かで、でも芯の強い男が、その信念を背負いながらどう生きていくのか、という結構重たそうな根っこの部分を、うまく西部劇のエンタメ性に乗っけて美味しい料理に仕上げましたよ、という印象。

僕のように、ステレオタイプな西部劇のイメージで「今更観てもイマイチ面白くないんでしょ?」なんて思ってる人でも、十分に楽しめる映画だと思います。特に生き様的に男性が観るにはすごくいいんじゃないかと。

(監督として)初期のイーストウッド映画と言えると思いますが、演出といい味わいといい、しっかり「イーストウッド映画」してます。この人の映画が好きなら、観て損は無いんじゃないかと。

このシーンがイイ!

これはやっぱり、「テン・ベアーズとの対決」シーンでしょうか。

簡単過ぎると言えば簡単過ぎる展開ですが、味があって良かった。

ココが○

そんなわけで意外とロードムービー的な良さもあったりするので、「西部劇はちょっと…」っていう食わず嫌いはもったいない映画です。

ココが×

一点だけ言うなら、ドンパチシーンがやっぱりちょっと信憑性に欠けるというか、早い話が主人公強すぎだろ、と。

まあこの映画の本筋は主人公の(バトル的な)強さはあんまり関係ないものなので、強いて言うなら、ってところです。

MVA

いきなり西部劇に似付かわしくないガール、ソンドラ・ロック。ちょっと面長だけどかわいなーと思って観てましたが、この後イーストウッドとお付き合いしたそうで。さすが伊達男やりよるわ、と思ったのはさておき、今回はこの方。

チーフ・ダン・ジョージ(ローン・ウェイティ役)

序盤からついてきてた、先住民の長老的なお方。

終盤近くの早朝のやり取りもそうですが、とにかくこの人とジョージーの「言わんでもわかりまっしゃろ」的な掛け合いがたまりません。なにげにハッスルナイトがあったりもして。皮肉っぽい白人ジョークも飛ばしたりして。素敵。

こういう先住民系の人は大成しないのがわかりきってるだけに切ない部分もありますが、それはさて置き、顔に刻まれた皺からしてもう味わい深い、良い役者さんを連れてきたなーと。

グラン・トリノ」でも少数民族に光を当てたイーストウッド、人種問題にもいろんな思いがある人なんでしょうね。

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