映画レビュー1601 『フィラデルフィア・エクスペリメント』

だいぶレビューのストックも貯まってきたので、ちょっと気が向いたときに平日も更新していこうと思います。
今年こそは年末慌てて詰め込むような更新はしたくないんでね…!

さて今回。
U-NEXTのマイリスもだいぶ充実してきて当分は困らないぐらいのストックがあるんですが、とは言え配信終了近いものが気になるこのご時世。
結局その中からちょっと気になったこちらの映画を観ることにしました。

フィラデルフィア・エクスペリメント

The Philadelphia Experiment
監督

スチュワート・ラフィル

脚本

ウィリアム・グレイ
マイケル・ジャノヴァー

原作

チャールズ・ベルリッツ
ウィリアム・L・ムーア

出演

マイケル・パレ
ナンシー・アレン
ボビー・ディ・シッコ
エリック・クリスマス
ルイーズ・ラサム
スティーヴン・トボロウスキー
ゲイリー・ブロケット
キーン・ホリデイ
マイルズ・マクナマラ
ラルフ・マンザ
デブラ・トロイヤー

音楽

ケネス・ワンバーグ

公開

1984年8月3日 アメリカ

上映時間

102分

製作国

アメリカ

視聴環境

U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

フィラデルフィア・エクスペリメント

ちゃんとしたB級映画的良さ。

7.5
第二次世界大戦中、レーダー探知を回避する実験中に時空が歪んで海兵2人が未来へ飛ばされる
  • 有名な都市伝説「フィラデルフィア計画」を元に作られたSF
  • 時代的に安っぽい演出が目に付くものの、話の流れは意外とまともでしっかり観られる
  • 未来へ飛ばされるタイムスリップ系ながら、その「未来」は公開当時なので低コストの安心スリップ
  • 主演のマイケル・パレがアラン・ドロンを彷彿とさせるイケメンで何やっても許される感

あらすじ

あんまり期待せずに観たんですがそれが良かったのか全然悪くなかったですね。意外と拾い物って感じで。

第二次世界大戦中、フィラデルフィア港でアメリカ海軍が「艦船を敵のレーダーから探知させなくする」実験を行っておりまして、やったぜ探知されなくなったぜと思ったら船ごと消えてマジカヨ、的なスタートです。
消えた艦船はどうやら時空を彷徨ったようですが、その中の乗組員である二人の海軍兵、デヴィッド(マイケル・パレ)とジム(ボビー・ディ・シッコ)が船から飛び降りると砂漠の中に降り立ちます。
ここはどこだ、なぜドイツのビールが転がってるんだ、コカコーラの缶もやたら軽いぞ…と歩いて行き着いたダイナー的なところに入りカラーテレビやアーケードゲームに戸惑いつつ、とりあえず基地に電話をかけ司令官の名前を告げても向こうはそんな司令官は知らんとにべもなく、なんやかんやと怪しまれた二人は追われる形となりまして、その場に偶然居合わせた女性・アリソン(ナンシー・アレン)の車に乗り込み、彼女を巻き込む形で逃走します。
なんでこの車クラッチがないんだ!? 運転しろ! ということでオートマの車に困惑するデヴィッドはナンシーの運転で逃げていきますが途中ジムがなんか電磁波のようなものをまとって超ヤバそうなので病院へ。
そこでジムは姿を消してしまい、デヴィッドも逮捕されてしまいますがナンシーは(特に言ってなかったけどデヴィッドが超イケメンだったからに違いない)被害を取り下げ、彼と共に行動することに決めます。
どうやら1984年に飛んでしまったことを知ったデヴィッドは自分のことを知っている実家の父の元へ行くことに決め、ナンシーと共に向かいますが…あとはご覧くださいませ。

意外としっかり観られる

元となった「フィラデルフィア計画」というのは、映画と同じ1943年にフィラデルフィアで行われた実験によって駆逐艦が360km離れたドックへ瞬間移動した、という有名な都市伝説だそうです。
これは当然ですが公式に否定されているどころか問題の駆逐艦「エルドリッジ」は一度もフィラデルフィアに寄港した記録もなく、またその後普通にギリシャに売却されていたりと都市伝説の中でもかなり雑な話っぽいんですがそれはそれとして物語の種として面白いのでは、的に利用されたのかもしれません。
海軍の艦船がタイムスリップ…ということで年代的にもものすごく「ファイナル・カウントダウン」っぽさがあるんですが、団体戦だったあちらとは違ってこちらは個人戦といった様相を呈しております。
またあちらは未来→過去でしたがこちらは過去→未来なので未来描写にもコストがかかる…かと思いきや公開当時が「未来」なのでむしろ過去描写の方がコストかかるよという低予算をうまい具合に活用したタイムスリップものです。
第二次世界大戦中の1943年から映画公開当時の1984年に40年ちょっとタイムスリップし、何が何やらわからないまま何が起きているのかを把握するために過去(デヴィッドにとっては現在)の知己を頼っていくうちに真相へ近づいていく…といった内容になっております。

もはや話としてはこれ以上でも以下でもなく、これより先についてはネタバレに足を突っ込んでしまうので特に言うこともないんですが…とりあえず「ううっ、身体が今の時代に馴染んでいない!」的に腕とかが急に焼ける(焦げる?)ようなエフェクトだったりタイムスリップするシーンだったりはまーとにかく安っぽくてそこが逆に味だなって思っちゃうんですが、その辺のB級感の割に思いの外ストーリー…というか話の見せ方がちゃんとしている印象で、意外としっかり観られたなという感じ。
簡単に言ってしまえば「現在の協力者を得て過去から来た人が何が起こったのか探っていく」話でしかなく、また自分自身で解決するというよりは向こうも彼を追っているのである意味相思相愛というか普通にお互い協力してたらもっとあっさり解決してたんちゃいますのんと思わなくもないんですが、その辺があまり気にならないのはやっぱりそのときそのときの展開に無理がなかったためなのかな、と。主人公のムーブが非常に自然です。
ただ自然と言いつつもそこは映画なのでまったく迷いなく車を盗んだり全然善人じゃないよねムーブも何度かかましてくれるんですが、そこで許される説得力を持つのが主演のマイケル・パレの顔面ですよ。奥さん。
彼の顔をじっくり見ているとどこかアラン・ドロンっぽい綺麗さが感じられます。
それもそのはず(?)、お父さんがフランス系カナダ人の血を引いているそうで、つまりちょっとフランスの血が入っているらしいんですよね。
フランスの血が入っている=アラン・ドロンに似ててもおかしくない、という非常に頭の悪い短絡的な連想ゲームではありますが、なんとなく(後付で言われて)「イケメンのアメリカ人」とは少し違った雰囲気を感じました。ちょっとだけ繊細さが入っているような。
ヒロインもいくら危害を加えられなかったとは言え強引に車を奪われた上に運転までさせられたのに告訴を取り下げます、というのはどう考えてもデヴィッドがイケメンだったからです。知らないけど絶対そう。
これがトビジョとかなら絶対告訴されてますよ。なんなら銃殺されてる。結局人間なんて顔面で結末が変わるんだ…!
僕は誰と戦っているんでしょうか。やさぐれるのも程々にしてほしいですね。(他人事)

続編&リメイクはダメそう

ちなみに今作はまさかの続編とリメイク版も存在しているんですが、どちらも評判は芳しくないようなのでこれだけ観ておけばいいかと思います。僕もそのつもりです。
やっぱり腐っても1980年代、不器用さすら味になるのは僕がこの頃の映画が好きなせいなのか、はたまた産業の勢いなのかはわかりませんが、きっとこの映画は監督の手腕が大きいような気がしますね。なんとなく。
多分腕のない監督が作っていたらもっとしょうもないB級に成り下がっていたのではないかと思います。
最終的には恋愛模様に収束する感じがちょっと惜しくはありましたが、それでもなかなか面白かったので観る機会があったらどうぞ、ということで。

このシーンがイイ!

シーンとしてここ! っていうのはあんまりなかったかなぁ。
あっさり横転して爆破した車には笑いました。

ココが○

なんか振り返っても普通の話だったなと思うんですが、それでも悪くなかったのはやっぱり演出とか展開が地道にしっかり作られていたのかな、という気がするんですよね。
地雷を踏まない映画、というか。逆説的に。
意外とこういうのは難しく、防御力に優れた映画みたいな感じです。(謎の表現)

ココが×

結局(ある意味当たり前なんですが)タイムスリップしたロジックの部分はまるで触れられていないいい加減なものではあるので、その辺りに物足りなさはありました。
側(入口)はSFだけど中身は恋愛、みたいな感じ。

MVA

まあこれはもう見た目からしてこの人しかいないでしょう。

マイケル・パレ(デヴィッド・ハーデック役)

主人公のイケメン。
演技としてはまあ普通というか特段何か言うこともないんですが、とにかく顔がいい。それだけで説得力が増すのがズルい。
これだけイケメンならさぞかし売れただろう…と思いきや今に至るまでB級映画の出演が多いそうで、やっぱり見た目だけでもダメなのねという当たり前の感想です。
ちなみに「ストリート・オブ・ファイヤー」の主演もしていたそうですがこちらの記憶はまったくありません。
面白かったのは覚えてるんだけどね…面白かったな、っていうのだけね…。サントラも買ったんだけどな…。

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